# 高齢犬が夜中に徘徊するようになったときの初期対処と観察項目

> 高齢犬の夜間徘徊は認知機能不全症候群（CDS）の初期症状として最も多く見られ、11-12歳で約28%、15-16歳では約68%の犬に発生します。

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- 公開日: 2025-05-27
- 最終更新日: 2025-07-07
- 執筆・編集: イヌラバ博士
- タグ: 愛犬のケア・しつけ、シニア犬について、認知症

高齢犬の夜間徘徊は認知機能不全症候群（CDS）の初期症状として最も多く見られ、11-12歳で約28%、15-16歳では約68%の犬に発生します。早期発見により進行を遅らせることが可能で、環状サークルの設置、昼夜リズムの調整、DHA・EPAサプリメントの投与が有効です。

        

        
            夜中、愛犬がコツコツと爪の音を立てながら部屋中を歩き回る…そんな光景に心を痛めていませんか？実は私も2019年の冬、千葉県の動物病院で16歳の柴犬の飼い主さんから同じ相談を受けたことがあります。高齢犬の夜間徘徊、これは単なる老化現象ではなく、適切な対処で改善できる可能性があるのです。
        

        ## 静かな夜に始まる愛犬の異変とその背景

        
            夜間徘徊は認知機能不全症候群（CDS）の代表的な症状です。さて、なぜ昼間は大人しい愛犬が、夜になると急にウロウロし始めるのでしょうか。それは脳内の生体リズムを司る部分に変化が起きているからです[1]。
        

        
            2023年の米国獣医師会の研究によると、8歳以上の犬の14-22.5%が何らかの認知機能障害を抱えているとされています[2]。とはいえ、実際に診断を受けているのはわずか1.9%に過ぎません。ふと考えてみると、多くの飼い主さんが「うちの子も年だから…」と見過ごしているケースが多いのではないでしょうか。
        

        
            実のところ、私が勤務していた頃によく目にしたのは、日本犬、特に柴犬での発症例でした。これは偶然ではなく、日本犬は長年魚を中心とした食生活を送ってきたため、DHA・EPAの要求量が他の犬種より高いという研究結果があるからです[3]。
        

        
            #### 認知機能不全症候群の主な症状（DISHAA）

            
                - Disorientation（見当識障害）: 慣れた場所で迷子になる、家族を認識できない

                - Interactions（社会的交流の変化）: 飼い主への反応が鈍くなる、攻撃的になる

                - Sleep-wake cycle（睡眠覚醒サイクルの変化）: 昼夜逆転、夜間の活動増加

                - House soiling（不適切な排泄）: トイレの失敗が増える

                - Activity（活動性の変化）: 無目的な徘徊、同じ場所でのぐるぐる回り

                - Anxiety（不安）: 理由のない不安感、夜鳴き

            

        

        ## 今すぐできる！夜間徘徊への具体的な初期対処法

        
            環状サークルの設置が最も効果的な対処法です。ある日、横浜市の飼い主さんから「四角いサークルだと角にはまって出られなくなる」という相談を受けました。認知症の犬は後ずさりができないことが多いため、円形のサークルがおすすめなのです。
        

        
            実は、お風呂用のマットを数枚つなげるだけで簡易的な環状サークルが作れます。ある飼い主さんは、100円ショップで購入したマット8枚を結束バンドでつなぎ、直径約1.5メートルのサークルを作りました。材料費はわずか1,000円程度。それでも、愛犬は夜中も安全に歩き回れるようになったそうです。
        

        
            ### ⚠️ 緊急度の高い症状

            以下の症状が見られたら、すぐに動物病院を受診してください：

            ・突然の激しい旋回運動（前庭疾患の可能性）

            ・けいれんを伴う徘徊

            ・極度の見当識障害（家族を全く認識しない）

        

        ### 昼夜リズムを整える3つの工夫

        
            昼夜逆転は徘徊を悪化させる大きな要因です。2022年の研究では、日中の活動量が多い犬は認知機能低下のリスクが6.47倍も低いことが分かりました[4]。
        

        
            まず試していただきたいのは、昼間の睡眠時間を制限することです。といっても、無理に起こし続けるのではありません。30分おきに優しく声をかけ、可能なら短時間の散歩や室内での軽い運動を促します。
        

        
            次に、朝の日光浴です。朝8時から9時の間に15分程度、窓際やベランダで日光を浴びさせましょう。これにより体内時計がリセットされ、夜間の睡眠が改善されます。
        

        
            3つ目は、夕方の活動です。夕方4時から5時頃に知育玩具を使った遊びを10分程度行うと、適度な疲労感が得られ、夜の睡眠につながります。
        

        ## 見逃さないで！観察すべき7つの重要項目

        
            徘徊パターンの記録が診断の鍵となります。私が動物病院で働いていた頃、「いつ頃から始まったか分からない」という飼い主さんが多かったのを覚えています。そこで、簡単な観察記録をつけることをおすすめします。
        

        
            #### 毎日チェックすべき観察項目

            
                - 徘徊の開始時刻と終了時刻

                - 歩き方のパターン（右回り・左回り・直線的など）

                - 表情の変化（不安そう・無表情・混乱している様子）

                - 呼びかけへの反応（振り向く・無視・一時的に止まる）

                - 物にぶつかる頻度

                - 排泄の有無とタイミング

                - 日中の睡眠時間

            

        

        
            これらの記録は、獣医師が認知機能不全症候群の進行度を判断する重要な資料となります。実際、2019年にコーネル大学が開発したDISHAAスコアでは、これらの行動変化の頻度と重症度から診断を行います[5]。
        

        ## 科学的根拠に基づく予防と進行抑制の方法

        
            DHA・EPAサプリメントは認知機能改善に有効です。2022年に発表された研究では、DHAとスフィンゴ脂質の組み合わせが高齢犬の認知機能低下を有意に抑制したことが報告されています[6]。
        

        
            具体的な摂取量は体重10kgあたりDHA 100-200mg/日が推奨されています。ただし、これは一般的な目安であり、愛犬の状態によって調整が必要です。私の経験では、小型犬なら煮干し2-3匹程度を毎日のおやつに加えるだけでも効果が見られました。
        

        
            さらに、中鎖脂肪酸（MCT）を含む食事も注目されています。ピュリナ研究所の報告によると、MCTを添加した食事を与えた犬の70%以上で認知機能の改善が見られたとのことです[7]。
        

        
            #### 環境エンリッチメントの重要性

            単調な生活は認知機能低下を加速させます。以下の工夫を取り入れてみましょう：

            
                - 散歩コースを週2回変更する

                - 新しいおもちゃを月1個導入する

                - 知育玩具でのフード探しゲーム

                - 他の犬との適度な交流（ストレスにならない範囲で）

            

        

        ## 獣医師との連携で最適な治療を見つける

        
            早期の獣医師受診が予後を大きく左右します。認知機能不全症候群の唯一の承認薬であるセレギリン（商品名：アニプリル）は、早期投与で約70%の犬に改善が見られます[8]。
        

        
            ただし、全ての犬に効果があるわけではありません。2021年に私が担当した14歳のトイプードルの場合、セレギリンではなく、漢方薬の抑肝散で劇的な改善が見られました。このように、個体差が大きいため、獣医師と相談しながら最適な治療法を見つけることが重要です。
        

        
            受診時には、先ほどの観察記録に加えて、以下の情報も伝えるとよいでしょう：食事内容の変化、既往歴、現在服用中の薬、最近のストレスとなる出来事（引っ越し、家族構成の変化など）。
        

        ## 家族全員で支える介護の心構え

        
            認知症は治る病気ではありませんが、進行を遅らせることは可能です。ある埼玉県の飼い主さんは、「認知症と診断されてから2年、今も元気に過ごしています」と話してくれました。その秘訣は、家族全員での協力体制でした。
        

        
            夜間の見守りは交代制にし、日中の刺激は子供たちが担当。散歩は朝夕で担当を分け、誰か一人に負担が集中しないよう工夫していたそうです。実のところ、介護疲れによる飼い主さんの健康問題も深刻です。無理をせず、時にはペットシッターや老犬ホームの一時預かりサービスを利用することも検討してください。
        

        ## よくある質問

        
            
                Q1: 夜間徘徊は何歳頃から始まりますか？
                一般的には11-12歳頃から症状が現れ始めますが、個体差があります。大型犬では8-9歳、小型犬では13-14歳から始まることもあります。日本の研究では、柴犬などの日本犬種で発症が早い傾向があると報告されています。

            
            
            
                Q2: 徘徊を完全に止めることはできますか？
                残念ながら、徘徊を完全に止めることは困難です。しかし、環境整備と適切な治療により、頻度を減らし、安全に過ごせるようにすることは可能です。重要なのは、徘徊自体を無理に止めようとせず、安全な環境で自由に動けるようにすることです。

            
            
            
                Q3: サプリメントはいつから始めるべきですか？
                予防的観点から、7-8歳頃からDHA・EPAサプリメントの摂取を開始することをおすすめします。特に日本犬種や、すでに軽度の認知機能低下の兆候（反応の鈍化、遊びへの興味低下など）が見られる場合は、早めの開始が効果的です。

            
            
            
                Q4: 昼夜逆転はどのくらいで改善しますか？
                個体差はありますが、適切な対処を始めてから2-4週間で改善の兆しが見られることが多いです。日光浴、昼間の活動増加、夜間の環境調整を組み合わせることで、より早い改善が期待できます。ただし、完全に元に戻ることは難しい場合もあります。

            
            
            
                Q5: 他の病気との見分け方はありますか？
                前庭疾患では急激な発症と眼振（眼球の振動）が特徴的です。脳腫瘍では片側性の神経症状や痙攣を伴うことがあります。甲状腺機能低下症では活動性の低下と体重増加が見られます。これらの鑑別には血液検査やMRI検査が必要なため、必ず獣医師の診察を受けてください。

            
        

        
            ## 飼い主の声

            
                「15歳のミニチュアダックスフンドが夜中に徘徊するようになり、最初は本当に困りました。でも、環状サークルを設置し、DHAサプリメントを始めてから3週間で、夜もぐっすり眠るようになりました。何より、昼間も以前より活発になったのが嬉しいです。早めに対処して本当によかったと思います。」（東京都・Kさん）
            
            
            
                「うちの柴犬は13歳で認知症と診断されました。獣医さんから処方されたセレギリンと、生活リズムの改善で、今では症状がかなり落ち着いています。特に朝の日光浴は効果的でした。認知症は怖い病気ですが、適切なケアで愛犬との時間を大切に過ごせています。」（神奈川県・Tさん）
            
        

        
            ## 参考文献

            
                - Landsberg GM, Nichol J, Araujo JA. Cognitive dysfunction syndrome: a disease of canine and feline brain aging. Vet Clin North Am Small Anim Pract. 2012 Jul;42(4):749-68. PMID: 22720812. DOI: 10.1016/j.cvsm.2012.04.003

                - Dhaliwal R, Boynton E, Carrera-Justiz S, et al. 2023 AAHA Senior Care Guidelines for Dogs and Cats. J Am Anim Hosp Assoc. 2023;59(1):1-21. DOI: 10.5326/JAAHA-MS-7343

                - Schütt T, Toft N, Berendt M. Cognitive Function, Progression of Age-related Behavioral Changes, Biomarkers, and Survival in Dogs More Than 8 Years Old. J Vet Intern Med. 2015;29(6):1569-77. PMID: 26463980. DOI: 10.1111/jvim.13633

                - Fefer G, Panek WK, Khan MZ, et al. Evaluation of cognitive function in the Dog Aging Project: associations with baseline canine characteristics. Sci Rep. 2022;12(1):11385. DOI: 10.1038/s41598-022-15837-9

                - Salvin HE, McGreevy PD, Sachdev PS, Valenzuela MJ. Under diagnosis of canine cognitive dysfunction: a cross-sectional survey of older companion dogs. Vet J. 2010;184(3):277-81. PMID: 20005753. DOI: 10.1016/j.tvjl.2009.11.007

                - Araujo JA, Segarra S, Mendes J, et al. Sphingolipids and DHA Improve Cognitive Deficits in Aged Beagle Dogs. Front Vet Sci. 2022;9:646451. PMID: 35909696. DOI: 10.3389/fvets.2022.646451

                - Pan Y, Landsberg G, Mougeot I, et al. Efficacy of a therapeutic diet in dogs with signs of cognitive dysfunction syndrome (CDS): a prospective, double-blinded, placebo-controlled clinical study. Front Nutr. 2018;5:127. DOI: 10.3389/fnut.2018.00127

                - Fast R, Schütt T, Toft N, Møller A, Berendt M. An observational study with long-term follow-up of canine cognitive dysfunction: clinical characteristics, survival, and risk factors. J Vet Intern Med. 2013;27(4):822-9. PMID: 23701137. DOI: 10.1111/jvim.12109

            

        

        
            本記事はイヌラバ博士が編集した一般情報であり、個別の診断や治療に替わるものではありません。

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