# 犬が一度伏せたあと立ち上がるのを躊躇するようになったら注意

> 犬が伏せから立ち上がる際に躊躇する行動は、関節疾患、筋力低下、神経疾患の初期症状の可能性があります。

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- 公開日: 2025-05-26
- 最終更新日: 2025-07-08
- 執筆・編集: イヌラバ博士
- タグ: 愛犬のケア・しつけ、歩き方がおかしい、消化器の病気

重要：犬が伏せから立ち上がる際に躊躇する行動は、関節疾患、筋力低下、神経疾患の初期症状の可能性があります。

            観察ポイント：立ち上がるまでの時間、痛がる様子、歩き方の変化に注目しましょう。

            対処法：症状が続く場合は早期に動物病院を受診し、適切な診断を受けることが重要です。

        

        
            愛犬がソファから降りるとき、一瞬ためらってから「よいしょ」と立ち上がる姿を見たことはありませんか？朝の散歩前、伏せていた愛犬がなかなか立ち上がらず、心配になった経験がある飼い主さんも多いはず。2010年に動物病院で出会ったゴールデンレトリーバーのマックス（当時8歳）も、まさにこんな症状から股関節形成不全が発覚しました。
        

        ## なぜ立ち上がりを躊躇するのか？痛みと不安の心理

        
        犬が立ち上がりを躊躇する最大の理由は「痛み」です。ただし、犬は本能的に痛みを隠そうとする動物。野生では弱みを見せることが命取りになるからです。

        
        15年間動物病院で働いてきて、飼い主さんが最初に気づく変化の多くが「なんとなく動きが鈍い」という曖昧な表現でした。でも実際に診察してみると、すでに関節や筋肉に問題を抱えているケースがほとんど。まるで、静かに進行する時限爆弾のようなものです。

        さて、ここで重要なのは痛みの種類を見極めること。急性の痛み（ギクッとくる痛み）なのか、慢性の鈍い痛みなのか。前者なら椎間板ヘルニアの可能性が、後者なら変形性関節症かもしれません。

        
            ### ⚠️ 緊急度の高い症状

            ・完全に立ち上がれない

            ・後ろ足を引きずる

            ・排尿・排便が困難

            ・触ると激しく痛がる

        

        ## 関節の悲鳴！変形性関節症の恐怖

        ある日の診察室。12歳のラブラドール・レトリーバーが運ばれてきました。飼い主さんは「最近、朝起きるのが辛そうで...」と心配そう。レントゲンを撮ってみると、股関節がまるでサビついた蝶番のように変形していたんです。

        実は、犬の約20％が何らかの形で変形性関節症を患っているという研究結果があります[1]。特に大型犬では小型犬の2倍以上の発症率。体重が重いぶん、関節への負担も大きいんですね。

        ### 変形性関節症の進行段階

        
        
            #### 関節症の進行イメージ

            
                
                    初期：朝のこわばり、運動後の軽い跛行
                
                
                    中期：立ち上がりの躊躇、階段を嫌がる
                
                
                    後期：常時跛行、筋肉の萎縮、起立困難
                
            
        

        ところで、軟骨には血管が通っていないって知ってました？一度損傷すると修復が難しいんです。だからこそ早期発見が命運を分けるんですよ。

        ## 遺伝の宿命？股関節形成不全という病

        2012年の春、生後6ヶ月のバーニーズ・マウンテンドッグの子犬が来院しました。「うちの子、お座りの姿勢が変なんです」という相談。確かに、両足を横に投げ出すような独特の座り方をしていました。

        検査の結果、股関節形成不全と診断。この病気、なんと遺伝的要因が70％、環境要因が30％という割合で発症するんです[2]。つまり、生まれながらにして発症リスクを抱えている子が多いということ。

        とはいえ、環境要因の30％も侮れません。子犬期の過度な運動、急激な体重増加、滑りやすい床での生活...これらが引き金になることも。

        ### 好発犬種リスト

        
            - ゴールデン・レトリーバー

            - ラブラドール・レトリーバー

            - ジャーマン・シェパード

            - バーニーズ・マウンテンドッグ

            - セント・バーナード

        

        ふと思い出すのは、ある飼い主さんの言葉。「もっと早く気づいてあげられたら...」その後悔の念は、私の心にも深く刻まれています。

        ## 突然の激痛！椎間板ヘルニアの恐怖

        「キャン！」深夜2時、緊急電話が鳴りました。ミニチュア・ダックスフンドが突然動けなくなったという。駆けつけると、後ろ足が完全に麻痺していました。

        椎間板ヘルニアは症状の重さによって5段階のグレードに分類されます[3]。グレード1は痛みだけですが、グレード5になると深部痛覚が消失。この段階での改善率は、緊急手術を行っても約50％程度という厳しい現実があります[4]。

        
            #### 椎間板ヘルニアのグレード分類

            グレード1：痛みのみ（背中を丸める、抱くと痛がる）

            グレード2：ふらつき歩行、足先のナックリング

            グレード3：起立不能、後肢麻痺

            グレード4：排尿困難、表在痛覚消失

            グレード5：深部痛覚消失（最重症）

        

        実のところ、ダックスフンドやコーギーなど胴長短足の犬種は、構造的に椎間板への負担が大きいんです。階段の昇降、ソファからのジャンプ...日常の何気ない動作が引き金になることも。

        ## 静かに進行する筋肉の衰え

        老犬の約80％が後ろ足から弱ってくるといわれています[5]。筋肉量は20代をピークに、10年間で男性は約2kg、女性は約1kg減少。これ、人間の話ですが、犬も同じような経過をたどります。

        2018年の秋、14歳の柴犬タロウが来院しました。飼い主さんは「最近、お尻が小さくなった気がする」と。触診すると、確かに大腿部の筋肉がゴッソリ落ちていました。これがサルコペニア（加齢性筋肉減少症）です。

        ところが、筋肉の衰えは目に見えにくい。毛に覆われているし、少しずつ進行するから気づきにくいんですよね。でも、立ち上がりの躊躇は筋力低下の重要なサインなんです。

        ### 筋力低下のチェックポイント

        
            - 後ろ足の踏ん張りが効かない

            - お尻が落ちた歩き方

            - 階段を一段飛ばしできない

            - ジャンプの高さが低くなった

        

        ## 見逃さないで！日常の観察ポイント

        15年の経験から言えることは、飼い主さんの「なんか変」という直感は、ほぼ当たっているということ。その微妙な変化を見逃さないことが、愛犬の健康を守る第一歩です。

        
            #### 毎日チェックしたい5つのポイント

            
                - 起床時の動き：寝床から出るまでの時間を計測

                - 散歩への反応：リードを見せた時の反応速度

                - 階段の昇降：躊躇する時間、使う足の順番

                - 排泄姿勢：踏ん張る力、姿勢の安定性

                - 遊びの変化：おもちゃへの興味、遊ぶ時間の長さ

            

        

        それでも、判断に迷うこともあるでしょう。そんな時は動画を撮っておくことをオススメします。獣医師に見せれば、より正確な診断につながりますから。

        ## 今すぐできる！予防と対策

        「転ばぬ先の杖」という言葉がありますが、犬の関節ケアも同じ。症状が出る前から始めることが大切です。

        ### 環境整備のポイント

        
        まず床材の見直しから。フローリングは滑りやすく、関節への負担大。カーペットやコルクマット、滑り止めマットの設置を検討しましょう。実際、床材を変えただけで歩様が改善した例を何度も見てきました。

        次に段差の解消。小型犬でも、ソファへの昇降は膝関節に体重の4〜5倍の負荷がかかります。スロープやステップの設置で負担を軽減できます。

        ### 体重管理の重要性

        肥満は万病の元。特に関節疾患では、体重1kgの増加が関節への負担を4kg分増やすといわれています。適正体重の維持は、最も効果的な予防法の一つです。

        とはいえ、急激なダイエットは禁物。筋肉まで落としてしまっては本末転倒ですから。獣医師と相談しながら、ゆっくりと体重管理を行いましょう。

        ### 適度な運動の継続

        「安静第一」は過去の話。最近の研究では、適度な運動が関節症の進行を遅らせることが分かっています[6]。ポイントは「適度」であること。激しい運動は逆効果です。

        
            #### おすすめの運動メニュー

            ・ゆるやかな坂道の散歩（筋力アップ）

            ・水中歩行（関節への負担軽減）

            ・バランスボールエクササイズ（体幹強化）

            ・ゆっくりとしたスクワット運動

        

        ## 早期受診が命運を分ける理由

        鳥取大学の研究によると、起立困難の治療は時間との勝負。治療までに時間を要すれば要するほど、完全治癒に至らないリスクが高まります[7]。これは私の経験とも一致します。

        ある時、「様子を見ていたら良くなるかと思って...」と3ヶ月も放置した飼い主さんがいました。結果、手術をしても完全には回復せず、車椅子生活に。早期に受診していれば、違う結果になっていたかもしれません。

        もちろん、すべてが重篤な病気というわけではありません。単なる筋肉痛や軽い捻挫のこともあります。でも、それを判断できるのは獣医師だけ。「大げさかな？」と思っても、受診することで安心を得られるなら、それだけでも価値があるんです。

        ## 診察で伝えるべき重要情報

        診察室でよく見る光景。緊張のあまり、伝えたいことの半分も話せない飼い主さん。そこで、事前にメモを準備することをオススメします。

        ### 獣医師に伝えるべき7つの情報

        
            - 症状に気づいた時期（できるだけ具体的に）

            - 症状の変化（良くなったり悪くなったり）

            - 痛がる場所や状況

            - 食欲や排泄の変化

            - 過去の病歴やケガ

            - 現在服用中の薬やサプリメント

            - 動画があれば持参（スマホでOK）

        

        実は、この情報が診断の8割を決めるといっても過言ではありません。特に動画は、診察室では見せない普段の様子を確認できる貴重な資料になります。

        ## まとめ：愛犬の健康寿命を延ばすために

        立ち上がりの躊躇は、愛犬からの小さなSOS。この信号を見逃さず、適切に対応することで、多くの問題は改善可能です。

        15年間、数え切れないほどの犬たちと飼い主さんに出会ってきました。後悔の涙を流す人もいれば、早期発見で笑顔を取り戻す人も。その違いは、日々の観察と素早い行動にあります。

        最後に、ある飼い主さんの言葉を紹介させてください。「毎日の『おはよう』の時間を大切にしています。愛犬がどんな風に起きるか、それが健康のバロメーターだから」。素敵な心がけですよね。

        愛犬との毎日を、もっと長く、もっと幸せに。そのためにも、小さな変化を見逃さず、獣医師と二人三脚で健康管理を続けていきましょう。きっと、その努力は必ず報われるはずです。

        ## よくある質問（FAQ）

        
            Q1. 何歳から起立困難のリスクが高まりますか？
            大型犬では7歳頃から、小型犬では10歳頃からリスクが高まります。ただし、股関節形成不全などの先天的な疾患がある場合は、若齢でも症状が出ることがあります。定期的な健康診断で早期発見を心がけましょう。

        

        
            Q2. サプリメントは効果がありますか？
            グルコサミンやコンドロイチン、オメガ3脂肪酸（DHA・EPA）などは、関節の健康維持に一定の効果が期待できます。ただし、医薬品ではないため即効性は期待できません。獣医師と相談の上、長期的な視点で使用を検討しましょう。

        

        
            Q3. 手術が必要と言われましたが、高齢犬でも大丈夫でしょうか？
            年齢だけで手術の可否は決まりません。全身状態、基礎疾患の有無、麻酔リスクなどを総合的に評価します。高齢でも状態が良ければ手術可能ですし、手術により生活の質が大幅に改善することも多いです。セカンドオピニオンを求めることも選択肢の一つです。

        

        
            Q4. リハビリはどのくらいの期間必要ですか？
            症状や原因により大きく異なります。軽度の筋力低下なら2〜3ヶ月、手術後のリハビリなら6ヶ月以上かかることも。重要なのは継続すること。焦らず、愛犬のペースに合わせて進めることが成功の秘訣です。

        

        
            Q5. 車椅子を使うタイミングはいつですか？
            後肢の麻痺が進行し、自力での歩行が困難になった時が検討時期です。ただし、車椅子は歩行補助具であり、リハビリツールでもあります。完全に歩けなくなる前から使用することで、筋力維持や精神的な活力維持にも役立ちます。

        

        
            ## 飼い主様の声

            
            
                「うちのゴールデンレトリーバー（9歳）が朝起きるのを嫌がるようになって心配でした。イヌラバ博士の記事を読んで、すぐに病院へ。初期の股関節形成不全と診断されましたが、早期発見のおかげで内科治療と理学療法で改善しています。観察ポイントがとても参考になりました」（東京都・Kさん）
            
            
            
                「ミニチュアダックスの突然の腰痛に驚きました。記事にあった椎間板ヘルニアのグレード分類を読んで、緊急性を理解できたのが良かったです。グレード3でしたが、迅速な手術により今は元気に歩いています。早期受診の大切さを実感しました」（神奈川県・Tさん）
            
        

        
            ## 参考文献

            
                - 松波動物病院メディカルセンター. 犬の変形性関節症. http://www.matsunami.co.jp/petcare/petcaredog/caredog_15.html

                - 特定非営利活動法人日本動物遺伝病ネットワーク. 股関節形成不全とは. http://www.jahd.org/disease/d_hipjoint

                - 横浜市中区動物再生医療センター病院. 犬の椎間板ヘルニアのグレードと治療について解説. https://hospital.anicom-med.co.jp/arm-center/owner/explanation/discherniation-grade/

                - 名古屋動物医療センター. 椎間板ヘルニア. https://namc.co.jp/shikkan/shikkan-784/

                - 南が丘動物病院. 老犬を寝たきりにしないために. https://www.minamigaokaah.com/column/column_20190410_1560.html

                - 名古屋動物医療センター. 犬の股関節形成不全症の治療. https://namc.co.jp/shikkan/shikkan-1043/

                - 鳥取大学農学部附属動物医療センター. 起立できない、起立してもすぐに座る（起立不能・起立困難）. https://vth-tottori-u.jp/signal/167

            

        

        
            本記事はイヌラバ博士が編集した一般情報であり、個別の診断や治療に替わるものではありません。

            愛犬に異常が見られた場合は、必ず獣医師へご相談ください。

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本記事は一般的な情報提供であり、獣医師による診断・医療行為に代わるものではありません。急な悪化や強い異常がある場合は動物病院へ相談してください。
