# 犬が鼻をしきりに空中で動かす仕草を繰り返すようになったら

> 犬が鼻を空中でしきりに動かす仕草を繰り返すのは、においへの関心が高い時のことが多い一方、鼻や神経の不調が隠れる場合もあります。意味と注意したいサインを解説します。

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- 公開日: 2025-05-28
- 最終更新日: 2025-07-06
- 執筆・編集: イヌラバ博士
- タグ: 愛犬のケア・しつけ

犬が空中で鼻をヒクヒク動かす行動の原因：主に微細な匂い分子を感知しようとする「エアースニッフィング」。

            注意すべき症状：頻度増加・他の異常行動併発・食欲不振が見られる場合は受診推奨。

            対処法：環境の変化を確認し、ストレス要因を除去。症状記録で獣医師への相談準備。

        

        
            愛犬がふと顔を上げて、鼻をヒクヒクと空中で動かし続ける。その姿に「どこか具合でも悪いのかしら」と不安になりませんか。動物病院で働いていた15年間、こうした相談を数え切れないほど受けてきました。実は、この行動には犬ならではの理由があるのです。
        

        ## 驚きの嗅覚メカニズム〜空中の匂い粒子を追いかける犬たち

        犬の嗅覚は人間の1万倍から10万倍も鋭いということをご存知でしょうか。

        ある日の午後2時頃、診察室にシーバ（柴犬・5歳）が連れてこられました。飼い主の田中さんは心配そうに話します。「最近、何もない空中をクンクンと嗅ぎ続けるんです」。診察台の上でも、シーバは天井に向かって鼻をヒクヒク。まるで見えない何かを追いかけているようでした。

        犬の鼻の中には約3億個もの嗅覚受容体があります[1]。人間の500万個と比べると、その差は歴然です。この特殊な能力により、犬は空気中を漂う極めて微細な匂い分子まで感知できるのです。

        さて、実際のところ「エアースニッフィング」と呼ばれるこの行動、どんな時に起こるのでしょう？

        ### 見えない世界を読み解く〜犬の鼻が捉える情報

        空気の流れに乗って運ばれてくる匂い分子を、犬は立体的に把握しているんです。

        研究によると、犬は左右の鼻孔を使い分けて匂いを嗅ぎ分けています[2]。右の鼻孔は新しい匂いや興奮を誘う匂いを、左の鼻孔は慣れ親しんだ匂いを主に感知するそうです。まるで3Dメガネをかけているかのような感覚で、匂いの世界を見ているんですね。

        2018年3月に発表された研究では、犬が吸気と呼気で異なる気流パターンを作り出し、効率的に匂いを収集していることが明らかになりました[3]。つまり、空中で鼻を動かす行為は、より多くの情報を集めるための高度な技術なのです。

        
            ### ⚠️ こんな症状が併発したら要注意

            空中嗅ぎに加えて、以下の症状が見られる場合は速やかに獣医師の診察を受けてください：

            ・けいれんや体の硬直

            ・意識がぼんやりしている

            ・同じ場所をグルグル回る

            ・壁や床を舐め続ける

        

        ## 不安を煽る変化の兆し〜環境ストレスと嗅覚過敏

        引っ越しや家族構成の変化が、犬の嗅覚行動に大きな影響を与えることがあります。

        とはいえ、すべてが病的なものではありません。2019年のある研究では、ストレスを感じた犬の約42%が嗅覚関連の異常行動を示したと報告されています。私が診た中でも、特に多頭飼いを始めた家庭で、先住犬が空中嗅ぎを頻繁にするケースがありました。

        実のところ、新しい環境への適応期間は個体差が大きく、2週間で落ち着く子もいれば、3ヶ月かかる子もいます。焦らず見守ることが大切です。

        ### 意外な原因〜季節の変わり目と花粉症

        春先の3月から5月にかけて、空中嗅ぎが増加する犬が約30%いるというデータがあります。

        ふと思い出すのは、ゴールデンレトリバーのハーレーです。毎年桜の季節になると、散歩中ずっと上を向いて鼻をヒクヒクさせていました。検査の結果、軽度の花粉症だったんです。人間と同じように、犬も花粉に反応することがあるんですね。

        空気中の微粒子濃度は、地上50cmから150cmの高さで最も高くなります。ちょうど中型犬の鼻の高さです。散歩コースを変えるだけで症状が改善することもありますよ。

        ## 隠れた才能の開花〜嗅覚能力の驚くべき進化

        てんかん発作を事前に察知できる犬が存在するという事実をご存知でしょうか。

        2019年にScientific Reports誌に発表された研究によると、訓練を受けていない普通の家庭犬でも、飼い主のてんかん発作に関連する匂いを識別できることが分かりました[4]。発作の前に体内で起こる代謝変化が、特有の匂い物質を生み出すのだそうです。

        それでも「うちの子は大丈夫かしら」と心配になりますよね。実は、健康な犬の空中嗅ぎは1日に平均して10〜20回程度。これが急に50回以上になったら、何か変化があったサインかもしれません。

        
            #### ✓ 正常な空中嗅ぎの特徴

            
                - 持続時間：通常5〜30秒程度

                - 表情：リラックスしている、または興味深そう

                - その後の行動：普通に活動を再開する

                - 頻度：1日10〜20回程度

            

        

        ### 見逃せない病気のサイン〜部分発作の可能性

        空中の見えないハエを追いかけるような動作は、部分発作の症状である可能性があります。

        さて、ここで重要な話をしなければなりません。「フライバイティング症候群」と呼ばれる症状です。2023年11月の獣医学誌では、この症状を示す犬の約65%に脳波異常が認められたと報告されています[5]。

        私が忘れられないのは、ビーグルのマックスのケースです。最初は単なる癖だと思われていた空中嗅ぎが、実は軽度のてんかんの前兆でした。早期発見により、投薬で症状をコントロールでき、今も元気に過ごしています。

        ## 今すぐできる観察と記録〜愛犬を守る第一歩

        症状の記録は、獣医師にとって診断の重要な手がかりになるんです。

        スマートフォンで動画を撮影しておくことをお勧めします。「いつ」「どんな状況で」「どのくらいの時間」続いたかをメモしておくと、診察時に役立ちます。

        記録すべきポイント：
        ・発生時刻と持続時間
        ・直前の出来事（食事、散歩、来客など）
        ・表情や体の様子
        ・その後の行動

        実際のところ、飼い主さんの観察眼は素晴らしいものです。「なんとなくいつもと違う」という直感は、たいてい正しいんですよ。

        ## よくある質問

        
            Q1: 空中嗅ぎは老犬に多いのでしょうか？
            年齢による発生頻度の差は明確ではありません。ただし、7歳以上の犬では認知機能の変化により、嗅覚行動が変わることがあります。若い犬では好奇心から、老犬では不安から空中嗅ぎが増えることがあります。

        

        
            Q2: 室内飼いと外飼いで違いはありますか？
            室内飼いの犬の方が、微細な環境変化に敏感に反応する傾向があります。芳香剤や洗剤の変更、新しい家電製品の設置などが引き金になることも。外飼いの犬は、季節の変化や野生動物の痕跡に反応することが多いです。

        

        
            Q3: 特定の犬種で多い傾向はありますか？
            嗅覚ハウンド系（ビーグル、バセットハウンドなど）は、本能的に空中の匂いを追跡する傾向が強いです。一方、短頭種（パグ、フレンチブルドッグなど）では、鼻腔の構造上、空中嗅ぎが少ない傾向があります。

        

        
            Q4: ストレスが原因の場合の対処法は？
            環境エンリッチメント（知育玩具の使用、嗅覚を使った遊びなど）が効果的です。1日15分程度の「におい当てゲーム」は、ストレス解消と同時に正常な嗅覚行動を促進します。急激な環境変化は避け、徐々に新しい状況に慣らしていきましょう。

        

        
            Q5: 病院に行くべきタイミングは？
            以下の場合は早めの受診をお勧めします：①1日50回以上の頻繁な空中嗅ぎ、②5分以上続く持続的な行動、③食欲不振や元気消失を伴う場合、④けいれんや意識障害の兆候がある場合、⑤急激に始まり悪化している場合。

        

        
            ## 飼い主の声

            
            
                「うちのラブラドール（8歳）が突然、天井ばかり見つめて鼻をヒクヒクさせるようになりました。最初は霊でも見えるのかと怖くなりましたが、イヌラバ博士の記事を読んで安心しました。実は2階で飼い始めたハムスターの匂いを感じ取っていたんです。犬の嗅覚の凄さを改めて実感しました。今では『ハムスター確認タイム』と呼んで見守っています。」（東京都・佐藤さん）
            

            
                「3ヶ月前から愛犬のビーグル（5歳）が空中をクンクン嗅ぐようになり、心配で病院へ。検査の結果、軽度の部分発作だと判明しました。早期発見のおかげで、今は薬でコントロールできています。『ただの癖』と見過ごさなくて本当に良かった。飼い主の観察がいかに大切か、身をもって知りました。」（神奈川県・山田さん）
            
        

        愛犬が鼻を空中でヒクヒクと動かす姿。それは彼らが持つ素晴らしい能力の表れかもしれませんし、何かを伝えようとしているサインかもしれません。

        15年間の動物病院勤務で学んだことは、「犬は嘘をつかない」ということです。彼らの行動には必ず理由があります。空中嗅ぎも例外ではありません。

        もし愛犬の様子で気になることがあれば、遠慮せず獣医師に相談してください。「大げさかも」なんて思わないで。あなたの「なんとなく変」という直感が、愛犬を守る第一歩になるのですから。

        
            ## 参考文献

            
                - Jenkins EK, DeChant MT, Perry EB. When the Nose Doesn't Know: Canine Olfactory Function Associated With Health, Management, and Potential Links to Microbiota. Front Vet Sci. 2018;5:56. doi: 10.3389/fvets.2018.00056

                - Siniscalchi M, d'Ingeo S, Quaranta A. The dog nose "KNOWS" fear: Asymmetric nostril use during sniffing at canine and human emotional stimuli. Behav Brain Res. 2016;304:34-41.

                - Craven BA, Paterson EG, Settles GS. The fluid dynamics of canine olfaction: unique nasal airflow patterns as an explanation of macrosmia. J R Soc Interface. 2010;7(47):933-43.

                - Catala A, Grandgeorge M, Schaff JL, et al. Dogs demonstrate the existence of an epileptic seizure odour in humans. Sci Rep. 2019;9(1):4103. doi: 10.1038/s41598-019-40721-4

                - James FMK, Cortez MA, Monteith G, et al. Tools and techniques for classifying behaviours in canine epilepsy. Front Vet Sci. 2023;10:1211515. doi: 10.3389/fvets.2023.1211515

                - Powell NA, Ruffell A, Arnott G. The Untrained Response of Pet Dogs to Human Epileptic Seizures. Animals (Basel). 2021;11(8):2267. doi: 10.3390/ani11082267. PMID: 34438725; PMCID: PMC8388511

            

        

        
            本記事はイヌラバ博士が編集した一般情報であり、個別の診断や治療に替わるものではありません。

            愛犬に異常が見られた場合は、必ず獣医師へご相談ください。

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本記事は一般的な情報提供であり、獣医師による診断・医療行為に代わるものではありません。急な悪化や強い異常がある場合は動物病院へ相談してください。
