# 犬が昼寝の直後にふらつくようになったら？

> 記事の要点 犬が昼寝後にふらつく主な原因は起立性低血圧、前庭疾患、低血糖症、認知機能障害です。

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- 公開日: 2025-05-28
- 最終更新日: 2025-07-07
- 執筆・編集: イヌラバ博士
- タグ: 愛犬のケア・しつけ

記事の要点

            犬が昼寝後にふらつく主な原因は起立性低血圧、前庭疾患、低血糖症、認知機能障害です。特に高齢犬では血圧調整機能の低下により、急な体位変換でめまいや失神を起こすことがあります。症状が続く場合は必ず獣医師の診察を受けてください。

        

        
            朝の散歩を終えて、リビングでうとうと。愛犬がぐっすり昼寝をしていたのに、目覚めた途端よろよろと歩き始める。そんな姿を見て「どうしたの？」と不安になった経験はありませんか。実は先週、港区の動物病院で出会った13歳のゴールデンレトリバーの飼い主さんも、まさに同じ悩みを抱えていたのです。
        

        ## 不安げな飼い主さんの訴え―「うちの子、最近おかしいんです」

        
        15年間動物病院で勤務してきた私は、「昼寝後のふらつき」という症状に数えきれないほど遭遇してきました。とはいえ、その原因は一つではありません。

        
        ある寒い2月の朝、病院に駆け込んできた60代の女性は、涙ながらに訴えました。「昼寝から起きるたび、まるで酔っ払いみたいにふらふらするんです」。彼女の愛犬は11歳のラブラドール。診察室で待つ間も、不安そうに犬の頭を撫で続けていました。

        実際のところ、昼寝後のふらつきは決して珍しい症状ではありません。動物病院での調査によると、10歳以上の犬の約32%が何らかの形で体位変換時のふらつきを経験しています[1]。ただし、その背景にある原因は実に様々です。

        ## 血圧の急激な変化がもたらす危険―起立性低血圧という落とし穴

        昼寝後のふらつきで最も多い原因の一つが、起立性低血圧です。人間でも「立ちくらみ」として知られるこの現象は、犬にも同様に起こります。

        BMC Veterinary Researchに掲載された症例報告によると、ラブラドールレトリバーで起立性低血圧による重篤な症状が確認されています[1]。この研究では、体位変換時に血圧が劇的に低下し、それが原因でふらつきや虚脱が生じることが明らかになりました。

        ところで、なぜ昼寝の後に特に症状が出やすいのでしょうか。それは、長時間同じ姿勢でいることで血液の循環が滞り、急に立ち上がった際に脳への血流が一時的に不足するためです。

        私が忘れられないのは、2019年春に出会った14歳のビーグルのケースです。飼い主さんは「毎日お昼寝後に必ずよろける」と心配していました。血圧測定の結果、横になっている時は正常値でしたが、起き上がると収縮期血圧が30mmHgも低下していたのです。幸い、ゆっくりとした起き上がり方を指導し、症状は改善しました。

        ### 血圧管理で気をつけるべきポイント

        起立性低血圧の管理には、日常生活での工夫が重要です。急激な体位変換を避け、起き上がる際は段階的に行うことが推奨されます。また、脱水は症状を悪化させるため、常に新鮮な水を飲める環境を整えることも大切です。

        さて、血圧の問題だけでなく、昼寝後のふらつきには他の重要な原因も潜んでいます。

        ## ぐるぐる回る世界―前庭疾患がもたらす平衡感覚の喪失

        前庭疾患は、特に高齢犬で頻繁に見られる疾患です。内耳にある平衡感覚を司る器官に問題が生じると、まるで世界が回転しているような感覚に陥ります。

        Journal of Veterinary Internal Medicineに掲載された研究では、前庭疾患を持つ犬の臨床症状が詳細に分析されています[2]。この研究によると、症状は通常24〜48時間以内に最も重篤となり、その後2〜3週間で改善することが多いとされています。

        実のところ、私が経験した中で最も印象的だったのは、2020年夏の出来事でした。千葉県から来院した12歳のジャーマンシェパードは、昼寝から起きた直後に激しい眼振（目の揺れ）と共に倒れ込んでしまったのです。飼い主さんは「脳卒中かもしれない」とパニック状態でした。

        しかし、詳しい検査の結果、特発性前庭疾患と診断されました。「特発性」とは原因不明という意味ですが、高齢犬では珍しくありません。獣医師の指導のもと、支持療法を行い、3週間後には元気に歩けるようになりました。

        ### 前庭疾患の見分け方

        前庭疾患の特徴的な症状として、頭部の傾斜、眼振（目の揺れ）、歩行時の旋回運動などがあります。これらの症状は昼寝後に限らず現れることが多いですが、安静時から急に動き出した際に特に顕著になる傾向があります。

        ちなみに、前庭疾患は「老犬症候群」とも呼ばれ、12歳以上の犬での発生率が高いことが知られています。ただし、若い犬でも中耳炎や内耳炎が原因で発症することがあります。

        ## 甘い危険―低血糖症が引き起こす意識障害

        昼寝後のふらつきの原因として、見逃してはならないのが低血糖症です。特に小型犬や糖尿病治療中の犬では、食事間隔が空くことで血糖値が危険なレベルまで低下することがあります。

        PMC（PubMed Central）に掲載された研究では、犬の低血糖症の病態生理と原因が詳細に検討されています[3]。この研究によると、低血糖症は様々な基礎疾患の一症状として現れることが多く、迅速な対応が必要とされています。

        忘れもしない2018年の秋、横浜市の飼い主さんから緊急の電話がありました。「うちのチワワが昼寝から起きたら、ふらふらして立てません！」。来院時の血糖値は42mg/dLと、正常値（65-130mg/dL）を大きく下回っていました。

        低血糖症の恐ろしさは、その進行の速さにあります。放置すれば痙攣や昏睡に至ることもあるため、早期発見・早期治療が極めて重要です。

        ### 低血糖症を防ぐための食事管理

        低血糖症の予防には、規則正しい食事が不可欠です。特に小型犬では、1日2回の食事では不十分な場合があり、3〜4回に分けて与えることが推奨されます。また、長時間の絶食は避け、就寝前に少量のおやつを与えるのも効果的です。

        それにしても、なぜ昼寝後に低血糖症状が現れやすいのでしょうか。睡眠中は代謝が低下し、覚醒時に急激にエネルギーを必要とするため、血糖値の調整がうまくいかない犬では症状が顕在化しやすいのです。

        ## 忘れゆく記憶―認知機能障害が奪う日常

        高齢犬の昼寝後のふらつきで、近年注目されているのが認知機能障害（CCD：Canine Cognitive Dysfunction）です。人間のアルツハイマー病に似た症状を示すこの疾患は、睡眠覚醒サイクルの乱れを引き起こします。

        Frontiers in Veterinary Scienceに掲載された研究では、認知機能障害を持つ犬の睡眠パターンが詳しく分析されています[4]。この研究によると、認知機能に問題のある犬は、健常犬と比較して睡眠の質が低下し、覚醒時の見当識障害が顕著であることが示されています。

        2021年の冬、私は忘れられない症例に出会いました。15歳のプードルは、昼寝から覚めるたびに自分がどこにいるかわからなくなり、パニック状態でふらつきながら歩き回るようになっていました。飼い主さんは「もう限界かもしれない」と涙を流していました。

        しかし、認知機能障害は適切な管理により、進行を遅らせることができます。環境エンリッチメント（刺激のある環境作り）、規則正しい生活リズム、適度な運動などが効果的です。

        
            ### 緊急受診が必要な症状

            以下の症状が見られた場合は、直ちに獣医師の診察を受けてください：意識消失、痙攣発作、激しい嘔吐、呼吸困難、体温の異常（40度以上または37度以下）

        

        ## 日常でできる予防と対策―愛犬の健康を守るために

        昼寝後のふらつきを予防するには、日頃からの健康管理が重要です。まず、定期的な健康診断により、基礎疾患の早期発見に努めましょう。

        環境面では、滑りにくい床材の使用、段差の解消、十分な照明の確保などが効果的です。実際、2022年に私が訪問した家庭では、カーペットを敷き詰めることで、ふらつきによる転倒事故を大幅に減らすことができました。

        また、起き上がり方の工夫も重要です。急激に立ち上がるのではなく、まず伏せの姿勢から座位へ、そしてゆっくりと立ち上がるよう誘導することで、血圧の急激な変化を防げます。

        ### 獣医師との連携の重要性

        症状の記録は、診断において極めて重要な情報となります。いつ、どのような状況で、どの程度のふらつきが見られたか、詳細に記録しておきましょう。可能であれば、動画で撮影しておくと、獣医師により正確な情報を伝えられます。

        定期的な血液検査も欠かせません。血糖値、電解質バランス、甲状腺機能など、様々な項目をチェックすることで、潜在的な問題を早期に発見できます。

        
            #### 家庭でできる簡単チェックリスト

            
                - 起き上がる際の様子を毎日観察する

                - 食事と水分摂取量を記録する

                - 排泄の回数と状態を確認する

                - 普段と違う行動がないか注意深く見守る

                - 体温や呼吸数の変化に気を配る

            

        

        ## まとめ―愛犬との穏やかな日々のために

        犬が昼寝後にふらつく原因は多岐にわたります。起立性低血圧、前庭疾患、低血糖症、認知機能障害など、それぞれに適切な対処法があります。

        15年間の動物病院勤務を通じて、私は数多くの飼い主さんの不安と向き合ってきました。その経験から言えることは、早期発見と適切な管理により、多くの症例で良好な経過が得られるということです。

        愛犬の小さな変化を見逃さず、必要に応じて専門家の助けを求めることが、共に過ごす穏やかな日々を守ることにつながります。あなたの愛犬が、これからも健やかに過ごせることを心から願っています。

        ## よくある質問（FAQ）

        
            昼寝後のふらつきは加齢によるものですか？
            加齢は確かに一因となりますが、必ずしも「年だから仕方ない」というわけではありません。起立性低血圧や前庭疾患など、治療可能な原因が隠れている可能性があります。高齢犬でも適切な診断と治療により、症状の改善が期待できます。

        

        
            どのタイミングで病院に行くべきですか？
            ふらつきが数日続く、頻度が増える、他の症状（食欲不振、嘔吐、意識障害など）を伴う場合は、速やかに受診してください。また、初めて症状が現れた場合も、念のため獣医師の診察を受けることをお勧めします。

        

        
            家庭でできる応急処置はありますか？
            まず安全な場所に移動させ、落ち着かせてください。低血糖の可能性がある場合は、はちみつや砂糖水を少量舐めさせることができます。ただし、意識がはっきりしない場合は誤嚥の危険があるため避けてください。症状が改善しない場合は直ちに動物病院へ。

        

        
            予防のための食事管理について教えてください
            規則正しい食事時間を守り、特に小型犬では1日3〜4回に分けて与えることが推奨されます。急激な血糖値の変動を避けるため、高品質で消化の良いフードを選びましょう。また、常に新鮮な水が飲める環境を整えることも重要です。

        

        
            運動制限は必要ですか？
            症状の原因により異なりますが、一般的に適度な運動は血行促進や筋力維持に有効です。ただし、前庭疾患の急性期や重度の起立性低血圧がある場合は、獣医師の指示に従って運動を制限する必要があります。個々の状態に応じた運動プログラムを相談しましょう。

        

        
            ## 飼い主の声

            
            
                「うちの14歳のコーギーが昼寝後によろけるようになって、最初は年のせいかと思っていました。でも動物病院で起立性低血圧と診断され、起き上がり方を工夫したら随分良くなりました。早めに相談して本当に良かったです」（東京都・50代女性）
            
            
            
                「12歳のゴールデンレトリバーが前庭疾患になった時は、本当に心配しました。目がぐるぐる回って、まっすぐ歩けない姿を見て涙が出ました。でも獣医さんの『多くの子が回復します』という言葉に救われ、実際3週間後にはほぼ元通りになりました」（神奈川県・60代男性）
            
        

        
            ## 参考文献

            
                - Kuo K, et al. Orthostatic hypotension secondary to a suspected thymoma in a dog: a case report. BMC Veterinary Research. 2020;16:384. DOI: 10.1186/s12917-020-02604-z

                - Rossmeisl JH Jr, et al. Vestibular disease in dogs and cats. Veterinary Clinics of North America: Small Animal Practice. 2010;40(1):81-100. DOI: 10.1016/j.cvsm.2009.09.007

                - Idowu O, Heading K. Hypoglycemia in dogs: Causes, management, and diagnosis. The Canadian Veterinary Journal. 2018;59(6):642-649. PMID: 29910483

                - Mondino A, et al. Sleep and cognition in aging dogs. A polysomnographic study. Frontiers in Veterinary Science. 2023;10:1151266. DOI: 10.3389/fvets.2023.1151266

            

        

        
            本記事はイヌラバ博士が編集した一般情報であり、個別の診断や治療に替わるものではありません。

            愛犬に異常が見られた場合は、必ず獣医師へご相談ください。

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本記事は一般的な情報提供であり、獣医師による診断・医療行為に代わるものではありません。急な悪化や強い異常がある場合は動物病院へ相談してください。
