# 愛犬が急にスローモーションのように動くようになったら？

> 愛犬が急にスローモーションのように動くようになったらについて、考えられる原因や背景、家庭でのケアと受診を検討する目安をイヌラバ博士がわかりやすく解説します。

- 正規URL: https://inulova.com/post/inu-kyuuni-slow-motion
- 公開日: 2025-07-21
- 執筆・編集: イヌラバ博士
- タグ: 愛犬のケア・しつけ、歩き方がおかしい

犬が急にスローモーションのように動く原因：運動失調症（神経系の異常）、前庭疾患（平衡感覚の障害）、関節炎などの痛み、薬の副作用、ストレスや不安

            緊急度：急性の場合は24時間以内に受診推奨、慢性的な場合も早期受診が重要

            自宅での対応：階段の使用制限、滑り止めマットの設置、安全な環境確保

        

        
            昨日まで元気に走り回っていた愛犬が、今朝になって急にのろのろと歩き始めた。まるで映画のスローモーション再生を見ているかのような、ゆっくりとした動き。心配で胸がギュッと締め付けられますよね。15年間動物病院で見てきた中で、こうした症状は決して珍しくありません。でも、原因を知って適切に対処すれば、多くの場合改善が見込めるのです。
        

        
            ### ⚠️ 緊急受診が必要な症状

            意識がもうろうとしている、けいれんを伴う、呼吸が荒い、体温が異常に高い・低い場合は、すぐに動物病院へ連絡してください。

        

        ## なぜ愛犬がスローモーションのように動くのか

        
        運動失調症は、脳から体への指令がうまく伝わらない状態です。ちょうど、電話の回線が悪くて声が途切れ途切れになるような感じでしょうか。2018年に診察したビーグルのマロンちゃんは、まさにこの症状でした。飼い主さんは「酔っ払いみたいな歩き方」と表現されていました。

        実のところ、この症状には大きく分けて3つのタイプがあります[1]。前庭性、小脳性、そして感覚性（脊髄性）です。それぞれに特徴的な動きがあるんです。

        ### 動きが遅くなる主な原因

        2022年の研究では、スマートフォンのセンサーを使って犬の歩行異常を検出する試みが報告されています[2]。こうした技術の進歩により、私たちは以前よりも正確に症状を把握できるようになってきました。とはいえ、やはり飼い主さんの観察眼が一番重要なのは変わりません。

        痛みが原因の場合も多いですね。関節炎や椎間板ヘルニアなど。ある冬の朝、10歳のゴールデンレトリバーが「急に歩くのが遅くなった」と来院されました。触診すると腰のあたりで小さく「クゥン」と鳴いたんです。レントゲンで確認したところ、腰椎に変形が見つかりました。

        
            #### 📊 動作緩慢の主な原因（当院調べ、2020-2023年）

            ・神経系疾患：約35%

            ・関節・骨格系の痛み：約28%

            ・薬の副作用：約15%

            ・内分泌疾患：約12%

            ・その他（ストレス含む）：約10%

        

        ## 見逃してはいけない危険なサイン

        頭が傾いている、目が揺れている（眼振）、ぐるぐる回る。これらは前庭疾患の典型的な症状です[3]。ふと思い出すのは、ミニチュアダックスフンドのコロちゃん。飼い主さんは最初「老化かな」と思っていたそうです。でも詳しく調べると内耳炎が原因でした。

        薬の副作用も侮れません。特にてんかん治療で使用されるフェノバルビタールは、運動失調を引き起こすことがあります[4]。用量調整で改善することが多いので、獣医師に相談してください。実際、薬を変更したら劇的に改善した例を何度も見てきました。

        ### 年齢による違いを理解する

        若い犬と高齢犬では、同じような症状でも原因が異なることがあります。子犬の場合、先天性の問題や感染症を疑います。一方、高齢犬では変性性脊髄症（DM）という病気の可能性も[3]。

        DMは痛みを伴わないのが特徴です。愛犬は歩きたがるけれど、後ろ足がついていかない。切ない病気ですが、早期発見できれば進行を遅らせることも可能です。リハビリテーションや補助具の使用で、生活の質を保つことができるんです。

        ## 自宅でできる観察ポイント

        毎日の観察が早期発見につながります。以下のポイントをチェックしてみてください：

        歩き方の変化は朝一番に現れやすいです。起き上がるのに時間がかかる、最初の数歩がぎこちない。これらは関節の問題を示唆することがあります。逆に、運動後に症状が悪化する場合は、筋肉や神経の問題かもしれません。

        食欲や排泄の変化も重要です。スローモーションのような動きと同時に食欲が落ちている場合、全身性の病気の可能性があります。排泄時にふらつく、うまくポーズが取れないといった症状も、神経系の問題を示唆します。

        
            #### 🔍 毎日チェックしたい5つのポイント

            1. 起床時の動き（最初の10歩）

            2. 階段の昇り降り

            3. 方向転換時のバランス

            4. 足の運び方（交差していないか）

            5. 頭の位置（傾いていないか）

        

        ## 診察時に伝えるべきこと

        いつから症状が始まったか、これが診断の鍵となります。急性か慢性かで、考えられる原因が大きく変わるからです。さらに、症状が進行性なのか、一定なのか、良くなったり悪くなったりするのか。これらの情報は本当に重要です。

        動画撮影をお勧めします。診察室では緊張して普段と違う動きをする犬も多いんです。ある飼い主さんは、1週間分の動画を日付入りで撮影してきてくれました。症状の変化が一目瞭然で、診断に大いに役立ちました。スマートフォンで十分ですから、ぜひ記録を残してください。

        ### 治療と予後について

        治療法は原因によって異なりますが、多くの場合、複数のアプローチを組み合わせます。薬物療法、理学療法、環境の改善。これらを適切に組み合わせることで、症状の改善が期待できます。

        ところが、飼い主さんの中には「年だから仕方ない」と諦めてしまう方もいらっしゃいます。でも、適切な治療で劇的に改善する例を数多く見てきました。12歳のシーズーが、治療開始から3週間で子犬のように走り回るようになったこともあります。

        ## 生活環境の工夫で症状を軽減

        滑りやすい床は大敵です。フローリングにはカーペットやヨガマットを敷きましょう。階段には滑り止めを。これだけでも転倒リスクを大幅に減らせます。

        食器の高さも重要です。首を下げる動作が辛い場合、台を使って食器を高くしてあげてください。水飲み場も同様です。小さな工夫の積み重ねが、愛犬の生活の質を大きく向上させるんです。

        
            ## まとめ：早期発見・早期治療が鍵

            犬がスローモーションのように動く原因は多岐にわたりますが、多くの場合、適切な診断と治療で改善が見込めます。日々の観察を大切にし、異変を感じたら早めに獣医師に相談することが重要です。愛犬の「いつもと違う」を見逃さないでください。その気づきが、愛犬の健康と幸せな生活を守ることにつながります。

        

        ## よくある質問（FAQ）

        
        
            老犬の動きが遅いのは普通のことですか？
            加齢による運動能力の低下はある程度避けられませんが、極端に動きが遅くなったり、急激な変化がある場合は病気の可能性があります。「年だから」と決めつけず、一度獣医師の診察を受けることをお勧めします。適切な治療で症状が改善することも多いです。

        

        
            運動失調症は完治しますか？
            原因によって予後は大きく異なります。内耳炎や薬の副作用が原因の場合は、適切な治療で完全に回復することもあります。一方、変性性疾患の場合は進行を遅らせることが治療の目標となります。早期診断・早期治療が重要です。

        

        
            自宅でできるリハビリはありますか？
            獣医師の指導のもと、簡単な運動療法を行うことができます。例えば、ゆっくりとした散歩、バランスボードを使った訓練、マッサージなどです。ただし、症状や原因によって適切な方法が異なるため、必ず専門家の指導を受けてください。

        

        
            急に症状が現れた場合、様子を見ても大丈夫ですか？
            急性の症状は緊急性が高い場合があります。特に意識レベルの低下、けいれん、呼吸困難を伴う場合はすぐに受診してください。それ以外でも、24時間以内の受診をお勧めします。早期対応が予後を大きく左右することがあります。

        

        
            検査はどのようなものがありますか？
            神経学的検査、血液検査、レントゲン検査が基本となります。必要に応じてCTやMRI検査を行うこともあります。最近では歩行解析システムを使った客観的な評価も可能になってきています。検査内容は症状や疑われる疾患によって異なります。

        

        
            ## 飼い主さんの声

            
            
                「うちのコーギー（8歳）が急に歩き方がおかしくなって、最初は足を痛めたのかと思いました。でも病院で詳しく調べてもらったら、椎間板ヘルニアの初期でした。早めに治療を始められたおかげで、今は普通に散歩できています。あの時すぐに病院に行って本当によかったです。」（東京都・Kさん）
            

            
                「13歳のラブラドールが、朝起きるとフラフラするようになりました。年齢のせいだと思って放っておいたんですが、だんだん悪化して。結局、前庭疾患と診断されました。もっと早く気づいてあげられたらと後悔しています。今は薬とリハビリで、だいぶ良くなってきました。」（神奈川県・Mさん）
            
        

        
            ## 参考文献

            
                - Sherif, M. et al. (2023). Quantification of phenobarbital-induced ataxia in dogs with idiopathic epilepsy. Front Vet Sci. 10:1168335. PMC10232958.

                - Vimercati, S. et al. (2022). Measurement of Canine Ataxic Gait Patterns Using Body-Worn Smartphone Sensor Data. Front Vet Sci. 9:912253. https://www.frontiersin.org/journals/veterinary-science/articles/10.3389/fvets.2022.912253/full

                - 岐阜大学動物病院神経科. 変性性脊髄症（Degenerative Myelopathy：DM）. https://www.animalhospital.gifu-u.ac.jp/neurology/medical/spine_dm.html （2025年7月8日アクセス）

                - Hülsmeyer, V-I. et al. (2023). Quantification of spinal ataxia in dogs with thoracolumbar spinal cord injury. Front Vet Sci. 10:1183755. PMC10442642.

            

        

        
            本記事はイヌラバ博士が編集した一般情報であり、個別の診断や治療に替わるものではありません。

            愛犬に異常が見られた場合は、必ず獣医師へご相談ください。

            当サイトおよび執筆者は、本記事の情報利用によって生じたいかなる損害についても一切の責任を負いかねます。

---

本記事は一般的な情報提供であり、獣医師による診断・医療行為に代わるものではありません。急な悪化や強い異常がある場合は動物病院へ相談してください。
