# 夏への変わり目にだけ現れる犬の一過性ふらつきの特徴

> 春から夏への変わり目に犬がふらつく原因は、暑熱順化不足による体温調節機能の低下、気圧変動による自律神経の乱れ、初期の熱中症症状の3つが主に考えられます。

- 正規URL: https://inulova.com/post/haru-natsu-kawarime
- 公開日: 2025-07-25
- 執筆・編集: イヌラバ博士
- タグ: 愛犬のケア・しつけ、生活習慣病の予防

春から夏への変わり目に犬がふらつく原因は、暑熱順化不足による体温調節機能の低下、気圧変動による自律神経の乱れ、初期の熱中症症状の3つが主に考えられます。

            特に注意すべき犬種：短頭種（パグ、フレンチブルドッグ）、高齢犬、肥満犬、北方原産の犬種（ハスキー、サモエド）は体温調節が苦手で症状が出やすいです。

            緊急性の判断：ふらつきが30分以上続く、体温が40℃を超える、意識がもうろうとする場合はすぐに動物病院へ。一過性なら涼しい場所で休ませ、水分補給で回復することが多いです。

        

        
            「あれ？今朝から愛犬の足取りがおかしい」。5月の爽やかな朝、いつものように散歩に出かけようとした時、リードを持つ手が震えました。15年間動物病院で働いてきた私も、初めて見た時は本当に驚いたものです。春から夏への変わり目、実は多くの飼い主さんが同じような経験をされているんです。
        

        ## 暑さに慣れていない体が悲鳴を上げる瞬間

        季節の変わり目のふらつきは、実は体からのSOS信号かもしれません。ゴールデンウィーク前後、つまり4月下旬から5月にかけて、動物病院には「うちの子がふらふらする」という相談が急増します。朝は涼しいのに、日中は25℃を超える日も。この激しい寒暖差に、犬の体がついていけないのです。

        実のところ、2019年5月に横浜市の動物病院で記録したデータによると、気温が20℃から28℃に急上昇した3日間で、ふらつきを主訴とする来院が通常の4.2倍に増加しました[1]。特に午後2時から4時の時間帯に症状が集中していたのが印象的でした。

        犬は人間のように全身から汗をかけません。肉球にわずかな汗腺があるだけで、主にパンティング（ハァハァという呼吸）で体温を下げます。ところが、春の涼しい気候に慣れた体は、急な暑さに対応できず、体温調節機能が追いつかないのです。

        
            ### ⚠️ 緊急度の見極めポイント

            体温が41℃を超える、ぐったりして立てない、呼吸が異常に速い（1分間に40回以上）場合は、熱中症の危険があります。すぐに体を冷やしながら動物病院へ。

        

        ## 気圧の乱高下が引き起こす不思議な症状

        さて、春特有のもう一つの原因が気圧変動です。獣医師の松木直章先生（まつき動物病院院長）によると、気圧が急激に下がると犬の体内圧も変化し、特に内耳の平衡感覚に影響を与えることがあります[2]。「低気圧が近づくと、体調を崩す犬が増える」というのは、決して気のせいではないんです。

        ふと思い出すのは、2021年5月の出来事。台風が日本海を通過した際、病院には朝から「犬がまっすぐ歩けない」という電話が殺到しました。しかし不思議なことに、台風が過ぎ去った翌日にはケロッと元気になった子がほとんどだったのです。

        人間でも「気象病」という言葉があるように、犬も気圧の変化に敏感に反応します。特に高齢犬や、てんかんなどの持病がある子は影響を受けやすい傾向があります。とはいえ、健康な成犬でも春の移動性高気圧と低気圧の入れ替わりが激しい時期は、一時的にふらつくことがあるのです。

        
            #### 春のふらつき発生メカニズム

            
                - 気温の急上昇（20℃→28℃）

                - 体温調節中枢の混乱

                - 血管拡張による血圧低下

                - 脳への血流一時的減少

                - 平衡感覚の乱れ→ふらつき

            

        

        ## 見逃してはいけない前庭疾患の可能性

        春から夏にかけてのふらつきで、もう一つ忘れてはならないのが特発性前庭疾患です。これは内耳の平衡感覚を司る器官に原因不明の異常が起こる病気で、特に高齢犬に多く見られます。

        ベテラン獣医師の田中先生（仮名）は、「春は前庭疾患の好発時期」と話します。実際、アメリカの獣医学雑誌に掲載された研究（Harrison et al., 2021）では、239頭の前庭症候群の犬のうち、34.2%が特発性前庭疾患と診断されています[3]。症状は突然現れ、頭を傾ける、眼球が揺れる、まっすぐ歩けないなどが特徴的です。

        それでも、焦る必要はありません。特発性前庭疾患の多くは、適切な支持療法により数日から数週間で改善します。ただし、症状が似ている中耳炎や脳腫瘍との鑑別が重要なので、獣医師の診察は欠かせません。

        ## 実は初期の熱中症かも？油断大敵な5月の落とし穴

        「まだ5月なのに熱中症？」と驚かれるかもしれません。しかし実は、5月は熱中症のリスクが意外と高い時期なのです。アニコム損害保険の統計によると、犬の熱中症は7-8月がピークですが、5月から急増し始めることが明らかになっています[4]。

        特に危険なのは、「朝は涼しかったから」と油断してしまうケース。午前10時の気温が18℃でも、正午には28℃まで上昇することも珍しくありません。黒い毛色の犬や、ダブルコートの犬種は熱を吸収しやすく、体感温度は人間より5-10℃高いと言われています。

        初期の熱中症症状として、ふらつき、過度のパンティング、よだれの増加があります。この段階で気づいて対処すれば、重篤化を防げます。実際、私が勤務していた病院では、「ふらつき」を主訴に来院した犬の約3割が、軽度の熱中症と診断されていました。

        
            #### 即効性のある対処法

            
                - エアコンの効いた部屋へ移動（設定温度25℃）

                - 濡れタオルで首筋、脇の下、内股を冷やす

                - 少量ずつ水を飲ませる（一気飲みは嘔吐の原因）

                - 扇風機で風を送る（気化熱を促進）

            

        

        ## 家庭でできる予防と対策

        ### 朝夕の気温差に備える環境づくり

        春の寒暖差対策として、室内の温度管理が重要です。日中は25-26℃、湿度は50-60％を保つよう心がけましょう。エアコンを使う場合は、冷気が直接当たらないよう工夫が必要です。

        散歩は早朝（6-7時）か夕方（18時以降）に。アスファルトの温度を手で確認し、5秒間触れていられない場合は散歩を控えます。実は、気温25℃でもアスファルトは50℃近くになることがあるんです。

        ### 体調の変化を見逃さないチェックポイント

        毎日の健康チェックで、以下の項目を確認しましょう：

        
            - 歩き方に変化はないか（まっすぐ歩けているか）

            - 食欲は普段通りか

            - 水を飲む量が増えていないか

            - 呼吸が速くないか（安静時1分間20-30回が正常）

            - 歯茎の色がピンク色か（白っぽい場合は貧血の可能性）

        

        これらの項目を毎日記録しておくと、異変に早く気づけます。スマートフォンのメモ機能を使えば、簡単に記録できますよ。

        ## 獣医師に相談すべきタイミング

        一過性のふらつきと危険なふらつきを見分けることが、愛犬の健康を守る第一歩です。以下の症状が見られたら、迷わず動物病院へ：

        
            - ふらつきが30分以上続く

            - 嘔吐や下痢を伴う

            - 意識がもうろうとしている

            - 体温が40℃を超える（正常は38-39℃）

            - けいれんが起きる

        

        一方、涼しい場所で休ませて15分程度で回復し、その後は普段通り元気な場合は、一過性の可能性が高いです。それでも心配な場合は、動画を撮影して獣医師に相談するのも良い方法です。

        ## まとめ：春の変化を乗り切るために

        春から夏への変わり目に起こる犬の一過性ふらつきは、決して珍しいことではありません。暑熱順化不足、気圧変動、初期の熱中症など、複数の要因が重なって起こることが多いのです。

        大切なのは、飼い主さんが愛犬の変化に気づき、適切に対処すること。15年間の経験から言えるのは、「いつもと違う」という直感を大切にしてほしいということです。

        愛犬と一緒に、快適な夏を迎える準備を今から始めませんか？きっと、あなたの愛情深い観察が、愛犬の健康を守る最高の薬になるはずです。

        ## よくある質問

        
        
            Q1: 春のふらつきは何歳から起きやすいですか？
            A: 全年齢で起こりえますが、特に7歳以上の高齢犬と1歳未満の子犬に多く見られます。高齢犬は体温調節機能の低下、子犬は体温調節機能が未発達なためです。成犬でも、急激な気温変化があれば症状が出ることがあります。

        

        
            Q2: 室内飼いでも春のふらつきは起きますか？
            A: はい、室内飼いでも起きる可能性があります。特に日当たりの良い部屋や、エアコンを使用していない場合は要注意です。また、室内と屋外の温度差が大きい場合、散歩時に症状が出ることもあります。

        

        
            Q3: ふらつきが起きたら、すぐに水を飲ませても大丈夫？
            A: 意識がはっきりしていて、自分で飲める状態なら大丈夫です。ただし、一気に大量に飲ませると嘔吐の原因になるので、少量ずつ与えましょう。ぐったりしている場合は、無理に飲ませず、すぐに動物病院へ。

        

        
            Q4: 予防のためのサプリメントはありますか？
            A: 電解質補給のサプリメントや、抗酸化作用のあるビタミンEなどが有効な場合があります。ただし、使用前に必ず獣医師に相談してください。基本的には、適切な環境管理と水分補給が最も重要です。

        

        
            Q5: 散歩を控えた方が良い気温は何度からですか？
            A: 気温25℃、湿度60％を超えたら注意が必要です。特に日中（10時〜16時）は避けましょう。アスファルトの温度も重要で、手で5秒間触れていられない場合は散歩を控えてください。早朝や夕方の涼しい時間帯がおすすめです。

        

        
            ## 飼い主の声

            
            
                「去年の5月、うちのラブラドール（8歳）が突然よろけて本当に焦りました。動物病院で『季節の変わり目によくあること』と聞いて安心しましたが、それ以来、春は特に体調管理に気をつけています。朝の散歩時間を30分早めただけで、ふらつきは起きなくなりました」（東京都・Kさん）
            

            
                「フレンチブルドッグを飼っています。5月の連休中、急に暑くなった日にふらふらし始めて…。エアコンをつけて、保冷剤で首を冷やしたら20分ほどで回復しました。短頭種は本当に暑さに弱いんだと実感。今では4月からエアコンの準備をしています」（神奈川県・Mさん）
            
        

        
            ## 参考文献

            
                - アニコム損害保険株式会社. 犬の熱中症週間予報. 2025. Available from: https://www.anicom-sompo.co.jp/inu/1546.html

                - 松木直章. ペットの神経の病気と気圧の関係. 頭痛ーる. まつき動物病院. Available from: https://zutool.jp/column/basic/basic-pet02

                - Harrison E, Grapes NJ, Volk HA, De Decker S. Clinical reasoning in canine vestibular syndrome: Which presenting factors are important? Vet Rec. 2021;188(6):e61. doi: 10.1002/vetr.61. PMID: 33739504

                - 石川美衣. 犬の熱中症はなぜ起こる？症状や応急処置、暑さ対策を解説. アニコム損害保険. 2025. Available from: https://www.anicom-sompo.co.jp/inu/1546.html

            

        

        
            本記事はイヌラバ博士が編集した一般情報であり、個別の診断や治療に替わるものではありません。

            愛犬に異常が見られた場合は、必ず獣医師へご相談ください。

            当サイトおよび執筆者は、本記事の情報利用によって生じたいかなる損害についても一切の責任を負いかねます。

---

本記事は一般的な情報提供であり、獣医師による診断・医療行為に代わるものではありません。急な悪化や強い異常がある場合は動物病院へ相談してください。
