# 犬の耳の毛が急に抜けてきたときに見るべき皮膚疾患との関連

> 犬の耳の毛が急に抜けてきたときに見るべき皮膚疾患との関連について、考えられる原因や背景、家庭でのケアと受診を検討する目安をイヌラバ博士がわかりやすく解説します。

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- 公開日: 2025-06-09
- 最終更新日: 2026-06-09
- 執筆・編集: イヌラバ博士
- タグ: 耳の病気

犬の耳の脱毛の主な原因：アレルギー性皮膚炎、寄生虫感染症、内分泌疾患（甲状腺機能低下症・副腎皮質機能亢進症）、真菌感染症、パターン脱毛症、末梢血管機能失調など

            緊急性の判断：激しいかゆみ、赤み、腫れ、分泌物、悪臭を伴う場合は早急な受診が必要

            好発犬種：ミニチュアダックスフンド、イタリアン・グレイ・ハウンド、チワワ、フレンチ・ブルドッグなど

        

        
            「あれ？うちの子の耳の毛が…」朝の散歩で愛犬を撫でた時、ふと気づく耳の変化。私が動物病院で15年間働いていた頃、こんな相談を受けることがよくありました。特に秋から冬にかけて、耳介の脱毛で来院するワンちゃんが増えるのです。
        

        ## なぜか見過ごされやすい耳の脱毛サイン

        
        耳の毛が抜ける現象は、実は全身の健康状態を映し出す重要なバロメーター。しかし、多くの飼い主さんは「季節の変わり目だから」と見過ごしてしまいがちです。

        2019年の冬、私が担当した6歳のミニチュアダックスフンド「モモちゃん」の症例を思い出します。飼い主の田中さんは、最初は「ちょっと毛が薄くなったかな？」程度にしか感じていませんでした。ところが2週間後、耳の先端がツルツルになってしまい、慌てて来院されたのです。

        診察の結果、モモちゃんは末梢血管機能失調による耳介脱毛と診断されました。[1]さて、実際のところ、犬の耳の脱毛にはどんな原因が潜んでいるのでしょうか。

        ## 思わぬ落とし穴！耳の脱毛を引き起こす7つの原因

        ### 1. アレルギー性皮膚炎の影響

        
        耳介の脱毛で最も多いのが、実はアレルギー性皮膚炎です。アニコム家庭どうぶつ白書2023によると、犬の皮膚病は4頭に1頭の割合で保険金請求されており、その多くがアレルギー関連でした。

        横浜市青葉区の動物病院で出会った3歳のフレンチブルドッグ「レオくん」は、春になると決まって耳が赤くなり、掻きむしって毛が抜けてしまいます。血液検査でアレルギー反応を調べたところ、ハウスダストとカビに強い反応が出ていました。

        
            ### ⚠️ 緊急度の高い症状

            以下の症状が見られたら、すぐに動物病院へ：

            ・激しいかゆみで頭を振り続ける

            ・耳から黄色い分泌物や悪臭

            ・耳の内側が真っ赤に腫れている

        

        ### 2. 内分泌疾患による脱毛パターン

        とはいえ、かゆみを伴わない脱毛の場合は要注意。甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症（クッシング症候群）などのホルモン異常が原因かもしれません。[2]

        私が忘れられないのは、8歳のゴールデンレトリバー「ハナちゃん」の症例です。左右対称に耳の毛が抜け、皮膚が黒ずんでいました。血液検査の結果、甲状腺ホルモンの数値が正常値の半分以下。甲状腺機能低下症と診断されました。

        
            
                疾患名
                特徴的な症状
                好発年齢
            
            
                甲状腺機能低下症
                左右対称の脱毛、皮膚の黒ずみ、元気消失
                中高齢犬（6歳以上）
            
            
                副腎皮質機能亢進症
                多飲多尿、腹部膨満、薄毛
                中高齢犬（7歳以上）
            
        

        ### 3. パターン脱毛症という遺伝的要因

        実のところ、特定の犬種には「パターン脱毛症」という遺伝性の脱毛症があります。ミニチュアダックスフンド、イタリアン・グレイ・ハウンド、チワワなどで多く見られ、若齢から徐々に進行します。[3]

        2020年夏、当時1歳のイタリアン・グレイ・ハウンド「ルナちゃん」が来院しました。耳の先端から徐々に毛が薄くなり、飼い主さんは心配そうでした。しかし、かゆみも炎症もない。皮膚生検の結果、パターン脱毛症と診断されました。

        ## 驚きの新事実！人間のホルモン剤が原因に

        ところで、最近増えているのが、飼い主さんの使用する薬が原因となるケース。2022年の研究では、飼い主の更年期治療用ホルモン剤への接触により、6匹の犬で脱毛が発生したことが報告されています。[4]

        さて、これは私も驚いた症例ですが、5歳のトイプードル「ココちゃん」は、飼い主さんが更年期でホルモン補充療法を始めてから3ヶ月後に脱毛が始まりました。毎晩、薬を塗った後にココちゃんを抱っこしていたそうです。

        
            #### 💡 予防のポイント

            ・ホルモン剤使用後は必ず手を洗う

            ・塗布部位は衣服で覆う

            ・愛犬との接触は薬の吸収後に

        

        ## 心配しすぎは禁物！正常な生理現象との見分け方

        ふと気づくと「あれ？」と思うことも。しかし、すべての脱毛が病気というわけではありません。

        ### 季節性の換毛との違い

        ダブルコートの犬種では、春と秋に大量の毛が抜けるのは正常です。ただし、耳の毛だけが局所的に抜ける場合は別問題。

        私が診察した柴犬の「タロウくん」は、全身の換毛は正常でしたが、耳だけツルツルに。これは明らかに異常でした。精査の結果、真菌感染症（皮膚糸状菌症）が原因でした。

        ### 老化による薄毛との区別

        高齢犬では、代謝の低下により全体的に毛が薄くなることがあります。しかし、急激な脱毛や、左右非対称の脱毛は要注意です。

        ## 見逃せない！併発しやすい他の症状

        耳の脱毛と同時に現れやすい症状を知っておくことで、早期発見につながります。

        ### 外耳炎との関連性

        実は、耳の脱毛と外耳炎は密接な関係があります。アトピー性皮膚炎の犬では、外耳炎を併発することが多く、掻くことで二次的に脱毛が進行します。

        2021年春、7歳のラブラドール「マックス」は、慢性外耳炎で長期治療中でした。耳を掻きむしることで、耳介の毛がほとんど抜けてしまいました。とはいえ、根本原因であるアレルギーの管理により、徐々に改善しました。

        ### 全身症状のチェックポイント

        耳だけでなく、以下の部位もチェックしましょう：

        
            - 肘・膝・かかとの脱毛（疥癬の可能性）

            - 背中の左右対称の脱毛（内分泌疾患）

            - 尻尾の付け根の脱毛（ノミアレルギー）

        

        ## 最新研究が明かす！毛周期の異常メカニズム

        2017年の研究では、アロペシアXという脱毛症において、毛包幹細胞の活性化異常が原因であることが明らかになりました。[5]正常な毛の成長サイクルが乱れ、休止期の毛包が増加するのです。

        ふと思い出すのは、ポメラニアンの「プリンちゃん」。全身の毛が徐々に薄くなり、特に耳は地肌が見えるほどでした。皮膚生検で毛包の異常が確認され、アロペシアXと診断されました。

        ## 獣医師も驚く！診断に役立つ最新技術

        ### ダーモスコピーの活用

        最近では、ダーモスコピー（皮膚拡大鏡）を使った診断が注目されています。[6]毛包の状態を詳細に観察でき、早期診断に役立ちます。

        2022年、私が研修で訪れた大学病院では、ダーモスコピーを使って円形脱毛症を診断していました。肉眼では分からない毛包の変化が、拡大すると一目瞭然でした。

        ### 遺伝子検査の可能性

        将来的には、遺伝子検査により脱毛症のリスクを事前に評価できるかもしれません。現在、複数の大学で研究が進められています。

        犬の耳の脱毛は、単なる美容上の問題ではありません。全身の健康状態を反映する重要なサインとして、早期発見・早期治療が大切です。

        私が15年間の動物病院勤務で学んだことは、「小さな変化を見逃さない」ということ。毎日のスキンシップの中で、愛犬の耳を優しく触り、観察する習慣をつけましょう。そして、異常を感じたら迷わず獣医師に相談してください。

        愛犬との幸せな日々を守るために、今日から始められることがあります。それは、愛情を持って観察し、適切なケアを続けること。あなたの愛犬も、きっとその優しさに応えてくれるはずです。

        ## よくある質問

        
            Q: 耳の脱毛に気づいたら、すぐに病院に行くべきですか？
            A: かゆみ、赤み、腫れ、分泌物などの症状を伴う場合は、早急な受診をおすすめします。脱毛のみで他の症状がない場合でも、2週間以上続く場合は診察を受けましょう。早期発見により、治療期間を短縮できることが多いです。

        

        
            Q: パターン脱毛症は治療できますか？
            A: パターン脱毛症は遺伝的要因が強く、完治は困難です。しかし、メラトニンの投与により改善する症例もあります。3mg を1日3回、8〜12週間投与し、効果があれば徐々に減量します。ただし、すべての犬に効果があるわけではありません。

        

        
            Q: 人間用の育毛剤を使ってもいいですか？
            A: 絶対に使用しないでください。特にミノキシジル（ロゲイン）は犬にとって有毒で、心臓疾患、虚脱、場合によっては死に至ることもあります。必ず獣医師の指導のもと、犬用の治療を行ってください。

        

        
            Q: 食事で改善できることはありますか？
            A: バランスの取れた栄養は健康な被毛の維持に重要です。オメガ3脂肪酸、ビタミンE、亜鉛などのサプリメントが有効な場合があります。ただし、基礎疾患がある場合は、それらの治療が優先されます。獣医師と相談の上、適切な食事管理を行いましょう。

        

        
            Q: 脱毛は他の犬にうつりますか？
            A: 原因によります。真菌感染症（皮膚糸状菌症）や疥癬は他の犬や人にも感染する可能性があります。一方、アレルギー性皮膚炎、内分泌疾患、パターン脱毛症などは感染しません。正確な診断のため、獣医師の診察を受けることが重要です。

        

        
            ## 飼い主の声

            
            
                「うちのダックスフンドが1歳の時、耳の毛が薄くなってきて心配でした。病院でパターン脱毛症と診断され、遺伝的なものだと知って少し安心しました。今はメラトニンを使って管理しています。完全には戻りませんが、進行は止まっているようです。早めに診てもらってよかったです。」（東京都・Kさん）
            

            
                「7歳のゴールデンレトリバーが甲状腺機能低下症で耳の毛が抜けました。最初は年齢のせいかと思っていましたが、元気もなくなってきたので受診しました。ホルモン剤の投与を始めて3ヶ月、毛も生えてきて元気も戻りました。定期的な血液検査は必要ですが、普通の生活ができています。」（神奈川県・Tさん）
            
        

        
            ## 参考文献

            
                - 村田香織, 他. 末梢性血管機能失調による耳介脱毛と診断した犬の3例. 獣医臨床皮膚科. 2021;27(4):227-232. DOI: https://doi.org/10.2736/jjvd.27.227

                - Greco DS. Comparative dermatology--canine endocrine dermatoses. Clin Tech Small Anim Pract. 2007 Feb;22(1):12-7. PMID: 17542192

                - Müntener T, et al. Canine noninflammatory alopecia: a comprehensive evaluation of common and distinguishing histological characteristics. Vet Dermatol. 2012 Jun;23(3):206-e44. PMID: 22575019

                - Ivaldi F, et al. Canine alopecia secondary to human topical hormone replacement therapy in six dogs. Vet Med Sci. 2022 Sep;8(5):1872-1876. PMID: 35622883

                - Brunner MAT, et al. Novel insights into the pathways regulating the canine hair cycle and their deregulation in alopecia X. PLoS One. 2017 Oct 24;12(10):e0186469. PMID: 29065140

                - Zanna G, et al. The usefulness of dermoscopy in canine pattern alopecia: a descriptive study. Vet Dermatol. 2017 Feb;28(1):161-e34. PMID: 27427177

            

        

        
            本記事はイヌラバ博士が編集した一般情報であり、個別の診断や治療に替わるものではありません。

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