# 犬が頭を振るときにてんかんを疑うべき場面は？

> 犬が頭を振ると「てんかんでは」と不安になりますが、耳の痛みや外耳炎でも同じしぐさは起こります。発作らしい頭振りとの違い、意識やよだれ、顔のぴくつきの見方、動画で残すポイント、すぐ受診したい危険サイン、受診前に確認したい観察項目をイヌラバ博士が丁寧に整理します。

- 正規URL: https://inulova.com/post/inu-atama-tenkan
- 公開日: 2026-06-17
- 執筆・編集: イヌラバ博士
- タグ: 神経・筋肉系の病気

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<p><strong>結論：</strong>犬が頭を振るだけでは、てんかんとは言い切れません。耳の痛みやかゆみでもよく見られるしぐさです。</p>
<p><strong>結論：</strong>ただし、呼びかけに反応しない、よだれが増える、顔の一部だけぴくつく、数分で繰り返すなら、発作の可能性を急いで見極める必要があります。</p>
<p><strong>結論：</strong>迷ったら動画を撮り、左右どちらに振るか、意識があるか、歩けるかを記録してその日のうちに獣医師へ相談しましょう。</p>
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<p>「耳がかゆいだけならいいのに、これっててんかんですか？」。六月の蒸した夕方、東京都内の動物病院で何度も受けた相談です。私イヌラバ博士も、頭をぶんぶん振る犬を見るたびに、耳の炎症なのか、発作の入口なのか、まず観察の順番を整えていました。見た目が似ているからこそ、不安は大きくなります。そこで今回は、犬が頭を振るときに“てんかんを疑う場面”と“耳トラブル寄りの場面”を、飼い主さんが家で見分けやすい形で整理します。</p>
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<h2>頭を振るだけでは、てんかんとは決められません</h2>
<p>てんかん発作は、脳の異常な電気活動で起こる短い発作性の出来事です<sup>[1]</sup>。IVETF の整理では、犬の発作はけいれんだけでなく、顔のぴくつき、まばたき、よだれ、落ち着きのなさなどの焦点性サインとして始まることがあります<sup>[1]</sup>。一方で、外耳炎や中耳炎でも頭振り、耳を掻く、嫌なにおい、片側だけの痛みがよく出ます<sup>[4][5]</sup>。ここがややこしいところでしょう。</p>
<p>実のところ、見分けの第一歩は「意識」と「耳そのものの違和感」を分けて観察することです。兵庫県の6歳の柴犬「コハクくん」は、夜になると急に頭を左右へ小刻みに振るので、飼い主さんは発作を疑いました。けれど診察では耳道の赤みが強く、耳に触れた瞬間に体を引く反応がありました。耳由来の痛みだったのです。逆に、福岡県の4歳のボーダーコリー「ナツちゃん」は、頭を振った直後にぼんやり立ち止まり、口元がもぐもぐ動きました。こちらは焦点性発作が疑われ、動画が診断の大きな助けになりました。</p>

<h3>てんかん寄りの動きは「短く反復し、意識が揺れる」</h3>
<p>発作らしい頭振りでは、耳を気にしているというより、同じ動きが急に始まり、数十秒から数分で切れる形になりやすいです<sup>[1]</sup>。呼びかけに反応しにくい、視線が合わない、よだれが増える、顔やまぶただけがぴくぴくする、終わった後にふらつく。こんな流れなら、耳のかゆみだけでは説明しにくいかもしれません。Cornell も、5分を超えて続く発作は status epilepticus として救急対応が必要だと案内しています<sup>[3]</sup>。</p>

<h3>耳トラブル寄りの動きは「痛みとかゆみの手がかり」がつきます</h3>
<p>耳の炎症では、頭振りに加えて、耳のにおい、赤み、黒っぽい耳垢、片耳だけ触られるのを嫌がる様子が出やすいです<sup>[4]</sup>。中耳まで及ぶと、頭を傾ける、痛がる、歩き方が不安定になることもあります<sup>[5]</sup>。ここでの失敗談を一つ。横浜市の11歳のミニチュアダックス「レオくん」は、飼い主さんが綿棒で耳掃除を続けた結果、痛みが強くなり、頭振りがさらに激しくなってしまいました。良かれと思った手当てが悪化につながること、現場では少なくありませんでした。</p>

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<h3>この組み合わせなら、てんかんや重い神経症状を急いで確認</h3>
<ul class="checklist">
<li>頭振りと同時に呼びかけへの反応が鈍い</li>
<li>口をくちゃくちゃする、よだれが増える、顔だけぴくつく</li>
<li>数分以内に同じ動きが何度も続く</li>
<li>ふらつき、倒れる、ぼんやりが発作後にも残る</li>
<li>5分以上続く、または短時間で連続する</li>
</ul>
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<p>逆に、耳を触ると嫌がる、においがする、黒い耳垢がつく、片耳だけ強く掻くなら、耳の病気が第一候補です。けれど両者が重なることもあるので、決めつけは禁物です。</p>
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<table class="symptom-table">
<thead>
<tr><th>観察点</th><th>てんかん寄り</th><th>耳トラブル寄り</th></tr>
</thead>
<tbody>
<tr><td>反応</td><td>呼びかけに反応しにくい、視線が泳ぐ<sup>[1][3]</sup></td><td>名前を呼ぶと振り向くことが多い</td></tr>
<tr><td>動き方</td><td>急に始まり、同じ動きが短く反復する<sup>[1]</sup></td><td>掻く、頭をこする、触られると嫌がる<sup>[4][5]</sup></td></tr>
<tr><td>いっしょに出る症状</td><td>よだれ、顔のぴくつき、発作後のぼんやり<sup>[1][3]</sup></td><td>耳の赤み、におい、耳垢、片側の痛み<sup>[4]</sup></td></tr>
<tr><td>緊急度</td><td>5分超、連発、倒れるなら救急<sup>[3]</sup></td><td>強い痛みや傾きがあれば当日受診<sup>[5]</sup></td></tr>
</tbody>
</table>

<h2>受診の目安は「動画が撮れるか」ではなく「今の危険度」です</h2>
<p>まず守りたいのは安全です。発作が疑われる間は、口の中に手を入れない、階段や家具の角から離す、時間を測る。この三つを優先してください<sup>[3]</sup>。耳の問題が濃そうでも、綿棒や刺激の強い洗浄液は避けた方が無難です<sup>[4]</sup>。動画は撮れれば有用ですが、撮れなかったから手遅れという話ではありません。</p>
<p>受診時に役立つのは、1. いつ始まったか、2. 左右どちらに振ったか、3. 呼んだとき反応したか、4. 直後に歩けたか、の四点です。IVETF の診断提案でも、発作の記述と動画記録、年齢、神経学的異常の有無が見極めの土台になります<sup>[2]</sup>。初発が1歳未満や7歳超なら、構造的な脳疾患や代謝性の問題も視野に入るため、先延ばしは勧めません<sup>[2]</sup>。</p>

<h2>ふだんの備えで「耳」も「発作」も見逃しにくくなります</h2>
<p>週に一度、耳の温度差、におい、耳垢の色を軽く見る。異変がある日はスマートフォンで短い動画を残す。家の床が滑りやすいならマットを敷く。こうした地味な準備が、診察室での判断速度を大きく変えます。愛犬が頭を振った瞬間、「てんかんかも」と慌てるのは自然です。でも、耳か、神経か、両方か。そこを落ち着いて切り分けられる飼い主さんは強いのです。</p>

<h2>よくある質問</h2>
<details><summary>Q. 犬が頭を振るだけでも、てんかんの可能性はありますか？</summary><p>A. ありますが、それだけでは判断できません。意識の変化、よだれ、顔のぴくつき、発作後のぼんやりが伴うかどうかを一緒に見てください。</p></details>
<details><summary>Q. 発作かどうか迷うとき、まず何をすればいいですか？</summary><p>A. 周囲の危険物をどけ、時間を測り、呼びかけへの反応を確認します。余裕があれば動画を撮ってください。5分を超える、または連続するなら救急です。</p></details>
<details><summary>Q. 耳掃除をしたら頭振りが増えました。様子見でいいですか？</summary><p>A. 刺激で悪化している可能性があります。赤みや痛みがある耳へ綿棒を入れるのは避け、早めに診てもらう方が安全です。</p></details>
<details><summary>Q. 若い犬なら、てんかんを疑いやすいですか？</summary><p>A. 1〜5歳で初発なら特発性てんかんが候補に入りやすい一方、1歳未満や7歳超では別の原因も考えます。年齢だけで決めず、全身状態と神経学的所見で判断します。</p></details>
<details><summary>Q. 頭を振った後にけろっとしていても受診した方がいいですか？</summary><p>A. 初めての症状なら一度は相談を勧めます。とくに同じ動きが繰り返す、動画で違和感が残る、耳の赤みや痛みがある場合は受診してください。</p></details>

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<h2>飼い主の声</h2>
<blockquote>「耳のかゆみだと思っていたら、動画を見た先生に『これは発作の始まり方に似ています』と言われました。撮っておいた20秒が決め手でした」（兵庫県・40代）</blockquote>
<blockquote>「逆に、てんかんだと怖がっていたら外耳炎でした。自己判断で掃除を続けなくて本当によかったです。頭振りの見方が変わりました」（神奈川県・50代）</blockquote>
</div>

<h2>まとめ</h2>
<p>犬が頭を振ると、耳の不調でも、発作でも、飼い主さんの心は一気にざわつきます。だからこそ、反応があるか、耳の痛みがあるか、動きが短く反復するか、この三本柱で見てください。危険サインがあれば、その日のうちに受診へ。動画と短いメモがあれば、診断はずっと前に進みます。迷った瞬間こそ、落ち着いた観察が愛犬を守る近道になります。</p>

<small class="disclaimer" style="display:block;margin-top:40px;padding:20px;background:#f5f5f5;border-radius:5px;font-size:12px;color:#666;line-height:1.6;">
  本記事はイヌラバ博士が監修した一般情報であり、個別の診断や治療に替わるものではありません。<br>
  愛犬に異常が見られた場合は、必ず獣医師へご相談ください。<br>
  当サイトおよび執筆者は、本記事の情報利用によって生じたいかなる損害についても一切の責任を負いかねます。
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## 参考文献

- [International veterinary epilepsy task force consensus report on epilepsy definition, classification and terminology in companion animals](https://link.springer.com/article/10.1186/s12917-015-0461-2)（Springer Nature）
- [International veterinary epilepsy task force consensus proposal: diagnostic approach to epilepsy in dogs](https://link.springer.com/article/10.1186/s12917-015-0462-1)（Springer Nature）
- [Managing seizures | Cornell University College of Veterinary Medicine](https://www.vet.cornell.edu/departments-centers-and-institutes/riney-canine-health-center/canine-health-topics/managing-seizures)（Cornell University College of Veterinary Medicine）
- [Ear Infections and Otitis Externa in Dogs | MSD Veterinary Manual](https://www.msdvetmanual.com/dog-owners/ear-disorders-of-dogs/ear-infections-and-otitis-externa-in-dogs)（MSD Veterinary Manual）
- [Otitis Media and Interna (Middle and Inner Ear Infections) in Dogs | Merck Veterinary Manual](https://www.merckvetmanual.com/dog-owners/ear-disorders-of-dogs/otitis-media-and-interna-middle-and-inner-ear-infections-in-dogs)（Merck Veterinary Manual）

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本記事は一般的な情報提供であり、獣医師による診断・医療行為に代わるものではありません。急な悪化や強い異常がある場合は動物病院へ相談してください。
