# 犬が夜中にうろうろする：認知症と生活リズムの整え方

> 犬が夜中にうろうろする主な原因は、認知機能不全症候群（犬の認知症）、関節痛、不安障害などが考えられます。

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- 公開日: 2025-11-29
- 執筆・編集: イヌラバ博士
- タグ: 愛犬のケア・しつけ、神経・筋肉系の病気

犬が夜中にうろうろする主な原因は、認知機能不全症候群（犬の認知症）、関節痛、不安障害などが考えられます。

            8歳以上の犬の14〜35%に認知機能の低下が見られ、年齢とともに発症率は急増します。

            対処法として、日中の運動量確保、規則正しい生活リズム、MCTオイルを含む食事療法、メラトニン補給、セレギリン投与などがあります。

        

        
            深夜2時、カチャカチャという爪音で目が覚める。リビングを見ると、愛犬がぼんやりと壁の前に立っている。声をかけても反応が薄く、ふらふらと部屋を歩き回っては立ち止まる。2017年、横浜市内の動物病院で勤務していた頃、私はこうした相談を週に何件も受けていました。「うちの子、おかしくなっちゃったのかな」と涙ぐむ飼い主さんの姿が今でも脳裏に焼きついています。
        

        
            ### ⚠️ すぐに受診が必要なケース

            夜間の徘徊に加えて、けいれん発作、激しい嘔吐、呼吸困難、意識混濁などの症状が見られる場合は、認知症以外の緊急疾患の可能性があります。躊躇せず夜間救急病院を受診してください。

        

        ## なぜシニア犬は夜に歩き回るのか

        
            実のところ、犬が夜中にうろうろする原因は一つではありません。2013年にコペンハーゲン大学の研究チームが発表した論文によると、認知機能不全症候群（CCD）を持つ犬に共通して見られた主要な症状は「日中に眠り夜間に落ち着かない」「飼い主との交流が減る」「家の中で方向感覚を失う」「不安が増す」の4つでした[1]。
        

        
            さて、ここで誤解されやすい点があります。「うちの子は昼間も元気がないから認知症ではない」という声を時々聞きますが、これは必ずしも正しくないのです。2019年にコーネル大学の研究者らが発表したレビューによれば、8歳以上の犬の14〜35%が認知機能不全の影響を受けているとされています[2]。
        

        
            2011年の秋、札幌市の動物病院に異動したばかりの頃、13歳のシェットランド・シープドッグを連れてきた飯田さん（仮名）のことを思い出します。夜間の徘徊を相談されたのですが、詳しく聞くと日中のぼんやりした様子も気になるとのこと。結果的に甲状腺機能低下症と認知症の合併だったのです。一つの症状から安易に原因を決めつけてはいけないという教訓でした。
        

        
            #### DISHAAチェックリスト（認知機能評価の指標）

            
                
                    項目
                    具体的な症状
                
                
                    Disorientation（方向感覚の喪失）
                    壁の前で立ち止まる、家具の角に挟まる、見慣れた場所で迷う
                
                
                    Interactions（社会的交流の変化）
                    飼い主への反応が薄い、他のペットへの関心低下
                
                
                    Sleep-wake cycle（睡眠覚醒リズムの乱れ）
                    夜間の徘徊・鳴き声、日中の過眠
                
                
                    House soiling（排泄の失敗）
                    トイレの場所を忘れる、室内での粗相
                
                
                    Activity（活動量の変化）
                    目的のない歩行、ぼんやりと一点を見つめる
                
                
                    Anxiety（不安の増加）
                    分離不安の悪化、物音への過剰反応
                
            
        

        ## 脳の中で何が起きているのか

        
            認知機能不全症候群は、人間のアルツハイマー病と多くの類似点を持っています。犬の脳内でもβアミロイドと呼ばれるタンパク質が蓄積し、神経細胞の機能を妨げるのです。コーネル大学獣医学部の情報によると、脳室の拡大や大脳皮質の萎縮といった構造的変化も確認されています[2]。
        

        
            とはいえ、「脳が老化しているから仕方ない」と諦める必要はありません。ここが重要なポイントですが、研究によれば認知症の一部の兆候は改善可能であり、人間のアルツハイマー病とは異なる側面もあるのです。2022年にアリゾナ大学などの研究チームがDog Aging Projectのデータを分析した結果、身体活動量が高い犬ほど認知機能の低下リスクが低いという関連性が示されました[3]。年齢や併存疾患を考慮した解析でも、この関連は維持されていたのです。
        

        
            2015年、名古屋市の病院で出会った14歳のコーギー・ミックス「ハナちゃん」の飼い主さんは、毎朝20分の散歩を欠かさず続けていました。夜間の徘徊で相談に来られたのですが、症状は比較的軽度。「散歩は無理をさせない程度に、でも毎日必ず」という習慣が、脳の健康維持に貢献していた可能性があります。
        

        ### 加齢に伴う脳のエネルギー代謝の変化

        
            高齢犬の脳では、ブドウ糖を効率よく利用する能力が低下することが知られています。脳細胞がエネルギー不足に陥ると、当然ながら正常な機能を維持できなくなります。ここで注目されているのがケトン体という代替エネルギー源です。
        

        
            2010年にネスレ・ピュリナの研究チームが発表した論文では、中鎖脂肪酸（MCT）を5.5%含む食事を与えた高齢ビーグル犬が、空間認識能力や注意力のテストで対照群より良好な成績を示しました[4]。MCTは肝臓で速やかにケトン体に変換され、ブドウ糖に代わる脳のエネルギー源となるのです。
        

        ## 生活リズムを整える具体的な方法

        
            ふと思い出すのは、2019年に福岡市で担当した11歳のトイプードル「モコちゃん」のケースです。飼い主の山田さん（仮名）は在宅勤務で生活が不規則になり、愛犬の食事時間も散歩の時間もバラバラ。夜中の徘徊が始まったのはその頃からでした。
        

        
            メラトニンは松果体から分泌されるホルモンで、哺乳類の概日リズム（体内時計）を調節する重要な役割を担っています。暗くなるとメラトニンの分泌が増え、身体に「そろそろ休む時間だよ」と伝えるわけです。AKC（アメリカンケネルクラブ）の専門家によると、認知機能不全を持つ犬にメラトニンを投与することで、夜間の落ち着きが改善する可能性があるとされています[5]。
        

        
            #### 🌙 睡眠リズム改善のための実践ポイント

            1. 起床・就寝時間を固定する：犬は習慣の生き物です。毎日同じ時間に起こし、同じ時間に寝かせることで体内時計が安定します。

            2. 日中の活動量を確保する：朝と夕方、無理のない範囲で散歩や遊びの時間を設けましょう。日光を浴びることも体内時計のリセットに役立ちます。

            3. 夜間の環境を整える：寝床の周囲を暗くし、テレビなどの刺激を減らします。夜中にトイレで起きても迷わないよう、足元に小さな常夜灯を設置する方法もあります。

            4. 夕食の時間を見直す：就寝直前の食事は避け、夕食は就寝の3〜4時間前に済ませるのが理想的です。

        

        ### メラトニンの使い方と注意点

        
            Sleep Foundationの情報によれば、睡眠障害を持つ犬へのメラトニン投与量は体重に応じて0.5〜5mgの範囲が一般的とされています[6]。それでも、必ず獣医師に相談してから使用を始めてください。人間用のメラトニンサプリメントには、犬に有害なキシリトールが含まれている製品があるためです。
        

        
            2020年12月、大阪市内の病院で働いていた時のこと。12歳のシバイヌ「コタロウくん」の飼い主さんが、ネットで見つけた人間用メラトニンを自己判断で与えていたケースがありました。幸い大事には至りませんでしたが、キシリトール入りの製品でなかったことが不幸中の幸いでした。善意からの行動でも、思わぬ危険を招くことがあるのです。
        

        ## 食事療法の科学的根拠

        
            認知症の犬に対する栄養学的アプローチは、近年ますます注目を集めています。前述のMCTオイルに加え、抗酸化物質やオメガ3脂肪酸を豊富に含む食事が脳の健康維持に寄与する可能性が研究で示されています。
        

        
            2021年に発表されたてんかん犬を対象とした研究では、MCTオイルを食事の9%のカロリー分として補給したグループで、空間的作業記憶や問題解決能力が有意に改善しました[7]。認知症とてんかんでは病態が異なりますが、脳のエネルギー代謝を改善するという点では共通のメカニズムが働いていると考えられます。
        

        
            ただし、MCTオイルを急に大量に与えると下痢を起こすことがあります。2018年、京都市の病院で相談を受けた飼い主さんは「良いと聞いたから」とMCTオイルを大さじ1杯いきなり与え、愛犬が軟便になってしまいました。何事も「少量から始めて様子を見る」が鉄則です。
        

        ## 薬物療法という選択肢

        
            セレギリン（商品名：アニプリル）は、犬の認知機能不全症候群に対してFDA（米国食品医薬品局）が承認した唯一の薬剤です。モノアミン酸化酵素B阻害薬に分類され、脳内のドーパミン濃度を高める作用があります。
        

        
            2009年に発表された臨床研究では、641頭の認知機能不全症候群を持つ犬にセレギリンを60日間投与したところ、77.2%の犬に全体的な改善が見られました[8]。方向感覚の回復や家族との交流の改善が67〜78%の犬で確認されたのです。
        

        
            とはいっても、セレギリンは万能薬ではありません。AAHAのガイドラインによれば、効果が現れるまでに4〜12週間かかることがあり、約70%の犬に有効とされています[9]。30%の犬には効果が見られないわけですから、期待しすぎず、かといって諦めず、という心構えが必要でしょう。
        

        
            一つ大切な注意点があります。セレギリンは他のMAO阻害薬、選択的セロトニン再取り込み阻害薬（SSRI）、三環系抗うつ薬などとの併用で「セロトニン症候群」という重篤な副作用を引き起こす可能性があります。愛犬が他の薬を服用している場合は、必ず獣医師に伝えてください。
        

        ## 環境調整でできること

        
            薬や食事療法だけでなく、日常生活の環境を整えることも重要な介入です。認知症の犬は変化に対応するのが苦手になります。家具の配置を頻繁に変えたり、大きな模様替えをしたりすると、混乱を深めてしまうことがあります。
        

        
            2016年の春、東京都内の病院で担当した15歳のダックスフント「チョコちゃん」の例が印象に残っています。引っ越し後に夜間の徘徊が急激に悪化したケースでした。慣れ親しんだ環境から見知らぬ場所への変化が、脳に大きな負担をかけたのでしょう。
        

        
            #### 認知症の犬のための環境整備チェックリスト

            ✓ 家具の配置はなるべく変えない

            ✓ 床に物を置かず、つまずきやすい障害物を除去する

            ✓ 階段や段差にはゲートを設置して落下を防ぐ

            ✓ トイレの場所を増やし、アクセスしやすくする

            ✓ 寝床は静かで暗い場所に、クッション性の高いベッドを用意する

            ✓ 夜間の安全のため、足元に弱い照明を設置する

            ✓ 水飲み場を複数箇所に設置し、脱水を防ぐ

        

        ## 早期発見が鍵を握る

        
            認知機能不全症候群は、早期に発見して介入を始めるほど効果的に管理できる可能性があります。AAHAの2023年シニアケアガイドラインでも、早期認識の重要性が強調されています[9]。
        

        
            問題は、多くの飼い主さんが初期症状を「年のせい」と見過ごしてしまうことです。シドニー大学の研究によると、認知症の有病率は14.2%と推定されているのに対し、獣医師によって診断を受けていた犬はわずか1.9%だったとのこと[10]。つまり、実際に認知症を抱えている犬の大多数が、適切な診断と治療を受けていない可能性があるのです。
        

        
            「最近、なんとなく反応が鈍くなった気がする」「夜中にたまに起きてくるようになった」。こうした微細な変化に気づいたら、それは愛犬からのサインかもしれません。8歳を過ぎたら、定期健診の際に認知機能についても獣医師に相談してみてください。
        

        ## よくある質問（FAQ）

        
            犬の認知症は何歳から発症しますか？
            8歳以上の高齢犬で発症リスクが高まり、11〜12歳で約28%、15〜16歳では約68%の犬に認知機能の低下が見られるという研究報告があります。ただし6〜7歳頃から軽度の兆候が出始めることもあるため、シニア期に入ったら注意深く観察することが大切です。

        

        
            夜中のうろうろは認知症以外の原因もありますか？
            はい、関節炎による痛み、甲状腺疾患、腎臓病、視力・聴力の低下、不安障害など、多くの疾患が夜間の落ち着きのなさを引き起こす可能性があります。獣医師による総合的な診察で他の疾患を除外することが重要です。

        

        
            メラトニンは犬に与えても安全ですか？
            獣医師の指導のもとで適切な用量を守れば、多くの犬にとって安全とされています。一般的な目安は体重1kgあたり0.1mg程度ですが、人間用のサプリメントにはキシリトールなど犬に有害な成分が含まれている場合があるため、必ず犬用製品を使用してください。

        

        
            セレギリン（アニプリル）はどのくらいで効果が出ますか？
            多くの場合、投与開始から約1ヶ月で改善の兆候が見られ始めますが、完全な効果を実感するまでには8〜12週間かかることがあります。研究では約77%の犬に症状改善が認められています。

        

        
            認知症の犬の寿命はどのくらいですか？
            認知機能不全症候群と診断されても、適切なケアを行えば天寿を全うできる可能性があります。ある研究では、認知症が生存期間に悪影響を及ぼさなかったと報告されています。早期発見と適切な治療介入、生活環境の調整が重要です。

        

        
            ## 飼い主の声

            
            
                「13歳のゴールデンレトリバーが夜中に何度も起きて家中を歩き回るようになりました。獣医さんに相談してMCTオイル入りのシニア用フードに切り替え、メラトニンも始めたところ、2週間ほどで夜通し眠れる日が増えてきました。完全に元通りとはいきませんが、私も愛犬もお互いに休めるようになって本当に助かっています。」（神奈川県・58歳女性・2024年9月）
            

            
                「うちの柴犬は10歳で認知症の初期と診断されました。最初は『まだ若いのに』とショックでしたが、セレギリンを処方してもらい、毎日の散歩を欠かさず続けた結果、半年経った今も症状は安定しています。獣医さんからは『早めに気づいて対処を始めたのが良かった』と言われました。諦めないことが大事だと実感しています。」（愛知県・45歳男性・2024年11月）
            
        

        
            ## 参考文献

            
                - Fast R, Schütt T, Toft N, Møller A, Berendt M. An observational study with long-term follow-up of canine cognitive dysfunction: clinical characteristics, survival, and risk factors. J Vet Intern Med. 2013;27(4):822-829. doi: 10.1111/jvim.12109 PMID: 23701137

                - Dewey CW, Davies ES, Xie H, Wakshlag JJ. Canine Cognitive Dysfunction: Pathophysiology, Diagnosis, and Treatment. Vet Clin North Am Small Anim Pract. 2019;49(3):477-499. doi: 10.1016/j.cvsm.2019.01.013 PMID: 30846383

                - Dog Aging Project Consortium. Associations between physical activity and cognitive dysfunction in older companion dogs: results from the Dog Aging Project. GeroScience. 2023;45(2):645-661. doi: 10.1007/s11357-022-00655-8 PMID: 36129565

                - Pan Y, Larson B, Araujo JA, et al. Dietary supplementation with medium-chain TAG has long-lasting cognition-enhancing effects in aged dogs. Br J Nutr. 2010;103(12):1746-1754. doi: 10.1017/S0007114510000097 PMID: 20141643

                - American Kennel Club. Melatonin for Dogs: Benefits, Dosage, and When to Use. AKC Expert Advice. 2025. https://www.akc.org/expert-advice/health/melatonin-for-dogs/

                - Sleep Foundation. Is Melatonin Safe For Dogs? 2025. https://www.sleepfoundation.org/animals-and-sleep/can-you-give-dogs-melatonin

                - Berk BA, Packer RMA, Law TH, et al. Medium-chain triglycerides dietary supplement improves cognitive abilities in canine epilepsy. Epilepsy Behav. 2021;114(Pt A):107608. doi: 10.1016/j.yebeh.2020.107608 PMID: 33268017

                - Landsberg G, Ruehl W. A noncomparative open-label study evaluating the effect of selegiline hydrochloride in a clinical setting. Vet Ther. 2009. PMID: 19753696

                - AAHA. Managing Cognitive Dysfunction and Behavioral Anxiety. 2023 AAHA Senior Care Guidelines for Dogs and Cats. 2023. https://www.aaha.org/resources/2023-aaha-senior-care-guidelines-for-dogs-and-cats/

                - Salvin HE, McGreevy PD, Sachdev PS, Valenzuela MJ. Under diagnosis of canine cognitive dysfunction: a cross-sectional survey of older companion dogs. Vet J. 2010;184(3):277-281. doi: 10.1016/j.tvjl.2009.11.007 PMID: 20005753

            

        

        
            愛犬が夜中に歩き回る姿を見るのは、飼い主として本当につらいものです。「何かしてあげられることはないか」と思い悩む気持ち、よくわかります。しかし、認知機能不全症候群は決して「お手上げ」の状態ではありません。
        

        
            適切な診断を受け、食事療法や環境調整、必要に応じて薬物療法を組み合わせることで、症状の進行を緩やかにしたり、生活の質を維持したりすることができます。大切なのは、早めに気づいて行動を起こすこと。そして、愛犬のペースに合わせて、焦らず付き合っていくことでしょう。
        

        
            15年間の動物病院勤務を通じて、私は多くのシニア犬とその飼い主さんに出会ってきました。時に悲しい別れもありましたが、最後まで穏やかに過ごせた子たちの姿を思い出すと、「できることはある」と確信します。今夜もどこかで、愛犬の寝息を聞きながら安堵している飼い主さんがいることを願っています。
        

        
            本記事はイヌラバ博士が編集した一般情報であり、個別の診断や治療に替わるものではありません。

            愛犬に異常が見られた場合は、必ず獣医師へご相談ください。

            当サイトおよび執筆者は、本記事の情報利用によって生じたいかなる損害についても一切の責任を負いかねます。

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本記事は一般的な情報提供であり、獣医師による診断・医療行為に代わるものではありません。急な悪化や強い異常がある場合は動物病院へ相談してください。
