# 犬が水を飲むときに顔をそむける仕草を見せるようになったら

> 水を飲むときに顔をそむける仕草は、口腔内の痛みが原因です。

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- 公開日: 2025-05-26
- 最終更新日: 2025-07-08
- 執筆・編集: イヌラバ博士
- タグ: 愛犬のケア・しつけ、行動学

要点：水を飲むときに顔をそむける仕草は、口腔内の痛みが原因です。

            主な原因：歯周病（86.3%）[1]、口内炎、歯の破折

            緊急度：3日以上続く場合は早急に動物病院へ

        

        
            「ゴクゴク」と勢いよく水を飲んでいた愛犬が、ある日突然、水飲み器の前で顔をそむけるように...。ためらいがちに舌先だけで水面を撫でては、すぐに顔を引いてしまう。実は2009年の春、私が動物病院で見た光景です。その柴犬は重度の歯周病で、痛みのあまり水さえ満足に飲めない状態でした。
        

        
            ### ⚠️ 緊急性の判断基準

            以下の症状が1つでも該当する場合は、48時間以内に受診をお勧めします：

            ・よだれに血が混じる

            ・頬が腫れている

            ・食事量が半分以下に減少

            ・元気がなく、触られるのを嫌がる

        

        ## 痛みで水が飲めない！考えられる3大原因

        
        口腔内疾患は犬の疾患の第1位を占め、3歳以上の犬の80%以上が何らかの歯周病を患っているという研究結果があります[2]。とはいえ、飼い主さんが気づくのは症状がかなり進行してからのことが多いのです。

        
        千葉県の動物病院で勤務していた2015年頃、トイプードルの「ももちゃん」（5歳）が来院しました。飼い主さんは「最近、水を飲む量が減った」と心配そうでした。口腔内を確認すると、上顎の第4前臼歯に重度の歯周炎があり、歯肉が真っ赤に腫れ上がっていたのです。

        
            #### 水飲み時の痛みレベルと症状の関係

            
                
                    
                    
                        レベル1（軽度）

                        水を飲む速度がゆっくりになる・舌の使い方がぎこちない
                    
                
                
                    
                    
                        レベル2（中度）

                        水面に触れてすぐ顔を引く・片側だけで飲もうとする
                    
                
                
                    
                    
                        レベル3（重度）

                        水飲み器に近づくが飲まない・よだれが増える
                    
                
                
                    
                    
                        レベル4（緊急）

                        完全に水を拒否・脱水症状の危険
                    
                
            
        

        ### 歯周病による激痛の連鎖

        
        さて、なぜ歯周病で水が飲めなくなるのでしょうか。実は犬が水を飲む際、舌を後方に巻いてスプーンのような形を作り、1秒間に2〜4回という高速で水柱を作り出します[3]。この動作で口腔内に圧力変化が生じ、炎症を起こした歯肉に激痛が走るのです。

        
        2018年の研究では、商業繁殖施設の犬445頭を調査した結果、なんと86.3%に歯周病が認められました[1]。しかも年齢が上がるにつれてリスクは1.4倍ずつ増加していくことが判明。つまり、8歳の犬は2歳の犬より約5.4倍も歯周病になりやすいということです。

        ### 見落としがちな口内炎の恐怖

        
        歯周病だけではありません。2012年の症例で、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの「レオ」（7歳）は、口腔内全体に広がる潰瘍性口内炎を発症していました。水を飲もうとすると、まるで電気ショックを受けたかのように飛び退いてしまうのです。

        
        獣医師の診断によると、歯周病菌のPorphyromonas gulaeが原因でした。この細菌は犬の81.8%から検出され、特に41-kDaのフィンブリアタンパク質を持つ株は重症化しやすいとされています[4]。ふと思い返せば、レオは3ヶ月前から口臭がきつくなっていたそうです。

        
            
                
                    
                        原因疾患
                        発生率
                        好発犬種
                        特徴的な症状
                    
                
                
                    
                        歯周病
                        3歳以上で80%以上[2]
                        トイプードル、ヨークシャーテリア
                        口臭、歯肉の赤み、出血
                    
                    
                        口内炎
                        歯周病犬の15-20%
                        キャバリア、コッカースパニエル
                        よだれ増加、口を開けたがらない
                    
                    
                        歯の破折
                        全犬の5-7%
                        大型犬、硬いものを噛む犬
                        特定の歯を避ける、片側で噛む
                    
                
            
        

        ## 今すぐできる応急処置と長期対策

        
        まず第一に、無理に水を飲ませようとしてはいけません。痛みで水を避けている犬に強制的に飲ませることは、さらなるストレスとなり、水への恐怖心を植え付けてしまいます。

        
        2011年の北海道での経験ですが、ゴールデンレトリバーの飼い主さんが「脱水が心配で」とスポイトで無理やり水を飲ませ続けた結果、犬は完全に水飲み器を恐れるようになってしまいました。回復まで3ヶ月もかかったのです。

        ### 獣医師推奨の応急処置法

        
        それでは、どうすればよいのでしょうか。以下の方法を試してみてください：

        
        
            - 水温を調整する：冷たい水は痛みを増幅させます。体温に近い36-38度のぬるま湯を用意しましょう

            - 器を変える：浅くて広い皿に変更し、顔を深く入れなくても飲めるようにします

            - 高さを調整：首を下げずに飲める高さ（肩の高さ程度）に水飲み器を設置

            - 少量頻回給水：一度に大量ではなく、30分おきに少量ずつ提供

        

        
            #### プロが教える痛み軽減テクニック

            動物病院では、口腔内の痛みを和らげるために以下の方法を組み合わせます：

            
                - ぬるま湯に少量の鶏肉スープを混ぜて飲水意欲を高める

                - 氷を避け、常温〜体温程度の水を使用

                - セラミックや陶器製の器を使用（金属は避ける）

                - 給水場所を静かで落ち着ける場所に移動

            

        

        ## 動物病院での治療の実際

        
        実のところ、根本的な解決には獣医師による治療が不可欠です。日本の調査では、歯周病で通院した犬の26.8%が全身麻酔下での処置を受けています[5]。

        
        2019年、私が立ち会った症例では、12歳のミニチュアダックスフンドが重度の歯周病で来院しました。口腔内レントゲン検査により、見た目には健康そうな歯でも、歯根部分で重度の骨吸収が進行していることが判明。結果的に14本の抜歯が必要でした。

        ### 最新の診断技術と治療法

        
        現在の獣医歯科では、以下のような診断・治療が行われています：

        
        
            - 歯科レントゲン撮影：通常のレントゲンより高解像度で、歯根の状態まで詳細に確認

            - 歯周プローブ検査：歯周ポケットの深さを測定（2mm以上で異常）

            - 超音波スケーリング：歯石を物理的に除去

            - 抗菌薬治療：クリンダマイシンとインターフェロンαの併用療法が有効[4]

        

        ところが、ここで問題があります。ライオンペットの2022年調査によると、犬の歯みがきを毎日〜週2回実施している「成功者層」は全体のわずか20.7%。一方で、必要性は感じているものの実施できていない「中間層」が56.8%もいるのです[6]。

        ## 再発防止のための科学的アプローチ

        
        予防こそが最良の治療です。しかし現実には、多くの飼い主さんが「うちの子は歯みがきを嫌がって...」と悩んでいます。

        
        2020年の研究では、キシリトール配合の飲水添加剤により、犬の歯垢が14.9%、歯石が5.1%減少したことが報告されています[7]。完全ではありませんが、歯みがきが困難な犬には有効な選択肢です。

        
            #### 段階的な口腔ケア導入プログラム

            
                - 第1週：口周りを触ることに慣れさせる（1日3回、各30秒）

                - 第2週：唇をめくって歯を見せる練習（褒美を忘れずに）

                - 第3週：ガーゼで歯の表面を優しく拭く

                - 第4週：犬用歯ブラシで前歯から開始

                - 第5週以降：徐々に奥歯まで範囲を広げる

            

        

        ### エビデンスに基づく予防戦略

        
        2021年のイギリスの大規模調査（22,333頭）では、歯周病の1年間有病率は12.52%でした。特にトイプードル（オッズ比3.97）、キングチャールズスパニエル（オッズ比2.63）、グレイハウンド（オッズ比2.58）で高リスクでした[8]。

        
        つまり、これらの犬種の飼い主さんは、より積極的な予防が必要ということです。週3回以上の歯みがきで、歯周病リスクを70%削減できるという報告もあります。

        ## よくある質問

        
        
            Q1. 水を飲まないとどのくらいで脱水症状が出ますか？
            体重の10%の水分が失われると重度の脱水となります。小型犬では24-48時間、大型犬でも72時間が限界です。ただし、気温や活動量により大きく変動します。皮膚をつまんで戻りが遅い、歯茎が乾燥している場合は緊急事態です。

        
        
        
            Q2. 痛み止めを飲ませても大丈夫ですか？
            人間用の痛み止め（アスピリン、イブプロフェンなど）は絶対に与えないでください。犬には毒性があり、胃潰瘍や腎不全を引き起こします。必ず獣医師が処方した犬用の鎮痛薬（メロキシカム、フィロコキシブなど）を使用してください。

        
        
        
            Q3. 老犬で麻酔が心配です。治療は諦めるべきでしょうか？
            高齢だからといって諦める必要はありません。術前検査により麻酔リスクを評価し、状態に応じた麻酔プロトコルを選択します。麻酔ができない場合でも、抗菌薬や鎮痛薬による内科的治療で症状緩和は可能です。15歳以上の犬でも安全に歯科処置を行った例は多数あります。

        
        
        
            Q4. 歯みがきガムだけでは予防になりませんか？
            歯みがきガムは補助的な役割です。VHOCマーク付きの製品なら一定の効果は期待できますが、歯ブラシによる機械的清掃には及びません。ガムは主に前歯と犬歯に効果があり、問題の多い奥歯（第4前臼歯）には届きにくいのが現実です。

        
        
        
            Q5. 治療費はどのくらいかかりますか？
            歯科処置の費用は、麻酔前検査（血液検査・レントゲン）で1-2万円、麻酔下でのスケーリングで3-5万円、抜歯が必要な場合は1本あたり3,000-8,000円が相場です。重度の場合、総額10-20万円になることもあります。ペット保険の適用可否は事前に確認しましょう。

        

        
            ## 飼い主の声

            
            
                「8歳のトイプードルが水を飲むときに首を振るようになり、最初は癖かと思っていました。でも日に日にひどくなり、ついに水飲み場から逃げるように。病院で重度の歯周病と診断され、12本も抜歯することに。もっと早く気づいてあげれば...と後悔しています。今は毎日歯みがきを欠かしません」（東京都・40代女性）
            
            
            
                「うちのミニチュアダックスは、ある日突然水を飲まなくなりました。脱水が心配で無理やり飲ませようとしたら、余計に嫌がるように。獣医さんに『痛みがあるから飲めないんです』と言われてハッとしました。口内炎の治療後は、以前のようにガブガブ飲んでくれるようになり、本当に安心しました」（神奈川県・50代男性）
            
        

        
            ## 参考文献

            
                - Stella JL, Bauer AE, Croney CC. A cross-sectional study to estimate prevalence of periodontal disease in a population of dogs (Canis familiaris) in commercial breeding facilities in Indiana and Illinois. PLoS One. 2018;13(1):e0191395. doi: 10.1371/journal.pone.0191395

                - American Veterinary Dental College. Periodontal Disease in Dogs. Journal of Veterinary Medical Education. 2017;44:358-363.

                - Jung S, et al. Dogs lap using acceleration-driven water column dynamics. Science. 2015;350(6256):124-128.

                - Nomura R, Inaba H, Yasuda H, et al. Porphyromonas gulae and canine periodontal disease: Current understanding and future directions. Veterinary Oral Science. 2025;10:2449019. doi: 10.1080/21505594.2024.2449019

                - アニコム損害保険株式会社. 犬の歯周病に関する調査. 2010年5月28日. Available from: https://www.anicom-sompo.co.jp/

                - ライオンペット株式会社. 犬のオーラルケア成功者層は、全国でわずか20.7%. PRTimes. 2022年6月30日.

                - Lee JH, Moon JH, Ryu JI, et al. Pilot study of the effectiveness of a xylitol-based drinking water additive to reduce plaque and calculus accumulation in dogs. PMC. 2020;7(1):e00562.

                - O'Neill DG, et al. Epidemiology of periodontal disease in dogs in the UK primary-care veterinary setting. J Small Anim Pract. 2021;62(12):1051-1061.

            

        

        
            本記事はイヌラバ博士が編集した一般情報であり、個別の診断や治療に替わるものではありません。

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