# 犬がふらつきながら歩くようになったら疑うべき神経疾患とは？

> 犬がふらつきながら歩くようになったら疑うべき神経疾患について、考えられる原因や背景、家庭でのケアと受診を検討する目安をイヌラバ博士がわかりやすく解説します。

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- 公開日: 2025-05-31
- 最終更新日: 2026-06-09
- 執筆・編集: イヌラバ博士
- タグ: 愛犬のケア・しつけ、神経・筋肉系の病気

重要ポイント

            ・ふらつきの原因となる神経疾患は7つあり、前庭疾患が最も多い

            ・症状が急激に進行する場合は緊急受診が必要

            ・早期発見・早期治療で多くの疾患は改善可能

        

        「あれ？うちの子、なんだか歩き方がおかしい…」朝の散歩で愛犬がよろよろと歩く姿を見て、胸がざわついた経験はありませんか。私も動物病院で15年間働いてきて、飼い主さんのその不安な表情を何度も目にしてきました。

        
            ### ⚠️ こんな症状があったらすぐ病院へ

            立てない・意識がもうろうとしている・痙攣を起こしている場合は、緊急事態です。様子を見ずに、すぐに動物病院を受診してください。

        

        ## 心配になる愛犬のふらつき症状

        犬のふらつきは、単なる疲れや老化だけが原因ではありません。2013年、私が勤めていた横浜の動物病院に、11歳のミニチュアダックスフンドのモモちゃんが運ばれてきました。「昨日までは普通に歩いていたのに、今朝起きたら立てなくて…」と飼い主さんは涙ぐんでいました。

        実は、犬のふらつきの背景には、さまざまな神経疾患が隠れている可能性があります。とはいえ、すべてが深刻な病気というわけではありません。私の経験では、適切な診断と治療によって、多くの子が元気を取り戻しています。

        ただし、ここで注意したいのは、症状の進行スピードです。朝は少しふらつく程度だったのに、夕方には立てなくなってしまうケースも珍しくありません。まさに「時間との勝負」になることもあるのです。

        ## 見逃してはいけない7つの神経疾患

        愛犬のふらつきの原因となる神経疾患は、主に7つに分類されます。それぞれ症状や治療法が異なりますので、獣医師による正確な診断が不可欠です。ここでは、遭遇頻度の高い順に解説していきます。

        ### 1. 前庭疾患（ぜんていしっかん）

        前庭疾患は、平衡感覚を司る内耳の前庭器官に問題が生じる病気です[1]。まるで船酔いのような状態になり、愛犬は世界がぐるぐる回っているように感じています。

        
            #### 前庭疾患の特徴的な症状

            
                - 首を一方向に傾けたまま（斜頸）

                - 眼球が左右または上下に揺れる（眼振）

                - 同じ場所をぐるぐる回る

                - まっすぐ歩けず、よろめく

                - 吐き気や食欲不振

            

        

        2019年に発表された国際的な調査によると、前庭疾患の約60%は原因不明の特発性前庭疾患で、高齢犬に多く見られます[2]。「老犬の前庭症候群」とも呼ばれますが、若い犬でも発症することがあります。

        忘れられないのは、14歳のゴールデンレトリバーのジョンくん。飼い主さんは「もう歳だから仕方ない」と諦めかけていましたが、支持療法と制吐剤の投与で、2週間後にはほぼ正常に歩けるようになりました。多くの場合、72時間以内に改善の兆しが見られ、2〜3週間で回復します[3]。

        ### 2. 椎間板ヘルニア

        椎間板ヘルニアは、背骨の間にあるクッション（椎間板）が飛び出して脊髄を圧迫する病気です。特にダックスフンド、コーギー、ビーグルなどの軟骨異栄養犬種に多く見られます[4]。

        2022年のACVIM（米国獣医内科学会）のコンセンサス声明によると、胸腰部椎間板ヘルニアは犬の急性対麻痺の最も一般的な原因とされています[5]。症状は病変の位置により異なりますが、後肢のふらつきから始まることが多いです。

        
            
                
                    
                        グレード
                        症状
                        緊急度
                    
                
                
                    
                        グレード1
                        背中の痛みのみ
                        低
                    
                    
                        グレード2
                        歩行時のふらつき
                        中
                    
                    
                        グレード3
                        後肢で立てるが歩けない
                        高
                    
                    
                        グレード4
                        後肢の完全麻痺（痛覚あり）
                        高
                    
                    
                        グレード5
                        後肢の完全麻痺（痛覚なし）
                        緊急
                    
                
            
        

        私が経験した中で最も印象深かったのは、6歳のミニチュアダックスフンドのココちゃんです。朝起きたら後ろ足を引きずっていたため、飼い主さんがすぐに連れてきました。MRI検査で第12胸椎と第13胸椎間の椎間板ヘルニアが見つかり、即日手術を行いました。術後2週間のリハビリを経て、現在は元気に走り回っています。

        ### 3. 脳梗塞・脳出血

        犬の脳梗塞は、脳内の血管が詰まることで起こります。人間と違い、犬では命に関わることは比較的少ないですが、適切な治療が必要です[6]。

        ある日の午後、12歳のシーズーのマロンちゃんが運ばれてきました。「さっきまで普通だったのに、急に立てなくなって…」飼い主さんは動揺していました。神経学的検査とMRI検査の結果、小脳梗塞と診断されました。

        犬の脳梗塞の原因は完全には解明されていませんが、内分泌疾患（甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症）や高脂血症が関与している可能性が指摘されています[7]。症状は突然現れ、数時間から数日で進行します。

        ### 4. てんかん発作

        てんかんは、脳の異常な電気活動により発作を繰り返す病気です。発作後に一時的なふらつきや意識障害が見られることがあります。国際獣医てんかんタスクフォース（IVETF）の分類によると、犬のてんかんは特発性てんかん、構造的てんかん、原因不明のてんかんの3つに分類されます[8]。

        2016年の春、ボーダーコリーのレオくん（3歳）の飼い主さんから相談を受けました。「時々、ぼーっとして歩き方がおかしくなるんです」とのこと。詳しく聞くと、その前に軽い痙攣があったようです。脳波検査の結果、焦点性てんかん発作と診断されました。

        てんかんの診断には、発作の詳細な観察が重要です。最近では、飼い主さんがスマートフォンで発作の様子を撮影してくることも増えており、診断の精度向上に役立っています[9]。

        ### 5. 変性性脊髄症

        変性性脊髄症は、脊髄の白質が徐々に変性していく進行性の病気です。人間のALS（筋萎縮性側索硬化症）に似た病気として知られています[10]。

        最も辛かったのは、9歳のジャーマンシェパードのマックスくんのケースです。最初は後ろ足の爪を引きずる程度でしたが、徐々に症状が進行し、1年後には後肢が完全に麻痺してしまいました。

        2009年に発見されたSOD1遺伝子変異が発症リスクに関与していることが分かっており、現在では遺伝子検査が可能です[11]。ただし、遺伝子変異があっても必ず発症するわけではありません。

        ### 6. 門脈体循環シャント

        門脈体循環シャントは、肝臓を迂回する異常な血管により、アンモニアなどの有害物質が全身を巡ってしまう病気です。食後にふらつきや痙攣などの神経症状が現れるのが特徴です[12]。

        忘れられないのは、生後8ヶ月のヨークシャーテリアのプリンちゃん。「ご飯を食べた後、必ずふらふらするんです」という主訴でした。血液検査で高アンモニア血症が見つかり、造影CT検査で門脈体循環シャントと診断されました。

        この病気は先天性がほとんどで、ミニチュアシュナウザー、ヨークシャーテリア、シーズーなどの小型犬に多く見られます。早期発見・早期治療により、予後は大きく改善します。

        ### 7. 重症筋無力症

        重症筋無力症は、神経と筋肉の接合部で信号伝達がうまくいかなくなる病気です。運動後に急激に筋力が低下し、休むと回復するのが特徴です[13]。

        2021年の研究では、94頭の重症筋無力症の犬を調査した結果、約61%が全身型と巨大食道症を併発していたことが報告されています[14]。診断には抗アセチルコリン受容体抗体検査が有用です。

        ## 今すぐできる自宅での対処法

        愛犬にふらつきが見られたら、まず安全確保が最優先です。階段や段差から落ちないよう、行動範囲を制限しましょう。2018年に東京の動物病院で行った調査では、ふらつきのある犬の約30%が自宅で二次的な怪我をしていました。

        
            #### 緊急時の応急処置

            
                - 犬を安全な場所に移動させる（毛布などを使って優しく）

                - 周囲の危険物を取り除く

                - 症状を動画で記録する（診断の参考になります）

                - かかりつけ医に連絡し、指示を仰ぐ

                - 無理に歩かせたり、食事を与えたりしない

            

        

        特に前庭疾患の場合、飼い主さんが愛犬を抱いて運ぼうとする衝動に駆られますが、これは症状を長引かせる可能性があります。犬が自分で動き回ることで、内耳が自然に回復する機会が増えるのです[15]。

        ## 獣医師が行う診断の流れ

        正確な診断には、系統的な検査が不可欠です。私たちは以下の手順で診断を進めていきます。

        
            #### 神経疾患の診断プロセス

            
                - 問診：症状の発現時期、進行速度、既往歴の確認

                - 一般身体検査：体温、心拍数、呼吸数などのバイタルチェック

                - 神経学的検査：姿勢反応、脊髄反射、脳神経検査など

                - 血液検査：基礎疾患の有無を確認

                - 画像検査：レントゲン、CT、MRIなど

                - 特殊検査：脳脊髄液検査、筋電図検査など（必要に応じて）

            

        

        実際の診察では、飼い主さんからの情報が診断の鍵となることが多いです。「いつから」「どのような状況で」「どんな症状が」現れたかを詳しく教えていただけると、診断の精度が格段に上がります。

        ## 治療法と予後について

        治療法は原因疾患によって大きく異なりますが、早期治療により予後は改善します。それぞれの疾患に対する主な治療法をご紹介します。

        ### 前庭疾患の治療

        特発性前庭疾患の場合、特効薬はありませんが、支持療法により多くの症例で改善が見られます。制吐剤（マロピタントなど）の投与により、吐き気を抑えることが重要です[16]。

        さて、ここで一つ失敗談を。2015年、前庭疾患と診断したプードルのモカちゃんが、なかなか改善しませんでした。再検査の結果、実は中耳炎が原因だったことが判明。抗生剤治療により完治しましたが、初診時の検査不足を深く反省しました。

        ### 椎間板ヘルニアの治療

        軽度の場合は安静と消炎鎮痛剤で改善することもありますが、グレード3以上では外科手術が推奨されます。2020年の研究では、深部痛覚が残存している症例の手術成功率は90%以上と報告されています[17]。

        ### てんかんの管理

        抗てんかん薬による長期管理が必要です。フェノバルビタール、臭化カリウム、レベチラセタムなどが使用されます。2024年のACVIMコンセンサスでは、発作の頻度や重症度に応じた段階的治療が推奨されています[18]。

        ## 回復への道のり

        多くの神経疾患は、適切な治療とリハビリテーションにより改善が期待できます。ただし、飼い主さんの協力が不可欠です。

        2020年、椎間板ヘルニアの手術を受けたフレンチブルドッグのブルースくん。飼い主さんは毎日欠かさずリハビリを行い、3ヶ月後には見事に歩けるようになりました。「諦めなくて本当によかった」という飼い主さんの言葉が、今でも心に残っています。

        
            #### リハビリテーションのポイント

            
                - 獣医師の指導のもと、無理のない範囲で実施

                - マッサージやストレッチから始める

                - 水中療法（プールやトレッドミル）の活用

                - レーザー治療や鍼治療の併用も検討

                - 栄養管理と体重コントロール

            

        

        ## 予防と早期発見のために

        完全な予防は難しいものの、リスクを減らすことは可能です。定期的な健康診断、適切な体重管理、過度な運動の制限などが重要です。

        特に遺伝的素因のある犬種では、繁殖前の遺伝子検査が推奨されます。変性性脊髄症のSOD1遺伝子検査や、椎間板ヘルニアのリスク評価などが可能になっています。

        また、日頃から愛犬の歩き方や行動をよく観察することも大切です。「いつもと違う」という飼い主さんの直感は、しばしば正しいものです。

        ## まとめ

        愛犬のふらつきは、様々な神経疾患のサインかもしれません。前庭疾患、椎間板ヘルニア、脳梗塞、てんかん、変性性脊髄症、門脈体循環シャント、重症筋無力症など、原因は多岐にわたります。

        重要なのは、症状を見逃さず、早めに獣医師に相談することです。「もう少し様子を見よう」という判断が、時に取り返しのつかない結果を招くこともあります。

        15年間の動物病院勤務で、数え切れないほどの症例を見てきました。その中で学んだのは、「諦めないこと」の大切さです。適切な診断と治療、そして飼い主さんの愛情があれば、多くの子が再び元気に歩けるようになります。

        愛犬の健康は、飼い主さんと獣医師の二人三脚で守るものです。少しでも心配なことがあれば、遠慮なく相談してください。あなたの愛犬が、これからも健やかに過ごせることを心から願っています。

        ## よくある質問（FAQ）

        
            Q1. 老犬のふらつきは全て病気が原因ですか？
            いいえ、必ずしも病気が原因とは限りません。加齢による筋力低下や関節炎でもふらつきは見られます。ただし、急激な症状の出現や進行性の悪化が見られる場合は、神経疾患の可能性があるため、獣医師の診察を受けることをお勧めします。

        

        
            Q2. ふらつきがあっても元気そうなら様子を見ても大丈夫？
            元気そうに見えても、神経疾患の初期症状の可能性があります。特に椎間板ヘルニアや脳梗塞は、早期治療が予後を大きく左右します。軽度のふらつきでも、念のため獣医師に相談することをお勧めします。

        

        
            Q3. MRI検査は必ず必要ですか？費用が心配です。
            全ての症例でMRI検査が必要というわけではありません。症状や神経学的検査の結果により、必要性を判断します。費用については、事前に獣医師と相談し、検査の必要性と期待される情報について十分に説明を受けてから決定することが大切です。

        

        
            Q4. 前庭疾患と診断されました。完全に治りますか？
            特発性前庭疾患の多くは2〜3週間で改善しますが、軽度の頭部傾斜が残ることがあります。しかし、日常生活に支障はなく、多くの犬が通常の生活を送れるようになります。定期的な経過観察が重要です。

        

        
            Q5. 神経疾患の予防法はありますか？
            完全な予防は困難ですが、リスクを減らすことは可能です。適正体重の維持、過度な運動の制限、段差での事故防止、定期健診での早期発見などが重要です。遺伝的素因のある犬種では、繁殖前の遺伝子検査も推奨されます。

        

        
            ## 飼い主さんの声

            
            
                「うちのダックスが急に歩けなくなって、本当にパニックでした。でも、先生の『まだ痛覚があるから大丈夫』という言葉に救われました。手術とリハビリを頑張って、今では元気に走り回っています。早めに病院に行って本当によかったです。」（東京都・Kさん・ミニチュアダックスフンド6歳）
            

            
                「14歳の老犬が前庭疾患と診断されました。最初は『もう歳だから…』と諦めかけましたが、2週間の看護で見違えるように回復しました。高齢でも諦めないことの大切さを学びました。」（神奈川県・Tさん・柴犬14歳）
            
        

        
            ## 参考文献

            
                - Rossmeisl JH. Vestibular disease in dogs and cats. Vet Clin North Am Small Anim Pract. 2010;40(1):81-100. doi: 10.1016/j.cvsm.2009.09.007

                - Bongartz U, et al. Current definition, diagnosis, and treatment of canine and feline idiopathic vestibular syndrome. Front Vet Sci. 2023;10:1263976. doi: 10.3389/fvets.2023.1263976

                - Kent M, et al. Clinical signs, MRI findings and outcome in dogs with peripheral vestibular disease: a retrospective study. Vet J. 2010;185(3):247-58. doi: 10.1016/j.tvjl.2009.10.029

                - Fenn J, Olby NJ. Classification of Intervertebral Disc Disease. Front Vet Sci. 2020;7:579025. doi: 10.3389/fvets.2020.579025

                - Jeffery ND, et al. ACVIM consensus statement on diagnosis and management of acute canine thoracolumbar intervertebral disc extrusion. J Vet Intern Med. 2022;36(5):1570-1596. doi: 10.1111/jvim.16480

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