# シニア犬が急に無表情になってきたと感じたら疑うべき感覚低下の兆候

> シニア犬が急に無表情になってきたと感じたら疑うべき感覚低下の兆候について、考えられる原因や背景、家庭でのケアと受診を検討する目安をイヌラバ博士がわかりやすく解説します。

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- 公開日: 2025-06-06
- 最終更新日: 2026-06-16
- 執筆・編集: イヌラバ博士
- タグ: 愛犬のケア・しつけ、シニア犬について

シニア犬の無表情は感覚機能の衰えのサイン

            愛犬が急に無表情になったと感じたら、視覚・聴覚・嗅覚の低下を疑いましょう。

            8歳以上の犬の14.2％に認知機能障害が見られ、感覚低下は初期症状として現れます。

        

        
            「最近、うちの子の表情が乏しくなってきた気がする...」そんな飼い主さんの不安な声を、私は15年間の動物病院勤務で何度も聞いてきました。シニア犬の表情変化は、単なる老化ではなく、感覚機能の低下による重要なサインかもしれません。
        

        
            愛犬がこちらを見つめる瞳に、以前のような輝きがない。名前を呼んでも振り向くのが遅い。大好きだったおやつにも、なんだか反応が薄い...。
        

        
            実はこれらの変化は、シニア犬の感覚機能低下と深く関わっているんです。まるで霧の中を歩いているような、そんな状態かもしれません。2011年の調査では、11〜12歳の犬の28％に認知機能障害の兆候が見られたという報告もあります[1]。でも大丈夫、早期発見できれば対処法はたくさんあります。
        

        ## 静かに進行する感覚機能の衰え〜見逃しがちな3つのサイン

        
            私が動物病院で働いていた頃、ある日突然「うちの子が耳が聞こえなくなった！」と駆け込んでくる飼い主さんがいました。でも実際に診察してみると、聴覚の低下は数年前から徐々に進行していたケースがほとんどでした。
        

        ### 視覚の衰え〜薄暗がりでぶつかるようになったら

        
            8歳以上の犬の14〜24％に視覚障害が見られます[2]。ある日、診察室で13歳のゴールデンレトリバーが壁にぶつかりそうになったんです。飼い主さんは「最近、夕方の散歩で立ち止まることが増えた」とおっしゃっていました。
        

        
            犬の視覚低下は、特に薄暗い環境で顕著に現れます。階段を怖がる、物にぶつかる、知らない場所で不安そうにする。これらは全て、視界がぼやけてきているサインなんです。
        

        
            #### 視覚低下のチェックポイント

            
                - 夕方や早朝の散歩で立ち止まることが増えた

                - 階段の昇り降りをためらうようになった

                - 初めての場所で壁際を歩くようになった

                - おもちゃを見失うことが増えた

            

        

        
            とはいえ、完全に見えなくなるわけではありません。私の経験では、多くの場合は白内障の初期段階。適切な管理で進行を遅らせることも可能です。
        

        ### 聴覚の低下〜名前を呼んでも振り向かない理由

        
            「先生、最近うちの子が言うことを聞かなくなって...」そう相談されたシーバイヌのケースを思い出します。実は、反抗期ではなく聴覚の低下が原因でした。
        

        
            聴覚障害は認知症の最大の予測因子の一つです[3]。ノースカロライナ州立大学の研究では、聴覚を失った犬は認知機能の低下が30〜40％速いことが示されています。
        

        
            それでも、ある工夫をすることで、コミュニケーションは可能です。私が診ていた14歳のビーグルは、手信号だけで散歩を楽しんでいました。振動で合図を送ることもできるんです。
        

        
            ### 聴覚低下の危険信号

            大きな音にも反応しない、ドアベルに気づかない場合は、早めに獣医師に相談しましょう。交通事故のリスクも高まります。

        

        ### 嗅覚の衰え〜食欲不振の意外な原因

        
            さて、最も見逃されやすいのが嗅覚の低下です。「最近、ご飯を残すようになった」という相談、実は嗅覚の問題かもしれません。
        

        
            犬の嗅覚受容体は約3億個。人間の5百万個と比べると、その重要性がわかります[4]。嗅覚が衰えると、食べ物の匂いがわからず、食欲が落ちるんです。
        

        
            ある15歳のダックスフンドは、フードを温めることで食欲が戻りました。ぬるま湯を少し加えて香りを立たせる。こんな簡単な工夫で、また美味しそうに食べるようになったんです。
        

        ## 無表情の背景にある認知機能の変化

        
            感覚機能の低下は、実は氷山の一角。その下には、より大きな問題が潜んでいることがあります。
        

        
            犬の認知機能障害（CCD）は、人間のアルツハイマー病と似た脳の変化を示します[5]。βアミロイドというタンパク質が脳に蓄積し、神経細胞の機能を妨げるんです。
        

        
            私が忘れられないのは、16歳のシェットランドシープドッグのケースです。最初は「なんとなく表情が乏しい」という主訴でした。詳しく聞くと、夜中に徘徊する、トイレの失敗が増えた、飼い主を認識できないことがある...。
        

        
            でも、早期に介入したことで、その子は最期まで家族との絆を保つことができました。認知機能障害は進行性ですが、適切な管理で生活の質を維持できるんです。
        

        
            ## 感覚低下と認知機能の関係

            感覚機能の低下は、脳への刺激減少につながります。視覚・聴覚・嗅覚からの情報が減ると、脳の活動も低下。これが認知機能障害を加速させる要因となります。逆に言えば、残された感覚を最大限活用することで、認知機能の維持にもつながるのです。

        

        ## 早期発見で変わる〜今すぐできる5つのチェック

        
            「うちの子は大丈夫かな？」そう思ったら、以下のチェックを試してみてください。
        

        
            - 視覚チェック：部屋の模様替えをしたとき、戸惑う様子はありませんか？

            - 聴覚チェック：背後から名前を呼んだとき、振り向きますか？

            - 嗅覚チェック：大好きなおやつの袋を開けても、反応が鈍くなっていませんか？

            - 認知チェック：いつもの散歩コースで迷子になることはありませんか？

            - 社会性チェック：家族との交流を避けるようになっていませんか？

        

        
            実は、これらの変化は「DISHAA」という評価基準の一部なんです[6]。Disorientation（見当識障害）、Interaction changes（相互作用の変化）、Sleep-wake cycle（睡眠覚醒サイクル）、House soiling（排泄の失敗）、Activity changes（活動性の変化）、Anxiety（不安）の頭文字を取ったものです。
        

        ## 希望を持って〜愛犬との新しい関係づくり

        
            感覚機能が低下しても、愛犬との絆が失われるわけではありません。むしろ、新しいコミュニケーション方法を見つけるチャンスです。
        

        
            私が診ていた17歳のプードルは、視覚も聴覚もほとんど失っていました。でも、飼い主さんの愛情深いケアで、最期まで幸せそうでした。触覚でのコミュニケーション、決まった時間の食事、安全な環境づくり。工夫次第で、シニア犬も充実した生活を送れるんです。
        

        
            #### 感覚低下への対処法

            
                - 環境整備：家具の配置を変えない、段差にマットを敷く

                - コミュニケーション：手信号や振動での合図を併用する

                - 食事の工夫：フードを温める、水分を加えて香りを立たせる

                - 医療的介入：認知機能改善薬（セレギリン）の使用[7]

                - 栄養管理：抗酸化物質を含む専用フードの活用

            

        

        
            さて、あなたの愛犬はどうでしょうか？もし「最近なんだか表情が乏しい」と感じたら、それは感覚機能低下のサインかもしれません。でも心配しすぎないで。早期発見と適切なケアで、シニア犬も豊かな生活を送ることができます。
        

        
            愛犬の変化に気づいたあなたは、すでに素晴らしい飼い主さんです。一緒に、愛犬のゴールデンエイジを支えていきましょう。
        

        ## よくある質問（FAQ）

        
            Q1: 何歳から感覚機能の低下は始まりますか？
            一般的に7〜8歳頃から始まりますが、大型犬では6歳、小型犬では10歳頃からという傾向があります。ただし個体差が大きく、定期的な健康診断で早期発見することが重要です。研究では、7歳を過ぎると学習能力や記憶力に変化が現れ始めることが示されています。

        

        
            Q2: 感覚低下と認知症の違いは何ですか？
            感覚低下は視覚・聴覚・嗅覚などの機能が衰えることで、認知症（CCD）は脳の機能全体が低下する病気です。ただし、感覚低下は認知症のリスク要因となります。特に聴覚障害がある犬は、認知機能の低下が30〜40％速いという研究結果があります。

        

        
            Q3: 無表情になった愛犬とのコミュニケーション方法は？
            触覚を活用したスキンシップ、決まった時間のルーティン、振動での合図などが効果的です。また、残された感覚を最大限活用することが大切です。例えば、視覚が衰えた犬には声かけを増やし、聴覚が衰えた犬にはジェスチャーを使うなど、個々の状態に合わせた工夫が必要です。

        

        
            Q4: 病院に行くべきタイミングは？
            以下の症状が見られたらすぐに受診してください：急激な視力低下、完全な聴覚喪失、食欲の著しい低下、夜間の徘徊や不安行動、排泄の失敗の増加。これらは治療可能な他の病気の可能性もあるため、早期診断が重要です。

        

        
            Q5: 予防や進行を遅らせる方法はありますか？
            定期的な運動と脳トレーニング（パズルフィーダーなど）、抗酸化物質を含む食事、社会的交流の維持が効果的です。また、認知機能改善薬（セレギリン）や専用療法食（Hills b/d、Purina NC NeuroCare）も選択肢となります。早期介入が最も重要です。

        

        
            ## 飼い主の声

            
            
                「15歳のラブラドールですが、最近呼んでも振り向かなくなり、表情も乏しくなってきました。病院で聴覚検査をしたところ、かなり聴力が落ちていることがわかりました。今は手信号でコミュニケーションを取っています。最初は戸惑いましたが、新しい絆ができたような気がして、かえって愛おしく感じています。」

                - 東京都 佐藤さん（62歳）
            

            
                「うちの子は13歳のトイプードルです。夜中に部屋をウロウロするようになり、時々トイレも失敗するように。獣医さんに相談したところ、認知機能障害の初期段階とのことでした。セレギリンという薬を始めて、夜用のライトも設置したら、かなり落ち着きました。早めに気づいて本当によかったです。」

                - 神奈川県 山田さん（45歳）
            
        

        
            ## 参考文献

            
                - Neilson JC, Hart BL, Cliff KD, Ruehl WW. Prevalence of behavioral changes associated with age-related cognitive impairment in dogs. J Am Vet Med Assoc. 2001;218(11):1787-1791. Available at: https://todaysveterinarypractice.com/neurology/management-of-dogs-and-cats-with-cognitive-dysfunction/

                - Hopper RG, Bromberg RB, Salzman MM, et al. Dual sensory impairments in companion dogs: Prevalence and relationship to cognitive impairment. PLOS One. 2024. Available at: https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0310299

                - Fefer G, Khan MZ, Case B, Gruen ME, Olby NJ. Relationship Between Hearing Loss and Cognitive Function in Aging Companion Dogs. J Vet Intern Med. 2022;36(4). Available at: https://news.ncsu.edu/2022/08/hearing-loss-in-dogs-associated-with-dementia/

                - Whole Pet Vet Center. Sensory Loss In Aged Pets. July 21, 2022. Available at: https://wholevets.com/sensory-loss-in-aged-pets/

                - Prpar Mihevc S, Majdič G. Canine Cognitive Dysfunction and Alzheimer's Disease – Two Facets of the Same Disease? Front Neurosci. 2019;13:604. doi:10.3389/fnins.2019.00604. Available at: https://www.frontiersin.org/journals/neuroscience/articles/10.3389/fnins.2019.00604/full

                - Madari A, Farbakova J, Katina S, et al. Assessment of severity and progression of canine cognitive dysfunction syndrome using the CAnine DEmentia Scale (CADES). Appl Anim Behav Sci. 2015;171:138-145.

                - AAHA. 2023 AAHA Senior Care Guidelines for Dogs and Cats: Managing Cognitive Dysfunction and Behavioral Anxiety. December 9, 2024. Available at: https://www.aaha.org/resources/2023-aaha-senior-care-guidelines-for-dogs-and-cats/managing-cognitive-dysfunction-and-behavioral-anxiety/

            

        

        
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