# 高齢犬が水を飲む量が増え続けるときの腎機能チェックリスト

> 高齢犬の多飲多尿は腎臓病の初期症状として最も多く見られる変化です。

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- 公開日: 2025-06-06
- 最終更新日: 2025-07-02
- 執筆・編集: イヌラバ博士
- タグ: 愛犬のケア・しつけ、シニア犬について

高齢犬の多飲多尿は腎臓病の初期症状として最も多く見られる変化です。

            飲水量が体重1kgあたり100ml以上になったら要注意です。

            SDMA検査により腎機能の40%低下で早期発見が可能になりました。

        

        
        
            「最近、うちの子がやたらと水を飲むようになって...」そんな相談を受けるたび、私は15年前の苦い記憶がよみがえります。動物病院に勤め始めて間もない頃、14歳のゴールデンレトリーバーの腎不全を見逃してしまったあの日。飼い主さんは「年だから水をよく飲むのかと思って」と涙を流されていました。その経験から、私は高齢犬の飲水量の変化を決して軽視しないようになりました。
        

        
        ## 「ただの老化」では済まされない多飲多尿の真実

        
        腎臓病は高齢犬の3頭に1頭が発症する一般的な病気です。しかし、初期段階では症状がほとんど現れません。多飲多尿（水をたくさん飲み、尿量が増える）は、腎機能が25%まで低下して初めて現れる症状なのです[1]。

        先日も、12歳のビーグルを連れてきた田中さん（仮名）がいらっしゃいました。「最近水をがぶがぶ飲むんです」とのこと。検査の結果、IRIS（国際獣医腎臓病研究グループ）のステージ2の慢性腎臓病でした。幸い早期発見できたため、適切な治療により進行を遅らせることができています。

        
            ### ⚠️ 緊急度の高い症状

            以下の症状が見られたらすぐに動物病院へ：

            ・1日の飲水量が体重1kgあたり100mlを超える

            ・排尿回数が明らかに増加

            ・食欲不振や体重減少を伴う

        

        ## 見逃しやすい腎機能低下の初期サイン

        2020年の研究によると、慢性腎臓病の犬で最も多く見られた症状は食欲不振（84%）、元気消失（77%）、嘔吐（55%）、下痢（37%）でした[2]。ところが、これらの症状が現れる前に、多飲多尿という重要なサインがあるのです。

        実は、腎機能が低下すると尿を濃縮する力が衰えます。そのため薄い尿を大量に排出するようになり、体内の水分が不足しやすくなるのです。それを補うために、犬は頻繁に水を飲むようになります[3]。

        「でも、暑い日は水をよく飲むでしょう？」

        
        確かにその通りです。しかし、室温が一定の環境で、運動量も変わらないのに飲水量が増えている場合は要注意。私が診た症例では、飼い主さんの多くが「そういえば最近、夜中にも水を飲みに起きるようになった」とおっしゃいます。これは典型的な腎機能低下のサインなんです。

        ## プロが使う腎機能チェックリスト

        以下は私が実際に使用している腎機能評価のチェックリストです。これらの項目を総合的に判断することで、より正確な診断が可能になります。

        
            
                
                    検査項目
                    正常値（目安）
                    異常を示唆する値
                    注意点
                
            
            
                
                    飲水量
                    体重1kgあたり20-70ml/日
                    100ml/日以上
                    環境温度や運動量も考慮
                
                
                    尿比重
                    1.030以上（犬）
                    1.030未満
                    複数回の測定が必要
                
                
                    クレアチニン（Cre）
                    0.5-1.8 mg/dl
                    1.4 mg/dl以上
                    筋肉量により変動
                
                
                    BUN（尿素窒素）
                    7-27 mg/dl
                    27 mg/dl以上
                    食後の採血で上昇
                
                
                    SDMA
                    0-14 μg/dl
                    15 μg/dl以上
                    早期発見に有用
                
                
                    リン
                    2.5-6.0 mg/dl
                    6.0 mg/dl以上
                    腎臓病進行の指標
                
            
        

        ### 早期発見を可能にする新しい検査「SDMA」

        従来、腎機能の評価はクレアチニン値が中心でした。しかし、クレアチニンは腎機能が75%失われるまで上昇しません[4]。一方、SDMA（対称性ジメチルアルギニン）は腎機能が40%低下した時点で上昇します。

        実際、慢性腎臓病の犬でSDMAはクレアチニンより平均9.8か月早く上昇したという報告があります[5]。この差は、愛犬の予後を大きく左右する可能性があるのです。

        ただし、SDMA検査にも注意点があります。検査結果のブレが大きく、1回の検査だけでは判断できません。私の経験では、2〜4週間の間隔で複数回測定し、持続的な高値を確認することが重要です[6]。

        ## 検査結果が示す「本当の意味」

        血液検査の数値だけで一喜一憂する必要はありません。重要なのは、複数の検査項目を総合的に評価することです。

        例えば、BUNが軽度上昇していても、クレアチニンが正常で尿比重が保たれていれば、脱水や高タンパク食が原因かもしれません。逆に、クレアチニンが正常範囲内でも、SDMAが持続的に高値で尿比重が低下していれば、早期の腎機能低下を疑います[7]。

        先月診察した15歳のシーズーの例では、クレアチニンは1.2mg/dl（正常範囲内）でしたが、SDMAが18μg/dl、尿比重が1.018でした。IRISステージ1の慢性腎臓病と診断し、早期から食事療法を開始しました。このような早期介入により、腎臓病の進行を遅らせることができるのです。

        ### 誤解されやすい「偽陽性」のケース

        ここで注意したいのが、腎臓病以外でも検査値が異常を示すケースです。

        ある日、「健康診断でBUNが高いと言われた」と心配そうに来院された飼い主さんがいました。詳しく聞くと、検査前に大好きなジャーキーをたっぷり食べていたとのこと。再検査では正常値に戻っていました。

        食後の採血、脱水、消化管内出血、高タンパク食などでBUNは上昇します[8]。だからこそ、絶食状態での再検査や他の項目との総合評価が不可欠なのです。

        ## 家庭でできる腎機能モニタリング方法

        毎日の観察こそが、愛犬の健康を守る第一歩です。以下の方法で、家庭でも腎機能の変化をモニタリングできます。

        
            #### 🏠 家庭でのチェックポイント

            
                - 飲水量の測定：朝に新鮮な水を計量カップで入れ、翌朝の残量を確認

                - 排尿回数の記録：散歩時の排尿回数、室内でのトイレ回数をメモ

                - 尿の色と量の観察：薄い色の大量の尿は要注意

                - 体重測定：週1回、同じ時間に測定し記録

                - 食欲と活動量：普段との違いを日記形式で記録

            

        

        特に飲水量の測定は重要です。体重10kgの犬なら、1日1リットル以上飲むようになったら要注意。私は飼い主さんに「ペットボトル何本分」という形で記録してもらうことが多いです。

        ## 検査で異常が見つかったときの対処法

        もし検査で腎機能の低下が見つかっても、決して諦める必要はありません。適切な治療により、多くの犬が良好な生活の質を保ちながら長生きしています。

        慢性腎臓病の犬において、腎臓病用療法食による食事療法を行った群は、行わなかった群と比較して生存期間が約3倍長かったという報告があります[9]。

        療法食の特徴は以下の通りです：

        
            - タンパク質の適正制限（質は高く、量は控えめに）

            - リンの制限（腎臓への負担軽減）

            - ナトリウムの制限（高血圧予防）

            - オメガ3脂肪酸の強化（抗炎症作用）

        

        ただし、療法食への切り替えは段階的に行う必要があります。急激な変更は食欲不振を招き、かえって体調を崩すことがあります。通常、7〜10日かけて徐々に切り替えていきます。

        ### 定期検査の重要性とタイミング

        IRISガイドラインでは、腎臓病のステージに応じた検査頻度を推奨しています[10]：

        
            - ステージ1：3〜6か月ごと

            - ステージ2：2〜3か月ごと

            - ステージ3：1〜2か月ごと

            - ステージ4：2〜4週間ごと

        

        定期検査により、病気の進行を早期に発見し、治療法を調整できます。「検査ばかりでかわいそう」と思われるかもしれませんが、早期対応により苦痛を最小限に抑えることができるのです。

        ## 飼い主さんからよくある質問と回答

        
            Q1. 水をたくさん飲むのは健康的ではないのですか？
            適度な水分摂取は健康的ですが、体重1kgあたり100ml以上の飲水は異常です。腎臓病、糖尿病、クッシング症候群などの可能性があるため、獣医師の診察を受けることをお勧めします。多飲多尿は体からの重要なサインです。

        

        
            Q2. SDMA検査はどこの動物病院でも受けられますか？
            SDMA検査は外注検査となることが多く、すべての動物病院で実施可能というわけではありません。事前に電話で確認することをお勧めします。検査費用は施設により異なりますが、通常の血液検査に追加で3,000〜5,000円程度です。

        

        
            Q3. 腎臓病と診断されたら寿命はどのくらいですか？
            ステージや個体差により大きく異なります。研究によると、ステージ1では400日以上、ステージ2で200〜400日、ステージ3で110〜200日、ステージ4で14〜80日という報告があります[11]。ただし、適切な治療により、これらの期間を大幅に延長できる可能性があります。

        

        
            Q4. 療法食を食べてくれない場合はどうすればいいですか？
            療法食への移行は段階的に行い、温めたり、少量の茹でたジャガイモやサツマイモを混ぜることで食べやすくなることがあります。複数のメーカーの療法食を試すのも有効です。ただし、タンパク質の多い肉類のトッピングは控えめにしてください。

        

        
            Q5. 人間用の腎臓病の薬は犬にも効きますか？
            絶対に人間用の薬を自己判断で与えないでください。犬と人間では薬の代謝が異なり、重篤な副作用を引き起こす可能性があります。必ず獣医師の処方に従い、犬用の薬を適切な用量で使用してください。

        

        
        
            ## 実際に早期発見できた飼い主さんの声

            
            
                「13歳のコーギーを飼っています。最初は夏だから水をよく飲むのかと思っていましたが、秋になっても飲水量が多いので検査を受けました。SDMAが16で、初期の腎臓病と診断されました。すぐに療法食に切り替えて1年経ちますが、数値も安定していて元気に過ごしています。早めに気づいて本当によかったです。」（東京都・Kさん）
            

            
                「うちの子は健康診断でたまたま腎機能の低下が見つかりました。症状は全くなかったので驚きましたが、獣医さんから『早期発見できてラッキーでしたね』と言われました。定期的な健康診断の大切さを実感しています。」（神奈川県・Mさん）
            
        

        
        ## 今すぐ始められる腎臓病予防と早期発見

        愛犬の腎臓を守るために、今日からできることがあります。毎日の飲水量チェック、定期的な健康診断、そして何より、小さな変化を見逃さない観察眼。これらが愛犬の健康寿命を大きく左右します。

        15年の経験から断言できるのは、「様子を見る」ことが最も危険だということ。多飲多尿に気づいたら、まず獣医師に相談してください。早期発見・早期治療により、多くの犬が腎臓病と上手に付き合いながら、幸せな老後を過ごしています。

        あなたの愛犬が、一日でも長く、快適に過ごせますように。そのための第一歩は、今日の飲水量をチェックすることから始まります。

        
        
            ## 参考文献

            
                - 自由が丘どうぶつ病院. 獣医師が解説｜犬の慢性腎不全（腎臓病）の原因から食事・治療法について解説！ Available at: https://hospital.anicom-med.co.jp/jiyugaoka/disease/urological/20210813/1147/

                - Dunaevich A, et al. Acute on chronic kidney disease in dogs: Etiology, clinical and clinicopathologic findings, prognostic markers, and survival. J Vet Intern Med. 2020;34:2507–2515. DOI: 10.1111/jvim.15931

                - 和漢・みらいのドッグフード公式ブログ. 腎臓病の愛犬を長生きさせるために飼い主ができることと予防方法. 2024. Available at: https://mirai-dog.com/DGT/blog/yakuzen/dog-kidneydisease-longevity/

                - IDEXX Japan. SDMAの重要性. Available at: https://www.idexx.co.jp/ja/veterinary/reference-laboratories/sdma/why-sdma-matters/

                - Nabity MB, et al. Symmetric Dimethylarginine Assay Validation, Stability, and Evaluation as a Marker for the Early Detection of Chronic Kidney Disease in Dogs. J Vet Intern Med. 2015;29:1036–1044. DOI: 10.1111/jvim.12835

                - たまのおねだり. 慢性腎臓病の早期発見につながる！？新しい血液検査項目「SDMA」について. Available at: https://www.tamaone.jp/ext/magazine/2019/09/newbloodtest-sdma.html

                - 柳都こもれび動物病院. BUN, Creの上昇が示すもの. 2022. Available at: https://www.rkomorebi-ah.com/archives/892

                - ARKRAY. 本当に腎臓病？決めつけていませんか？ 2025. Available at: https://arkraythinkanimal.com/2019/05/27/sh43/

                - Jacob F, et al. Clinical evaluation of dietary modification for treatment of spontaneous chronic renal failure in dogs. JAVMA 2002;220(8):1163-1170.

                - IRIS. IRIS Staging of CKD. Available at: http://www.iris-kidney.com/guidelines/staging.html

                - Rudinsky AJ, et al. Factors associated with survival in dogs with chronic kidney disease. J Vet Intern Med. 2018;32:1864–1873. DOI: 10.1111/jvim.15322

            

        

        
        
            本記事はイヌラバ博士が編集した一般情報であり、個別の診断や治療に替わるものではありません。

            愛犬に異常が見られた場合は、必ず獣医師へご相談ください。

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本記事は一般的な情報提供であり、獣医師による診断・医療行為に代わるものではありません。急な悪化や強い異常がある場合は動物病院へ相談してください。
