# 犬の垂れ耳にだけ症状が出やすい理由とケアの工夫

> 垂れ耳の犬に外耳炎が多い理由：垂れ耳の犬は、耳の中の通気性が悪く湿度が高くなりやすいため、立ち耳の犬と比較して外耳炎の発症リスクが高くなります。

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- 公開日: 2025-07-02
- 最終更新日: 2026-06-09
- 執筆・編集: イヌラバ博士
- タグ: 耳の病気

垂れ耳の犬に外耳炎が多い理由：垂れ耳の犬は、耳の中の通気性が悪く湿度が高くなりやすいため、立ち耳の犬と比較して外耳炎の発症リスクが高くなります。

            構造的な問題：犬の耳道はL字型構造で、垂れ耳の場合は耳介が耳道を覆うため、さらに通気性が悪化し、細菌や真菌が繁殖しやすい環境になります。

            ケアの重要性：定期的な耳の観察と適切な清掃、通気性の改善が予防の鍵となります。

        

        
        
            愛犬がしきりに首を振ったり、後ろ足で耳を掻いたりしていませんか？特に垂れ耳の子を飼っている飼い主さんから「うちの子、また耳が赤くなって…」という相談を本当によく受けました。私が動物病院で働いていた15年間、外耳炎で来院する犬の約7割が垂れ耳の子だったんです。
        

        
        ## なぜ垂れ耳だけが？構造的な宿命

        
        実は、犬の耳道は人間とは全く違う構造をしています。2018年に東京都内の動物病院で勤務していた時、獣医師の田中先生（仮名）が耳の模型を使って説明してくれたことがあります。「見てください、この曲がり具合。まるで排水管のL字パイプみたいでしょう？」

        
        犬の外耳道は垂直部と水平部からなるL字型。これだけでも汚れが溜まりやすいのに、垂れ耳の子はさらに耳介が蓋のような役割をしてしまうんです。[1]ある研究によると、外耳炎を発症した犬の83％が何らかのアレルギー体質を持っていたそうですが[2]、それに加えて垂れ耳という構造的な問題が重なると、まさに「ダブルパンチ」といえる状況に。

        とはいえ、全ての垂れ耳犬が外耳炎になるわけではありません。朝の診察時間、コッカースパニエルのモモちゃんは10歳になっても一度も外耳炎になったことがない優等生でした。飼い主さんに秘訣を聞くと「毎日耳をめくって風通しを良くしてあげてるんです」とのこと。なるほど、ちょっとした工夫が大きな違いを生むんですね。

        ### 湿度との闘い―見えない敵

        2019年の梅雨時期、外耳炎の患者さんが普段の3倍に増えたことがありました。ふと診察室の湿度計を見ると78％。そういえば、垂れ耳の中の湿度ってどのくらいなんだろう？

        獣医師と一緒に測定してみると、なんと耳道内の湿度は90％を超えていました。これでは細菌や真菌にとって天国のような環境です。正常な耳にも少数のブドウ球菌やマラセチアという真菌は存在しますが、高湿度の環境下では爆発的に増殖してしまいます。[3]

        「でも、うちの子は水遊びもしないのに…」と不思議がる飼い主さんも多いでしょう。実は、シャンプー後の不十分な乾燥や、過度な耳掃除による刺激も湿度を上げる原因になるんです。

        ## 痛みと痒みのサイン―早期発見のコツ

        毎朝8時、病院の開院準備をしていると、必ず最初に来るのが外耳炎の急患でした。「昨夜から急に耳を掻きむしって、見たら血が…」という緊急事態。でも実は、その前から小さなサインは出ていたはずなんです。

        
            ### ⚠️ 緊急度の高い症状

            ・耳からの悪臭（腐敗臭や酸っぱい臭い）

            ・緑色や黄色の膿のような分泌物

            ・耳を触ると激しく痛がる、攻撃的になる

            ・頭を傾けたまま戻らない

        

        とはいえ、全ての症状が緊急というわけではありません。私の経験上、以下のような段階があります：

        
            - 初期段階：耳をたまに掻く、首を振る回数が少し増える

            - 進行期：耳垢が茶色っぽくなる、独特の臭いがし始める

            - 急性期：激しい痒み、赤みと腫れ、分泌物の増加

            - 慢性期：耳道の肥厚、色素沈着、難聴の可能性

        

        ### 見逃しがちな微妙な変化

        ラブラドールレトリバーのジョン君の飼い主さんは、とても観察力の鋭い方でした。「最近、名前を呼んでも振り向くのが遅いんです」という相談から外耳炎が発見されたケースも。

        実は、犬は片耳が聞こえにくくなっても、もう片方でカバーしてしまうんです。だから飼い主さんが気づきにくい。診察台の上で、左右の耳に交互に小さな音を立ててみると、反応の違いがはっきりわかることがあります。

        ## 現場で培った実践的ケア方法

        さて、ここからが本題です。15年間の経験から導き出した、本当に効果的なケア方法をお伝えしましょう。

        ### 毎日5分の「耳めくり体操」

        2020年の春、ある飼い主さんが編み出した方法が評判になりました。「耳めくり体操」と名付けられたその方法は、実にシンプル。

        朝晩の食事前、垂れた耳を優しく持ち上げて、5分間そのままキープ。その間、おやつを少しずつ与えながら褒めてあげる。これだけで、耳道内の通気性が劇的に改善されるんです。コツは、無理やりではなく、犬が喜んで協力してくれる雰囲気作り。

        「でも、うちの子じっとしていられなくて…」という場合は、最初は1分から始めてもOK。徐々に時間を延ばしていけばいいんです。ビーグルのハナちゃんは、この体操を始めて3ヶ月後、それまで月1回は通院していた外耳炎がぴたりと止まりました。

        ### プロが教える正しい耳掃除

        耳掃除について、よく誤解されていることがあります。「毎日綿棒でキレイにしています！」という飼い主さんに出会うたび、内心ヒヤヒヤしていました。

        実は、綿棒での掃除は耳道を傷つけたり、汚れを奥に押し込んだりする危険が。[4]私たちプロが推奨するのは、以下の方法です：

        
            #### ✓ 安全な耳掃除の手順

            
                - 獣医師推奨のイヤークリーナーを用意

                - 耳の中に数滴垂らす（耳道を満たさない程度）

                - 耳の付け根を優しくマッサージ（20〜30秒）

                - 犬に頭を振らせて汚れを排出

                - 耳介の見える部分だけをコットンで拭き取る

            

        

        頻度は、健康な耳なら月1〜2回で十分。むしろ、やりすぎは禁物です。

        ## 知っておきたい犬種別リスク

        長年の臨床経験から、特に注意が必要な犬種をまとめました。それぞれに特徴があるんです。

        ### 超高リスク犬種とその理由

        アメリカン・コッカー・スパニエルは、外耳炎の王様といっても過言ではありません。垂れ耳に加えて、耳道が狭く、さらに脂漏症になりやすい体質。トリプルで不利な条件が揃っています。

        2017年の統計では、当院に来院したコッカーの実に78％が、生涯に一度は外耳炎を経験していました。でも、諦める必要はありません。週2回の耳めくり体操と、月1回のプロによる耳洗浄で、発症率を半分以下に抑えることができたんです。

        次いでリスクが高いのが、ゴールデンレトリバーやラブラドールレトリバー。水遊びが大好きな子が多いので、夏場は特に要注意。プールや川で遊んだ後は、必ず耳の中の水分を取り除いてあげてください。

        ### 意外な落とし穴―プードルの耳毛問題

        「プードルは毛が抜けないから飼いやすい」とよく言われますが、耳に関しては別問題。耳道内にびっしりと生える毛が、通気性を悪化させる原因に。

        とはいえ、耳毛を抜くべきかどうかは獣医師の間でも意見が分かれるところ。私の経験では、健康な耳なら無理に抜く必要はありません。ただし、すでに外耳炎を繰り返している子は、獣医師と相談の上、適切に処理することで改善するケースが多いですね。

        ## 季節ごとの注意点と対策

        日本の四季は美しいですが、垂れ耳の犬にとっては試練の連続。季節ごとの対策を知っておくことで、トラブルを未然に防げます。

        ### 梅雨〜夏：湿度との全面戦争

        6月のある日、診察室の予約表を見て驚きました。20件中12件が外耳炎。まさに「外耳炎シーズン」の到来です。

        この時期は、普段月1回の耳掃除を2週間に1回に増やすことをお勧めします。さらに、エアコンの除湿機能を活用して、室内の湿度を60％以下に保つことも大切。「電気代が…」という声も聞こえてきそうですが、治療費を考えれば安いものです。

        散歩後は、必ず耳の中をチェック。草むらを歩いた後は、植物の種（のぎ）が入り込むことも。これが原因で緊急手術になったケースもあるので、要注意です。

        ### 秋〜冬：乾燥による別の問題

        逆に冬場は乾燥で耳道の皮膚がカサカサに。これもまた炎症の原因になります。暖房の効いた部屋では、加湿器で適度な湿度（50〜60％）を保つことが理想的。

        また、寒さで散歩の回数が減ると、ストレスから免疫力が低下することも。すると、普段は大人しくしている常在菌が暴れ出すんです。冬でも適度な運動は欠かせません。

        
        ## よくある質問

        
            Q1. 垂れ耳を手術で立たせることはできますか？
            技術的には可能ですが、美容目的の手術は推奨されません。それよりも、適切なケアで外耳炎を予防する方が、犬にとっても飼い主さんにとっても負担が少ないです。毎日の耳めくり体操や定期的な耳掃除で、十分に管理可能です。

        

        
            Q2. イヤークリーナーは市販のものでも大丈夫？
            市販品でも品質の良いものはありますが、初めて使う場合は必ず獣医師に相談してください。犬の耳の状態によって、適切な製品が異なります。アルコール濃度が高すぎるものは刺激が強く、逆に炎症を悪化させることもあります。

        

        
            Q3. 片耳だけ外耳炎になることはある？
            はい、よくあります。片耳だけの場合は、異物の混入や腫瘍の可能性も考えられるので、早めに獣医師の診察を受けてください。左右で耳道の形が微妙に違う子もいて、片方だけトラブルを起こしやすいケースもあります。

        

        
            Q4. 外耳炎は完治しますか？
            急性の外耳炎は適切な治療で完治しますが、体質的に繰り返しやすい子もいます。重要なのは「完治」よりも「良好な状態を維持すること」。定期的なケアと早期発見・早期治療で、生活の質を保てます。

        

        
            Q5. 耳掃除を嫌がる犬はどうすれば？
            無理強いは禁物です。まずは耳を触ることから始めて、徐々に慣れさせましょう。おやつを使った positive reinforcement（正の強化）が効果的。それでも難しい場合は、プロのトリマーや動物病院でのケアを検討してください。月1回のプロケアでも、十分予防効果があります。

        

        
        
            ## 飼い主の声

            
            
                「コッカースパニエルを飼い始めて3年、毎月のように外耳炎で通院していました。でも、教えていただいた耳めくり体操を始めてから、もう半年も病院に行っていません！最初は面倒だと思いましたが、今では朝晩の日課になっていて、愛犬も喜んでいます。」（東京都・40代女性・コッカースパニエル飼い主）
            
            
            
                「うちのゴールデンは水遊びが大好きで、夏は毎週のように川に連れて行きます。以前は必ず外耳炎になっていましたが、遊んだ後すぐに耳を乾かすようにしてから、全く問題なくなりました。ドライヤーの冷風を使うのがコツですね。」（神奈川県・30代男性・ゴールデンレトリバー飼い主）
            
        

        
        
            ## 参考文献

            
                - O'Neill DG, Volk AV, Soares T, et al. Frequency and predisposing factors for canine otitis externa in the UK – a primary veterinary care epidemiological view. Canine Med Genet. 2021;8(1):7. doi:10.1186/s40575-021-00106-1

                - Griffin CE, DeBoer DJ. The ACVD task force on canine atopic dermatitis (XIV): clinical manifestations of canine atopic dermatitis. Veterinary Immunology and Immunopathology. 2001;81:255-269.

                - Chan WY, Hickey EE, Page SW, et al. Biofilm production by pathogens associated with canine otitis externa, and the antibiofilm activity of ionophores and antimicrobial adjuvants. J Vet Pharmacol Ther. 2019;42(6):682-692. doi:10.1111/jvp.12811

                - Nuttall TJ. Managing recurrent otitis externa in dogs: what have we learned and what can we do better? J Am Vet Med Assoc. 2023;261(S1):S10-S22. doi:10.2460/javma.23.01.0002

            

        

        
        
            本記事はイヌラバ博士が編集した一般情報であり、個別の診断や治療に替わるものではありません。

            愛犬に異常が見られた場合は、必ず獣医師へご相談ください。

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本記事は一般的な情報提供であり、獣医師による診断・医療行為に代わるものではありません。急な悪化や強い異常がある場合は動物病院へ相談してください。
