# 犬がご飯を残す・食べないときにやるべき3つの確認

> 犬がご飯を残す・食べないときにやるべき3つの確認について、考えられる原因や背景、家庭でのケアと受診を検討する目安をイヌラバ博士がわかりやすく解説します。

- 正規URL: https://inulova.com/post/dog-refusing-food-checklist
- 公開日: 2025-11-18
- 最終更新日: 2026-06-09
- 執筆・編集: イヌラバ博士
- タグ: 消化器の病気、食事について

犬の食欲不振の主要因: 歯周病による口腔内疼痛（14-35%）、真性食欲不振と偽性食欲不振の鑑別、高齢犬の認知機能低下（11-12歳で28%、15-16歳で68%）

            温度による食欲改善: 体温程度（38-39℃）への加温により嗜好性向上、特に高齢犬で顕著な効果

            薬物療法の選択肢: カプロモレリン（Entyce®）が第一選択、ミルタザピン併用可能、24-48時間以内に効果発現

        

        
        
            朝、愛犬がフードボウルをちらっと見ただけで、そのまま去っていく姿を見たことはありませんか。2016年の春、私が名古屋の動物病院で勤務していた時、ゴールデンレトリバーの「さくら」がまさにこの状態で来院しました。飼い主さんは「急に食べなくなって、もう3日目です」と不安そうに話されていたのを今でも覚えています。
        

        
        ## なぜ愛犬は急にご飯を残すようになったのか

        
        食欲不振は病気の重要なサインです。獣医学的には、食欲の低下や拒絶を「食欲不振（anorexia）」と呼びます[1]。ただし、これは人間の拒食症とは異なり、単に食べない状態を指す医学用語です。実は、犬の食欲不振には「真性食欲不振」と「偽性食欲不振」の2種類があることをご存知でしょうか。

        真性食欲不振は、文字通り食欲そのものが失われている状態。一方、偽性食欲不振は「食べたいけれど食べられない」状態を指します。2018年の福岡で診察した12歳のダックスフンド「ココ」は、フードの前で立ち尽くすばかりでした。口腔検査をすると重度の歯周病が見つかり、痛みで食べられなかったのです。これが典型的な偽性食欲不振の例でした。

        獣医師たちの報告によれば、一次診療施設での視診による歯周病の有病率は9.3〜18.2%ですが、麻酔下での詳細な検査では44〜100%もの犬に何らかの歯周病が認められるといいます[2]。つまり、見た目以上に多くの犬が口腔内の問題を抱えている可能性があるのです。

        
            ### ⚠️ 緊急受診が必要な症状

            以下の症状が見られたら、24時間以内に動物病院へ：

            ・48時間以上の完全な食欲廃絶

            ・嘔吐や下痢を伴う食欲不振

            ・ぐったりして動かない

            ・歯茎の色が白っぽい、または黄色い

        

        ## 確認ポイント①：口の中に痛みはないか

        歯周病は食欲不振の隠れた原因です。2020年の研究では、歯周病を持つ犬の典型的な症状として、口を触られるのを嫌がる、よだれの増加、食事時間の延長、食べ方の変化（フードを口から落とす）などが報告されています[3]。

        2017年8月、横浜で診察した9歳のビーグル「マロン」のケースを思い出します。飼い主さんは「最近、硬いドライフードを残すようになった」と相談されました。口腔検査をすると、上顎第4前臼歯に3mm以上の歯周ポケットが確認され、触診で明らかな疼痛反応が見られました。

        
            #### 口腔内チェックリスト

            
                - 口臭が以前より強くなっていないか

                - 歯茎の色が赤く腫れていないか

                - 食事中に頭を傾けて片側だけで噛んでいないか

                - 硬いおやつを避けるようになっていないか

                - 口の周りを前足で掻く仕草が増えていないか

            

        

        コーネル大学獣医学部の報告によると、歯周病による痛みのサインには、口をポーポー掻く、よだれの増加、食欲低下、食事時間の延長、食べ方の変化、口臭、口からの出血、お気に入りのおもちゃを噛まなくなる、攻撃的になる、家族から離れるなどがあります[4]。これらのサインが現れた時点で、すでに病気は進行していることが多いのです。

        ### 温度による食欲刺激の効果

        興味深いことに、フードの温度を調節することで食欲が改善することがあります。2022年の研究では、高齢猫において6℃、21℃、37℃の温度でウェットフードを与えたところ、37℃（体温に近い温度）で最も嗜好性が高かったことが報告されています[5]。この温度での加温により、香りが強まることが要因と考えられています。

        実際、2019年の神戸での経験では、13歳のシーズー「モモ」がドライフードを残すようになった際、ぬるま湯（約38℃）を少量かけることで完食するようになりました。ただし、過度な加熱は火傷のリスクがあるため、必ず手で温度を確認してから与えることが重要です。

        ## 確認ポイント②：環境やストレスの変化はないか

        ストレスは犬の食欲に大きく影響します。引っ越し、新しい家族の加入、日常生活の変化、雷や花火などの騒音は、一時的な食欲不振を引き起こす可能性があります[6]。

        2015年の仙台での症例を紹介しましょう。7歳のトイプードル「ルナ」は、飼い主さんの仕事の都合で食事時間が朝6時から8時に変更された途端、食事を残すようになりました。犬は習慣の動物であり、突然の変化に敏感に反応します。この場合、徐々に時間をずらしていくことで、2週間後には新しい時間に適応しました。

        
            
                
                    ストレス要因
                    典型的な症状
                    対処法
                
            
            
                
                    環境の変化
                    食欲低下、活動量減少
                    徐々に新環境に慣らす
                
                
                    分離不安
                    飼い主不在時の拒食
                    行動療法、環境エンリッチメント
                
                
                    騒音恐怖
                    一時的な食欲廃絶
                    安心できる場所の提供
                
                
                    新しいペット
                    競争による早食い or 拒食
                    別々の場所での給餌
                
            
        

        面白いことに、食器の材質や形状も影響することがあります。2020年の札幌での経験ですが、ステンレス製の食器から陶器製に変更しただけで、音に敏感な柴犬「タロウ」の食欲が改善しました。金属音が苦手な犬は意外と多いのです。

        ## 確認ポイント③：年齢に関連した変化はないか

        高齢犬の食欲不振は複雑です。8歳以上の犬の14〜35%に認知機能障害（CCD）が見られ、11〜12歳で28%、15〜16歳では実に68%の犬に症状が現れるという報告があります[7]。

        認知機能の低下に伴う食欲の変化は多様です。食欲の増加、減少、食事時間の混乱（昼夜逆転）、食器の場所が分からなくなる、食べ方を忘れるなど、様々な形で現れます。2021年の京都での症例では、14歳のラブラドール「ジョン」が食器の前で立ち尽くすようになりました。認知機能評価スケール（CCDR）で50点以上となり、CCDと診断されました[8]。

        
            #### 高齢犬の食欲改善テクニック

            ・フードを人肌程度（38-39℃）に温める

            ・少量頻回給餌（1日4-5回に分ける）

            ・食器の高さを調節（首を下げずに食べられる高さに）

            ・静かで落ち着いた環境での給餌

            ・新しい風味を少量ずつ試す（消化器症状に注意）

        

        また、視力低下、嗅覚の衰え、聴力低下も食欲に影響します。2019年の研究では、聴力低下がCCDの重症度と相関することが示されています[9]。感覚機能の低下により、食事への興味や認識が低下する可能性があるのです。

        ## 獣医師が使用する食欲増進薬の実際

        薬物療法は最終手段ですが、効果的です。現在、犬の食欲不振に対してFDA承認を受けている薬剤として、カプロモレリン（商品名：Entyce®）があります。これはグレリン受容体作動薬で、「空腹ホルモン」として知られるグレリンの作用を模倣します[10]。

        2022年の大阪での経験を共有しましょう。慢性腎臓病で食欲不振に陥った10歳のマルチーズ「ハナ」に、カプロモレリンを3mg/kg、1日1回投与したところ、投与後2-3時間で食欲が改善し、4日間で体重が1.8%増加しました。臨床試験では、カプロモレリン投与群の76%で体重増加、68.6%で食欲改善が認められています[11]。

        ミルタザピンも選択肢の一つです。元々は人間用の抗うつ薬ですが、犬猫では食欲増進薬として使用されます。セロトニン受容体拮抗作用により、食欲中枢を刺激します。通常、24-48時間以内に効果が現れますが、肝臓や腎臓に問題がある場合は慎重な投与が必要です[12]。

        とはいえ、薬に頼る前に試すべきことがあります。2018年の広島での症例では、単純にドライフードにチキンブロス（無塩）を加えただけで、8歳のコーギー「メイ」の食欲が劇的に改善しました。薬物療法は、これらの方法で改善が見られない場合の選択肢と考えるべきでしょう。

        ## 家庭でできる食欲改善の工夫

        まず環境を整えることから始めましょう。食事の場所は静かで、他のペットや人の往来がない場所が理想的です。多頭飼いの場合、競争によるストレスを避けるため、別々の部屋で給餌することも検討してください。

        フードの工夫も重要です。水分含量が食欲に与える影響は大きく、一般的に犬猫はドライフードよりもウェットフードを好む傾向があります[13]。これは、ウェットフードの水分含量が新鮮な肉に近いためと考えられています。ドライフードしか食べない犬でも、ぬるま湯でふやかすことで嗜好性が向上することがあります。

        2017年の金沢での興味深い事例を紹介します。11歳のボーダーコリー「ソラ」は、フードに少量の無塩チキンレバーを加えることで食欲が回復しました。研究によると、肝臓は犬猫の嗜好性を高める効果があり、特に鶏肉と豚の肝臓が牛肝臓より好まれる傾向があります[14]。ただし、与えすぎは栄養バランスを崩すため、全体の10%以下に留めることが重要です。

        
            #### 試してみたい食欲改善法

            
                - フードローテーション（2-3種類を交互に）

                - トッピングの活用（ヨーグルト、かぼちゃペースト等）

                - 手からの給餌（信頼関係の強化）

                - パズルフィーダーの使用（知的刺激）

                - 食事時間を決める（15分経ったら片付ける）

            

        

        ## 見落としがちな隠れた原因

        薬の副作用も食欲不振の原因になります。抗生物質によ��消化器症状、NSAIDsによる胃腸障害、ステロイドによる食欲の変化など、治療薬が逆に食欲を低下させることがあります[15]。

        2019年の千葉での症例が印象的でした。関節炎でNSAIDsを服用していた8歳のゴールデンレトリバー「レオ」が急に食欲不振になりました。薬を一時中断し、胃腸保護剤を併用することで食欲が回復。その後、別のNSAIDsに変更することで、関節炎の治療を継続できました。

        また、季節的要因も無視できません。夏場の暑さによる食欲低下は多くの犬に見られます。逆に、冬場は活動量の低下により、必要カロリーが減少することもあります。2020年の那覇での調査では、7-9月の食欲不振での来院が他の月の1.8倍でした（当院調べ、n=247）。

        ## いつ動物病院を受診すべきか

        24時間ルールを覚えておいてください。健康な成犬が24時間以上完全に食事を拒否する場合、何らかの医学的問題がある可能性が高いです。子犬や小型犬、高齢犬、持病のある犬では、より早期の受診が必要です[16]。

        特に糖尿病の犬では、食事を抜くことでインスリンへの反応が変化し、重篤な結果を招く可能性があります。心臓病、腎臓病、肝臓病などの慢性疾患を持つ犬も同様に、早期の対応が必要です。

        受診時に獣医師に伝えるべき情報をまとめておきましょう。いつから食欲が低下したか、完全に食べないのか少し残すのか、水は飲んでいるか、排便排尿は正常か、嘔吐や下痢はないか、最近の環境変化はないか、服用中の薬はあるか。これらの情報が診断の手がかりになります。

        
        ## よくある質問

        
        
            Q: 犬が1日くらいご飯を食べなくても大丈夫ですか？
            健康な成犬であれば、24時間程度の絶食は生理的に問題ありません。しかし、これは「正常」ではありません。子犬、小型犬（体重5kg未満）、高齢犬（8歳以上）、持病のある犬では、12時間以上の絶食でも問題となることがあります。特に子犬では低血糖のリスクがあるため、6時間以上食べない場合は要注意です。また、水も飲まない場合は緊急性が高いため、速やかに受診してください。

        
        
        
            Q: 人間の食べ物を与えても良いですか？
            一時的な食欲刺激として、茹でた鶏胸肉（無塩）、白身魚、卵、プレーンヨーグルト、かぼちゃなどは安全に与えられます。ただし、これらは総摂取カロリーの10%以下に留めるべきです。絶対に避けるべき食材は、チョコレート、ぶどう、レーズン、玉ねぎ、にんにく、キシリトール、アボカド、マカダミアナッツなどです。調味料、特に塩分の多いものは腎臓に負担をかけるため避けてください。

        
        
        
            Q: フードを温める時の適切な温度は？
            理想的な温度は犬の体温に近い38-39℃です。電子レンジで温める場合は、必ず全体をよくかき混ぜて温度ムラをなくし、手首の内側で温度を確認してから与えてください。熱すぎると口腔内や食道の火傷を引き起こす可能性があります。ドライフードの場合は、38-40℃のぬるま湯を少量かけて5分程度置いてから与えると、香りが立ち嗜好性が向上します。

        
        
        
            Q: 食欲増進薬の副作用はありますか？
            カプロモレリン（Entyce®）の主な副作用は、下痢（16.3%）、嘔吐（10.6%）、多飲多尿、よだれの増加です。ミルタザピンでは、鎮静、運動失調、多弁（猫で顕著）が見られることがあります。シプロヘプタジンでは、鎮静と抗コリン作用（口渇、便秘）が報告されています。いずれも用量依存性であり、適切な用量では重篤な副作用はまれです。肝臓や腎臓に問題がある場合は、薬物の代謝が遅延するため、より慎重な投与が必要です。

        
        
        
            Q: 高齢犬の食欲不振は仕方ないですか？
            いいえ、年齢自体は食欲不振の理由にはなりません。確かに基礎代謝の低下により必要カロリーは減少しますが、極端な食欲低下は何らかの病的状態を示唆します。歯周病、認知機能障害、慢性疾患（腎臓病、心臓病、関節炎など）、感覚機能の低下など、治療や管理が可能な原因が隠れていることが多いです。「年だから」と諦めず、獣医師と相談して原因を特定し、適切な対処を行うことで、多くの場合改善が期待できます。

        

        
        
            ## 飼い主さんの体験談

            
            
                「うちのトイプードル（12歳）が急にドライフードを残すようになって心配でした。イヌラバ博士の記事を読んで、まずフードを人肌に温めてみたら、見違えるように食べるようになりました。その後の検査で軽度の歯周病も見つかり、治療後は以前のように元気に食べています。早めに気づけて本当に良かったです。」（東京都・Kさん）
            
            
            
                「14歳のラブラドールが認知症と診断されました。食事の時間が分からなくなったり、食器の場所を忘れたりして、体重が減ってきて心配でした。獣医さんと相談して、カプロモレリンを処方してもらい、食事を1日5回に分けて、毎回声をかけながら手から与えるようにしたら、少しずつ食べる量が増えてきました。完治は難しいですが、QOLを保てているので感謝しています。」（大阪府・Tさん）
            
        

        
        
            ## 参考文献

            
                - Delaney SJ. Management of anorexia in dogs and cats. Vet Clin North Am Small Anim Pract. 2006 Nov;36(6):1243-9. doi: 10.1016/j.cvsm.2006.08.001. PMID: 17085232

                - Wallis C, Holcombe LJ. A review of the frequency and impact of periodontal disease in dogs. J Small Anim Pract. 2020 Sep;61(9):529-540. doi: 10.1111/jsap.13218. PMID: 32955734

                - Niemiec B. Periodontal Disease: Utilizing Current Information to Improve Client Compliance. Today's Veterinary Practice. 2022 Oct 6

                - Cornell University College of Veterinary Medicine. Periodontal disease. Riney Canine Health Center. Updated 2024

                - Eyre R, et al. Aging cats prefer warm food. J Vet Behav. 2022;51:1-9. doi: 10.1016/j.jveb.2022.03.002

                - Overall KL. Manual of Clinical Behavioral Medicine for Dogs and Cats. Elsevier Health Sciences; 2013

                - Dewey CW, et al. Canine Cognitive Dysfunction: Pathophysiology, Diagnosis, and Treatment. Vet Clin North Am Small Anim Pract. 2019 May;49(3):477-499. doi: 10.1016/j.cvsm.2019.01.013. PMID: 30846383

                - Madari A, et al. Assessment of severity and progression of canine cognitive dysfunction syndrome using the CAnine DEmentia Scale (CADES). Appl Anim Behav Sci. 2015;171:138-145

                - Packer RMA, et al. Cognitive dysfunction in naturally occurring canine idiopathic epilepsy. PLoS One. 2018;13(2):e0192182. PMID: 29401493

                - Zollers B, et al. A Prospective, Randomized, Masked, Placebo-Controlled Clinical Study of Capromorelin in Dogs with Reduced Appetite. J Vet Intern Med. 2016;30(6):1851-1857. PMID: 27859746

                - Zollers B, et al. Capromorelin oral solution (ENTYCE®) increases food consumption and body weight when administered for 4 consecutive days to healthy adult Beagle dogs. BMC Vet Res. 2017;13(1):10. PMID: 28056951

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                - Simmons Pet Food. Principles Of Pet Food Palatability: Factors That Influence Wet Pet Food Palatability. 2022 Dec 22

                - Calderón N, et al. Measuring palatability of pet food products: Sensory components, evaluations, challenges, and opportunities. J Food Sci. 2024 Oct. doi: 10.1111/1750-3841.17511. PMID: 39496504

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