# 犬の目のまわりに左右非対称な筋肉の動きを感じたら

> 犬の目の周りの左右非対称な動きは、75%が原因不明の特発性顔面神経麻痺です。

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- 公開日: 2025-05-28
- 最終更新日: 2025-07-06
- 執筆・編集: イヌラバ博士
- タグ: 愛犬のケア・しつけ、目のトラブル

重要ポイント：犬の目の周りの左右非対称な動きは、75%が原因不明の特発性顔面神経麻痺です。

            緊急度：痛みを伴わない場合が多いですが、角膜障害のリスクがあるため早期受診が必要です。

            予後：特発性の場合、3〜6週間で自然回復することが多いです。

        

        
        
            ある朝、愛犬の顔を見て「あれ？」と違和感を覚えたことはありませんか。15年間、動物病院で働いていた私も、最初は飼い主さんの「なんか変なんです」という曖昧な訴えから始まることが多かったです。よく観察すると、片方の目がうまく閉じられない、口元が垂れ下がっている…そんな症状に気づくのです。
        

        
        
            ## この記事でわかること

            
                - 顔面神経麻痺と眼瞼痙攣の見分け方

                - 75%が原因不明という事実と対処法

                - 併発しやすい症状と緊急性の判断

                - 自宅でできるケアと予防策

            

        

        
        ## 突然の異変！愛犬の顔に起きた変化

        
        食事をボロボロこぼすようになった。これが、多くの飼い主さんが最初に気づく症状です。2018年の春、私が担当したゴールデンレトリバーのハナちゃん（当時7歳）も同じでした。飼い主の田中さんは「最近、食べるのが下手になって…」と心配そうに話していました。

        よく見ると、ハナちゃんの左側の口元がだらんと垂れ下がり、まばたきもうまくできていません。これが顔面神経麻痺の典型的な症状でした。シドニーでの研究によると、[1]犬の顔面神経麻痺の29.5%が特発性（原因不明）で、特に雄犬では2.3倍のリスクがあることが報告されています。

        
            ### ⚠️ 緊急度チェック

            以下の症状が見られたら、24時間以内の受診をおすすめします：

            ・片目が完全に閉じられない

            ・目の表面が乾いて充血している

            ・食事や水をうまく飲み込めない

        

        ## ピクピクする瞼、それとも麻痺？見極めのポイント

        眼瞼痙攣（がんけんけいれん）と顔面神経麻痺は全く別物です。さて、ここで多くの飼い主さんが混同しやすいのが、目の周りがピクピクする「眼瞼痙攣」と「顔面神経麻痺」の違いです。

        眼瞼痙攣は、まぶたが勝手にギュッと閉じてしまう状態。痛みや異物感が原因で起こることが多く、[2]角膜の傷や結膜炎、まつ毛の異常などが背景にあります。一方、顔面神経麻痺では、逆にまぶたが閉じられなくなってしまうのです。

        実のところ、2019年に診察したビーグルのコロちゃんは、最初は眼瞼痙攣かと思われました。でも、よく観察すると片側の耳も垂れ下がっていて、顔面神経麻痺だと判明。このように、顔全体の変化を見ることが重要なんです。

        ### 自宅でできる簡単チェック法

        
        
            - 威嚇瞬き反応テスト：手を素早く顔に近づけて、両目が同じようにまばたきするか確認

            - 左右対称性の確認：正面から見て、耳の高さ、口角の位置が左右同じか

            - 食事観察：フードをこぼす側が決まっているか

        

        ## なぜ起こる？75%が原因不明という現実

        特発性顔面神経麻痺。この聞き慣れない言葉が、実は犬の顔面神経麻痺の大部分を占めています。[3]獣医学の文献では、犬の75%、猫の25%が原因不明の特発性と報告されています。

        とはいえ、残りの25%には明確な原因があります。私が経験した中で特に多かったのは中耳炎です。コッカースパニエルのような垂れ耳の犬種は要注意。2020年の夏、慢性外耳炎を患っていたアメリカン・コッカーのモモちゃんが、突然顔面神経麻痺を発症しました。

        その他の原因として：

        ・甲状腺機能低下症（特に中高齢犬）

        ・耳の手術後の合併症（13-36%で発生）[4]

        ・頭部外傷や腫瘍

        などが挙げられます。

        ## 併発症状を見逃すな！ホルネル症候群の恐怖

        「先生、目つきも変なんです」2021年の秋、フレンチブルドッグのブルくんの飼い主さんがそう訴えました。顔面神経麻痺に加えて、片側の瞳孔が小さくなり、第三眼瞼（瞬膜）が出ていました。これがホルネル症候群です。

        ホルネル症候群は交感神経の障害で起こり、[5]以下の4つの特徴的な症状が現れます：

        1. 瞳孔縮小（縮瞳）

        2. 眼瞼下垂

        3. 眼球陥凹

        4. 第三眼瞼の突出

        ふと思い出すのは、2017年に診た柴犬のサクラちゃん。中耳炎から顔面神経麻痺とホルネル症候群を併発し、さらに前庭障害で頭を傾けて歩いていました。飼い主さんは「まるで違う犬みたい」と涙ぐんでいましたが、適切な治療で3ヶ月後にはほぼ回復しました。

        ## 回復への道のり～3週間から6ヶ月の現実

        特発性なら自然回復の可能性大。これは飼い主さんにとって希望の光です。研究によると、[6]特発性顔面神経麻痺の多くは48時間以内に進行が止まり、3〜6週間で回復に向かいます。

        ただし、全てが順調というわけではありません。2022年に私が最後に診察したラブラドールのマックスは、発症から8週間経っても完全には回復せず、軽度の麻痺が残りました。それでも、飼い主さんは「食事も普通にできるし、生活に支障はない」と前向きでした。

        
            #### ✨ 回復を促す自宅ケア

            
                - 人工涙液の点眼：1日3〜4回、乾燥を防ぐ

                - 優しいマッサージ：血行促進のため、患側を優しく撫でる

                - 食事の工夫：小さく切る、柔らかくする、食器の高さ調整

                - 目の保護：散歩時は風やゴミから守る

            

        

        ## 予防できる？日頃からできること

        耳のケアが予防の第一歩。特発性は防げませんが、中耳炎由来の顔面神経麻痺は予防可能です。私が動物病院で働いていた頃、「もっと早く耳掃除していれば…」と後悔する飼い主さんを何度も見てきました。

        実際、[7]細菌性外耳炎が中耳に波及することで顔面神経麻痺が起こるケースが多いため、定期的な耳のチェックは欠かせません。特に以下の犬種は要注意：

        ・コッカースパニエル（外耳炎好発）

        ・ゴールデンレトリバー（特発性の好発）

        ・ビーグル、コーギー、ボクサー

        それから、甲状腺機能のチェックも大切です。5歳を過ぎたら年1回の血液検査で甲状腺ホルモンを測定することをおすすめします。

        
        ## よくある質問

        
        
            Q1: 顔面神経麻痺は痛いのでしょうか？
            A: 顔面神経麻痺自体は痛みを伴いません。ただし、まばたきができないことで角膜が乾燥し、二次的に痛みが生じることがあります。人工涙液での保護が重要です。

        

        
            Q2: 両側に症状が出ることはありますか？
            A: はい、まれですが両側性の顔面神経麻痺もあります。この場合、顔全体の表情が乏しくなるため、気づきにくいことがあります。食事の様子をよく観察してください。

        

        
            Q3: 再発することはありますか？
            A: 特発性の場合、反対側に再発することがあります。私の経験では約10%程度でした。一度発症した側の再発は比較的まれです。

        

        
            Q4: 鍼灸治療は効果がありますか？
            A: [8]一部の獣医師が鍼灸治療で良好な結果を報告しています。西洋医学的な治療と併用することで、回復を促進する可能性があります。

        

        
            Q5: 手術が必要になることはありますか？
            A: 特発性顔面神経麻痺では手術は不要です。ただし、腫瘍や重度の中耳炎が原因の場合は、外科的治療が必要になることがあります。

        

        
        
            ## 飼い主の声

            
            
                「最初は脳の病気かと思ってパニックになりました。でも、獣医さんから『多くは自然に治る』と聞いて安心しました。毎日目薬をさして、2ヶ月後にはすっかり元通りに。あの時の安堵感は忘れられません」（トイプードル・5歳・飼い主Kさん）
            

            
                「うちの子は中耳炎からの顔面神経麻痺でした。耳掃除を怠っていた自分を責めましたが、獣医さんが『今からでも遅くない』と励ましてくれて。治療に4ヶ月かかりましたが、今は元気いっぱいです」（アメリカン・コッカー・8歳・飼い主Mさん）
            
        

        
        
            ## 参考文献

            
                - Chan MK, et al. Incidence, cause, outcome and possible risk factors associated with facial nerve paralysis in dogs in a Sydney population (2001-2016): a retrospective study. Aust Vet J. 2020;98(4):148-152. PMID: 31867719

                - Belknap EB. Clinical Approach to Canine Eyelid Disease: Blepharitis. Today's Veterinary Practice. 2022. Available at: https://todaysveterinarypractice.com/ophthalmology/observations-in-ophthalmology-clinical-approach-to-canine-eyelid-disease-blepharitis/

                - Garosi LS, Lowrie ML, Swinbourne NF. Neurological manifestations of ear disease in dogs and cats. Vet Clin North Am Small Anim Pract. 2012;42(6):1143-1160. DOI: 10.1016/j.cvsm.2012.08.006

                - Coleman KA, Smeak DD. Complication rates after bilateral versus unilateral total ear canal ablation with lateral bulla osteotomy for end-stage inflammatory ear disease in dogs: 79 ears. Vet Surg. 2016;45(5):659-663. DOI: 10.1111/vsu.12488

                - Boydell P. Diagnosis of Horner's syndrome in dogs and cats. In Practice. 2015;37(3):107-119. DOI: 10.1136/inp.h861

                - Braund KG, Luttgen PJ, Sorjonen DC, Redding RW. Idiopathic facial paralysis in the dog. Vet Rec. 1979;105(13):297-299. PMID: 516320

                - Schubert T. Facial Paralysis in Dogs. Merck Veterinary Manual. 2024. Available at: https://www.merckvetmanual.com/dog-owners/brain-spinal-cord-and-nerve-disorders-of-dogs/facial-paralysis-in-dogs

                - 岩切久弥. 犬の顔面神経麻痺の治療〜鍼灸治療による麻痺の改善〜. 西軽井沢どんぐり動物病院. ドクターズインタビュー. 2021. Available at: https://pet.doctors-interview.jp/treatment/3849

            

        

        
        
          本記事はイヌラバ博士が編集した一般情報であり、個別の診断や治療に替わるものではありません。

          愛犬に異常が見られた場合は、必ず獣医師へご相談ください。

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