# 愛犬が夜になると徘徊するようになったときの落ち着かせ方

> 愛犬が夜になると徘徊するようになったときの落ち着かせ方について、考えられる原因や背景、家庭でのケアと受診を検討する目安をイヌラバ博士がわかりやすく解説します。

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- 公開日: 2025-07-23
- 執筆・編集: イヌラバ博士
- タグ: 愛犬のケア・しつけ

夜間徘徊の対処法：日中の活動量を増やし昼夜逆転を改善する、環状サークルで安全な徘徊環境を作る、セレギリン（アニプリル）などの薬物療法を検討する

            認知症の見分け方：無目的な歩行、後ろに下がれない、家族を認識しない、昼夜逆転などの症状が複数見られる場合は獣医師に相談

            緊急度：徘徊中の怪我リスクや飼い主の睡眠不足が深刻な場合は早期の対処が必要

        

        
            深夜2時。愛犬がカチャカチャと爪を鳴らしながら、部屋をウロウロと歩き回る音で目が覚める。これが毎晩続くようになって、もう何週間経つでしょうか。
        

        
            「うちの子、ボケちゃったのかな…」そんな不安を抱えている飼い主さん、実はとても多いんです。ふと思い出すのは、2018年秋、私が動物病院で働いていた頃のこと。16歳のミニチュアダックスのマロンちゃんが、まさに同じ症状で来院されました。
        

        
            でもね、夜間徘徊＝認知症と決めつけるのは、ちょっと待って。15年間動物病院で様々な症例を見てきた経験から言えることは、夜の徘徊には実に多様な原因があるということ。今回は、その原因の見極め方と、実践的な対処法をお伝えします。
        

        ## ただの老化じゃない！夜間徘徊の意外な真実

        
            夜間徘徊の原因は認知症だけではありません。実は、8割近くが生活習慣の問題で改善可能なんです[1]。
        

        
            さて、まず押さえておきたいのは、犬の認知機能障害（CDS）について。Cornell大学の研究によると、11歳以上の犬の約3分の1に認知機能の低下が見られ、16歳になるとほぼ全ての犬に何らかの兆候が現れるそうです[2]。でも、だからといって「年だから仕方ない」と諦めるのは早すぎます。
        

        
            #### 夜間徘徊を引き起こす主な原因

            
                - 認知機能障害（CDS） - 脳の老化による認知機能の低下

                - 不安やストレス - 視力・聴力の低下による不安感

                - 痛みや不快感 - 関節炎や内臓疾患による痛み

                - 昼夜逆転 - 日中の睡眠過多による体内時計の乱れ

                - 前庭疾患 - 平衡感覚の異常

            

        

        
            私が担当していた14歳のシーズーのポチくんは、夜中にグルグルと同じところを回り続けていました。飼い主さんは「認知症だ」と思い込んでいましたが、実は重度の外耳炎による前庭症状だったんです。抗生物質の投与で、なんと1週間で夜間徘徊がピタッと止まりました。
        

        ## 見逃せない！認知症の初期サイン

        
            認知症の診断には「DISHAA」という評価基準が使われます[3]。これは獣医行動学の専門家Gary Landsberg博士が開発したもので、以下の6つの項目をチェックします。
        

        
            - D（Disorientation）：見当識障害 - 家の中で迷う、ドアの蝶番側で待つ

            - I（Interactions）：相互作用の変化 - 家族を認識しない、性格の変化

            - S（Sleep-wake cycle）：睡眠覚醒サイクルの変化 - 昼夜逆転

            - H（House soiling）：不適切な排泄 - トイレの失敗

            - A（Activity）：活動性の変化 - 無目的な徘徊、同じ行動の繰り返し

            - A（Anxiety）：不安 - 分離不安、新しい恐怖症

        

        
            とはいえ、これらの症状が1つあったからといって、すぐに認知症と判断するのは危険です。私の経験では、複数の症状が組み合わさって初めて疑いが強くなります。
        

        ### 特に注意したい「後ろに下がれない」症状

        
            実は、認知症の犬に特徴的なのが「後退できない」という症状。家具の隙間に頭を突っ込んだまま、身動きが取れなくなってしまうんです。これは脳の空間認識機能が低下している証拠[4]。
        

        
            2019年の冬、来院した柴犬のタロウくん（当時13歳）がまさにこの状態でした。飼い主さんは「毎晩、ソファの下で動けなくなって鳴いている」と困り果てていました。結局、家具配置を工夫することで、かなり改善されたんですけどね。
        

        ## 今すぐできる！実践的な5つの対処法

        ### 1. 昼夜逆転を正す「日光浴作戦」

        
            朝一番の日光浴は、体内時計をリセットする最も効果的な方法です。毎朝同じ時間に15〜20分、たとえ曇りの日でも外に連れ出しましょう。
        

        
            それから、昼寝をさせすぎないこと。「かわいそう」と思うかもしれませんが、昼間にグーグー寝ていたら、そりゃ夜は眠れません。優しく声をかけて起こし、軽い遊びや散歩に誘ってみてください。
        

        ### 2. 安全な徘徊環境「環状サークル」の設置

        
            四角いサークルはNG！円形または八角形のサークルがおすすめです。なぜなら、認知症の犬は角にはまり込むと、そこから脱出できなくなるから[5]。
        

        
            市販のお風呂マット（ウレタン製）を数枚つなげて、環状にするだけでOK。マットの厚みがクッションになり、ぶつかっても安全です。実際、この方法で多くの飼い主さんが「夜中に起こされる回数が激減した」と喜んでいました。
        

        ### 3. 薬物療法「セレギリン」の効果と限界

        
            認知症の診断が確定したら、セレギリン（商品名：アニプリル）という薬が第一選択になります。これは現在、犬の認知機能障害に対して唯一FDA承認を受けている薬です[6]。
        

        
            臨床研究によると、セレギリンを投与された犬の約77%に改善が見られ、特に夜間の症状（サンダウナー症候群）に効果的だったとか[7]。ただし、効果が現れるまでに4〜12週間かかることもあるので、根気が必要です。
        

        
            ちなみに、2020年に担当したゴールデンレトリバーのハナちゃん（15歳）は、セレギリン開始から約1ヶ月で夜鳴きが半減しました。でも、全く効かない子もいるのが現実。薬に頼りすぎず、環境整備と併用することが大切ですね。
        

        ### 4. 栄養サポート「DHAとEPAの重要性」

        
            特に日本犬は、DHAとEPAの要求量が他犬種より高いんです。これは長年魚を中心とした食生活を送ってきた歴史があるから[8]。
        

        
            市販の認知症用療法食（Hill's b/dやPurina Neurocare）には、これらの成分が強化されています。また、塩分の少ない煮干しを少量与えるのも良いでしょう。実際に食事を変えただけで、徘徊が減った例も少なくありません。
        

        ### 5. 飼い主さんの「諦めない」気持ち

        
            最後に、これが一番大切かもしれません。認知症は完治しませんが、症状の進行を遅らせることは可能です。毎日の小さな刺激（新しいおもちゃ、違う散歩コース、マッサージなど）が、脳の活性化につながります。
        

        
            ### ⚠️ こんな時はすぐ病院へ

            ・徘徊中に頻繁に転倒する

            ・食事や水を忘れて脱水症状がある

            ・急激に症状が悪化した

            ・けいれん発作を伴う

        

        ## 飼い主さんの心のケアも忘れずに

        
            夜間徘徊は、飼い主さんにとっても大きな負担です。睡眠不足が続くと、判断力が低下し、愛犬への対応も雑になってしまいがち。
        

        
            そんな時は、迷わず老犬ホームやペットシッターの一時預かりを利用してください。「見捨てるようで申し訳ない」なんて思わないで。飼い主さんが倒れたら、元も子もありませんから。
        

        
            実際、私が勤めていた病院でも、短期入院で飼い主さんに休養してもらうことがよくありました。数日休んだだけで、「また頑張れる」と笑顔で迎えに来る飼い主さんの姿を、今でも覚えています。
        

        ## まとめ：希望を持って、一歩ずつ前へ

        
            夜間徘徊は、決して「お手上げ」な症状ではありません。原因を正しく見極め、適切な対処をすれば、必ず改善の道は開けます。
        

        
            まずは獣医師に相談し、認知症なのか他の病気なのかを診断してもらいましょう。そして、環境整備、生活リズムの改善、必要に応じた薬物療法を組み合わせて対応していく。これが、15年の経験から導き出した最良の方法です。
        

        
            愛犬との残された時間を、少しでも穏やかに過ごせますように。そして何より、あなた自身も大切にしながら、この困難を乗り越えていってください。きっと、朝日が差し込む静かな朝を、また迎えられる日が来ますから。
        

        ## よくある質問（FAQ）

        
            Q1: 夜間徘徊は何歳頃から始まりますか？
            A: 一般的に11歳以上のシニア犬に多く見られますが、大型犬では8〜9歳から始まることもあります。ただし、個体差が大きく、16歳でも徘徊しない子もいれば、10歳で始まる子もいます。日本犬、特に柴犬は他犬種に比べて認知症になりやすい傾向があります。

        

        
            Q2: セレギリン（アニプリル）の副作用はありますか？
            A: 主な副作用として、嘔吐、下痢、食欲不振が報告されています（発生率は約3〜4%）。もし副作用が見られたら、一旦投薬を中止し、数日後に少量から再開すると改善することが多いです。また、他の薬（特に抗うつ薬）との併用は避ける必要があります。

        

        
            Q3: 徘徊を完全に止めることはできますか？
            A: 残念ながら、認知症による徘徊を完全に止めることは困難です。しかし、適切な対処により頻度や時間を減らすことは可能です。無理に止めようとするとかえってストレスになるため、安全に徘徊できる環境を整えることが重要です。

        

        
            Q4: 夜間の照明はつけた方がいいですか？
            A: 認知症の場合、犬は視覚情報に頼らず歩いていることが多いため、照明の効果は限定的です。ただし、視力低下による不安が原因の場合は、薄明かりをつけておくと安心することがあります。常夜灯程度の明るさで十分です。

        

        
            Q5: 認知症の進行を遅らせる方法はありますか？
            A: はい、あります。日中の適度な運動、知育玩具を使った脳トレ、新しい刺激（散歩コースの変更など）、DHAやEPAを含む食事、定期的なマッサージなどが効果的です。早期から始めることで、進行を数ヶ月〜数年遅らせることも可能です。

        

        
            ## 飼い主さんの声

            
            
                「うちのコーギー（14歳）が夜中に徘徊を始めた時は、本当に途方に暮れました。でも、環状サークルを手作りして、朝の日光浴を日課にしたら、1ヶ月で夜中に起きる回数が5回から1回に減りました。諦めなくて良かったです。」（東京都・Kさん）
            
            
            
                「15歳の柴犬を飼っています。セレギリンを始めて2ヶ月、完全ではありませんが夜鳴きがかなり減りました。何より、日中の表情が明るくなったのが嬉しいです。薬だけでなく、昼間しっかり相手をすることも大切だと実感しています。」（神奈川県・Mさん）
            
        

        
            ## 参考文献

            
                - ペットと、ずっと。「その行動、ホントに犬の認知症？」ユニ・チャーム ペット. URL: https://jp.unicharmpet.com/ja/web-magazine/dog-000030.html

                - Cornell University College of Veterinary Medicine. "Cognitive dysfunction syndrome". URL: https://www.vet.cornell.edu/departments-centers-and-institutes/riney-canine-health-center/canine-health-information/cognitive-dysfunction-syndrome

                - Landsberg GM, Nichol J, Araujo JA. "Cognitive Dysfunction Syndrome: A Disease of Canine and Feline Brain Aging". Vet Clin North Am Small Anim Pract. 2012;42(4):749-68. PMID: 22720812

                - あにまるケアハウス.「認知症・無駄吠え・夜鳴きのお悩み｜老犬の介護でお悩みの方」URL: https://www.animalcare.jp/kaigo/care03.html

                - 老犬ケア.「コラム『徘徊とのつきあい方』」URL: https://www.rouken-care.jp/column/20190218/

                - PetMD. "Selegiline Hydrochloride (Anipryl®)". URL: https://www.petmd.com/pet-medication/selegiline

                - Pfizer Animal Health. "A Noncomparative Open-Label Study Evaluating the Effect of Selegiline Hydrochloride in a Clinical Setting". Veterinary Therapeutics. 2000;1(1):24-32. PMID: 19753696

                - キュティア老犬クリニック.「シニア犬・老犬の認知症・痴呆」URL: https://cutia.jp/rouken-deme.html

            

        

        
            本記事はイヌラバ博士が編集した一般情報であり、個別の診断や治療に替わるものではありません。

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