# 愛犬が急に鳴かなくなった…声帯トラブル？

> 犬が急に鳴かなくなった時の緊急度チェック 急に鳴かなくなった場合、呼吸困難、食欲不振、ぐったりしている症状があれば即座に動物病院へ。

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- 公開日: 2025-07-30
- 最終更新日: 2026-06-09
- 執筆・編集: イヌラバ博士
- タグ: 元気がない、神経・筋肉系の病気

犬が急に鳴かなくなった時の緊急度チェック

            急に鳴かなくなった場合、呼吸困難、食欲不振、ぐったりしている症状があれば即座に動物病院へ。一方で、元気で食事も取れているなら、ストレスや軽度の声帯トラブルの可能性があります。

        

        
            いつも元気よく「ワンワン！」と鳴いていた愛犬が、ある日突然まったく鳴かなくなってしまった。そんな経験をされた飼い主さんも多いのではないでしょうか。実は、動物病院での15年間の経験の中で、この症状で来院される飼い主さんは想像以上に多いのです。
        

        ## 突然の沈黙に隠された真実

        犬が急に鳴かなくなる原因は、大きく分けて身体的な問題と心理的な問題の2つに分類されます。身体的な問題では、喉頭麻痺や声帯麻痺などの神経系トラブルが最も深刻です。一方、心理的な問題では、ストレス性の無言症や環境変化への適応困難が挙げられます。

        現場での経験から言うと、単純に「声が出ない」だけでなく、その背後には複雑な病態が隠れていることがあります。例えば、12歳のゴールデン・レトリーバーの「ハチ」ちゃんは、家族に迎えられた当初は元気よく鳴いていました。しかし、ある夏の日を境に急に鳴き声が聞こえなくなり、飼い主さんは「病気かしら？」と心配になって来院されました。

        実際に診察してみると、ハチちゃんは喉頭麻痺という病気を患っていました。この病気は、犬の喉頭麻痺の発症率は25%と報告されており1、特に大型犬で中高齢期に発症しやすい疾患です。

        
            ### 緊急受診が必要な症状

            以下の症状が見られる場合は、直ちに動物病院を受診してください：呼吸困難、チアノーゼ（舌や歯茎が青紫色）、意識障害、食事や水を拒否する、発熱、虚脱状態

        

        ## 声帯トラブルの深刻な真実

        ### 喉頭麻痺：中高齢犬に多発する神経系疾患

        喉頭麻痺は、披裂軟骨を動かす筋肉や反回神経の機能不全により、声門が正常に開閉できなくなる疾患です。この病気は、先天性と後天性に分類されます。先天性は1歳未満の若齢犬に発症し、シベリアンハスキー、ダルメシアン、ラブラドールで多く見られます。一方、後天性は中高齢犬（平均約9歳）に発症し、特にラブラドール・レトリーバーとゴールデン・レトリーバーで発症頻度が高い2ことが知られています。

        興味深いことに、最近の研究では後天性特発性喉頭麻痺が「高齢性喉頭麻痺多発神経障害症候群（GOLPP）」の一症状として認識されています。つまり、単なる声帯のトラブルではなく、全身の神経系に影響を与える進行性の疾患なのです。

        実際の症例で振り返ると、10歳のラブラドール・レトリーバーの「マロン」くんは、初期症状として運動時の息切れと軽い咳が見られました。飼い主さんは「年齢のせいかな」と思っていたそうですが、徐々に声がかすれ始め、最終的に全く鳴かなくなってしまいました。診断の結果、喉頭麻痺と診断され、手術治療を受けることになりました。

        
            #### 品種別発症リスク

            高リスク品種：ラブラドール・レトリーバー、ゴールデン・レトリーバー、セント・バーナード

            中リスク品種：アイリッシュ・セター、ニューファンドランド、ボルゾイ

            先天性リスク品種：シベリアンハスキー、ダルメシアン、ブル・テリア

        

        ### 変性性脊髄症による声の変化

        変性性脊髄症（DM）は、痛みを伴わない進行性の脊髄疾患で、進行すると声のかすれが現れることがあります。特にペンブローク・ウェルシュ・コーギーでは、症状が進行した段階で「PWCに特有の太い吠え声ではなくなり、かすれたような声になる」3と報告されています。

        この病気は、後肢の麻痺から始まり、前肢、首へと進行し、最終的には呼吸筋の麻痺により死に至る深刻な疾患です。声の変化は、病気の進行を示す重要なサインの一つなのです。

        ## ストレス性無言症の複雑なメカニズム

        犬がストレスを感じると、無言症と呼ばれる状態に陥ることがあります。これは、人間でいう「すねている状態」に近く、運動不足や承認欲求が満たされないことが原因でストレスが蓄積し、周囲への関心を失った結果として吠えなくなる現象です4。

        現場でよく見かけるケースとして、引っ越しや家族構成の変化、新しいペットの導入などの環境変化が挙げられます。5歳のトイプードルの「ココ」ちゃんは、飼い主さんが結婚して新しい家族が増えた際に、急に鳴かなくなりました。

        詳しく聞いてみると、以前は飼い主さんの独り占めだったのが、新しい家族にも注意を向けなければならなくなったことで、ココちゃんなりにストレスを感じていたようです。このようなケースでは、時間をかけて新しい環境に慣れさせることが重要です。

        ### カーミングシグナルとしての無言

        犬は不安や緊張を感じた時に、本能的にカーミングシグナルを発します。無言もその一つで、「争いを避けたい」「落ち着きたい」という気持ちの表れです。特に、厳しいしつけを受けた犬や、恐怖を感じる経験をした犬に多く見られます。

        実際の例として、保護犬として迎えられた8歳の雑種犬「タロウ」くんは、新しい家庭に迎えられてから2週間ほど全く鳴きませんでした。これは「ハネムーン期」と呼ばれる現象で、新しい環境に適応するために犬が見せる一時的な行動変化です。

        ## 的確な診断への道筋

        ### 動物病院での検査プロセス

        犬が急に鳴かなくなった場合の診断には、段階的なアプローチが必要です。まず、身体検査で全身状態を確認し、次に血液検査で甲状腺機能低下症や他の内分泌疾患を除外します。

        最も重要なのは、軽い鎮静下での喉頭鏡検査です。この検査により、喉頭の動きを直接観察し、麻痺の有無を確認できます。正常な犬では、呼吸に合わせて披裂軟骨と声帯ヒダが開閉しますが、麻痺がある場合は動きが見られません。

        また、胸部レントゲン検査も重要です。喉頭麻痺患者の10-20%で巨大食道症、7-15%で誤嚥性肺炎を併発する5ため、これらの合併症の有無を確認する必要があります。

        
            
                検査項目
                目的
                所要時間
            
            
                身体検査
                全身状態・呼吸状態の確認
                15-20分
            
            
                血液検査
                甲状腺機能・炎症反応の確認
                30-45分
            
            
                喉頭鏡検査
                喉頭の動きの直接観察
                20-30分
            
            
                胸部レントゲン
                肺炎・食道拡張の確認
                15-20分
            
        

        ### 鑑別診断の重要性

        声が出ない原因を正確に診断するためには、類似疾患との鑑別が重要です。例えば、気管虚脱や軟口蓋過長症なども呼吸困難を引き起こしますが、これらは喉頭麻痺とは異なる治療法が必要です。

        特に、重症筋無力症では「少し歩くとすぐに休んでしまい、休むとまた歩けるようになる」という特徴的な症状が見られます。この病気では、発声障害や呼吸困難も起こりうるため、注意深い観察が必要です。

        ## 治療選択肢と予後

        ### 外科的治療：タイバック手術

        中等度から重度の喉頭麻痺に対しては、片側披裂軟骨側方化術（タイバック手術）が第一選択となります。この手術は、麻痺した披裂軟骨を永久的に開いた状態に固定することで、気道を確保する治療法です。

        手術の成功率は非常に高く、多くの犬で劇的な呼吸状態の改善が期待できます。しかし、術後18%の犬で誤嚥性肺炎のリスクがある6ため、術後管理には十分な注意が必要です。

        11歳のラブラドール・レトリーバーの「ベル」ちゃんは、タイバック手術を受けた後、運動時の呼吸困難が大幅に改善しました。ただし、食事の際に時折むせるようになったため、食事の与え方を工夫する必要がありました。

        ### 内科的管理とケア

        軽度の症状や手術適応でない場合は、内科的管理が中心となります。環境温度の管理、運動制限、ストレス軽減などが重要です。特に、暑い時期には熱中症のリスクが高まるため、エアコンの使用や涼しい場所での休息が必要です。

        また、首輪の代わりにハーネスを使用することで、喉頭への圧迫を避けることができます。さらに、食事の際は誤嚥を防ぐため、頭を高くした状態で与えることが推奨されます。

        ## よくある質問

        
            犬が急に鳴かなくなるのは病気のサインですか？
            必ずしも病気とは限りませんが、特に中高齢の大型犬では喉頭麻痺の可能性があります。呼吸困難、食欲不振、元気消失などの症状が併発している場合は、早急に動物病院を受診してください。一方、元気で食事も取れている場合は、ストレスや環境変化が原因の可能性もあります。

        

        
            ストレスが原因で鳴かなくなることはありますか？
            はい、ストレスが原因で犬が無言症になることはよくあります。引っ越し、家族構成の変化、新しいペットの導入などの環境変化、運動不足、承認欲求の不満などが主な原因です。この場合、時間をかけて新しい環境に慣れさせることで改善することが多いです。

        

        
            喉頭麻痺は治療できますか？
            喉頭麻痺の根治的な内科治療は存在しませんが、手術による治療が可能です。片側披裂軟骨側方化術（タイバック手術）により、多くの犬で呼吸状態の劇的な改善が期待できます。ただし、術後に誤嚥性肺炎のリスクがあるため、適切な術後管理が必要です。

        

        
            どの犬種が喉頭麻痺になりやすいですか？
            ラブラドール・レトリーバー、ゴールデン・レトリーバー、セント・バーナードなどの大型犬で発症頻度が高いです。また、先天性の場合はシベリアンハスキー、ダルメシアン、ブル・テリアなどで見られます。中高齢期（平均9歳）での発症が多いのが特徴です。

        

        
            家庭でできる応急処置はありますか？
            呼吸困難がある場合は、涼しい場所で安静にし、首輪を外してハーネスに変更してください。興奮させないよう静かに対応し、水分補給を促しましょう。ただし、重篤な症状（チアノーゼ、意識障害など）がある場合は、直ちに動物病院を受診してください。

        

        
            ## 飼い主の声

            
                11歳のゴールデン・レトリーバーの「ハナ」が急に鳴かなくなり、散歩中に息切れするようになりました。最初は年齢のせいかと思っていましたが、動物病院で喉頭麻痺と診断されました。手術を受けてからは呼吸が楽になり、また元気に過ごしています。早期発見の大切さを実感しました。

                — 東京都 田中さん（58歳）
            
            
                保護犬として迎えた「タロウ」が2週間ほど全く鳴きませんでした。病気を心配して病院に連れて行きましたが、環境への適応期間だったようです。時間をかけて愛情を注いだ結果、3週間後には元気に鳴くようになりました。犬にも心の準備時間が必要だと学びました。

                — 神奈川県 佐藤さん（42歳）
            
        

        
            ## 参考文献

            
                - Broome, C., Burbidge, H.M. & Pfeiffer, D.U. (2000). Prevalence of laryngeal paresis in dogs undergoing general anaesthesia. Australian Veterinary Journal, 78(11), 769-772. DOI: 10.1111/j.1751-0813.2000.tb10449.x

                - Rishniw, M. (2021). Effect of doxepin on quality of life in Labradors with laryngeal paralysis: A double‐blinded, randomized, placebo‐controlled trial. Journal of Veterinary Internal Medicine, 35(4), 1943-1949. DOI: 10.1111/jvim.16162

                - 岐阜大学動物病院神経科. ウェルシュ・コーギーの変性性脊髄症. https://www.animalhospital.gifu-u.ac.jp/neurology/medical/spine_dm.html (2025年取得)

                - MOFFME. 犬が吠えないのはストレスが原因？ストレスサインや解消法も解説！. https://moffme.com/article/1150 (2023年12月28日更新)

                - 相川動物医療センター. 喉頭麻痺（Laryngeal paralysis）. https://aikawavmc.com/specialize/?specializeId=146 (2025年取得)

                - ミシガン州立大学獣医学部. Living with GOLPP. https://cvm.msu.edu/scs/research-initiatives/golpp/living-with-golpp (2025年取得)

            

        

        
            本記事はイヌラバ博士が編集した一般情報であり、個別の診断や治療に替わるものではありません。

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