# 梅雨の時期に悪化す愛犬の膿皮症

> 梅雨の時期に悪化す愛犬の膿皮症について、考えられる原因や背景、家庭でのケアと受診を検討する目安をイヌラバ博士がわかりやすく解説します。

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- 公開日: 2025-07-29
- 執筆・編集: イヌラバ博士
- タグ: かゆみ・皮膚トラブル

梅雨時期の膿皮症は予防可能です。高温多湿な環境では細菌が繁殖しやすくなるため、適切な湿度管理と定期的なシャンプーケアが重要です。

            自宅での薬用シャンプーは週2〜3回が基本。泡を皮膚に10〜15分間接触させてから洗い流すことで、効果的に細菌を除去できます。

            再発を防ぐには基礎疾患の治療が不可欠。アレルギーや内分泌疾患などの根本原因を特定し、適切な治療を受けることで再発リスクを大幅に減らせます。

        

        
            ジメジメした梅雨の季節になると、「あれ？愛犬の肌が赤くなってる」「なんだか痒がってる」と気づく飼い主さんは多いのではないでしょうか。動物病院アシスタントを15年間務めた経験から、この時期は膿皮症の相談が急増する季節です。湿度70%を超える日が続くと、健康な犬でも皮膚トラブルのリスクが高まります。
        

        ## なぜ梅雨時期に膿皮症が悪化するのか

        ### 高温多湿が細菌繁殖の温床となる理由

        
        梅雨時期の膿皮症悪化は、環境的要因が大きく影響します。気温25℃以上、湿度70%以上の環境では、犬の皮膚常在菌であるStaphylococcus pseudintermedius（スタフィロコッカス・シュードインターメディウス）が異常繁殖しやすくなります[1]。

        実際に、私が勤務していた動物病院でも、梅雨入り後の6月から7月にかけて膿皮症の診察件数が約2.5倍に増加していました。とりわけ、室内の湿度管理ができていない家庭の犬に多く見られる傾向がありました。

        
            #### 梅雨時期の膿皮症発症メカニズム

            
                
                    環境要因
                    影響
                    対策
                
                
                    高湿度（70%以上）
                    皮膚がふやけて角質層が軟化
                    除湿器・エアコン稼働
                
                
                    高温（25℃以上）
                    細菌の繁殖スピード加速
                    室温管理・換気
                
                
                    気圧変動
                    免疫力低下・ストレス増加
                    生活リズム維持
                
            
        

        さらに、梅雨時期は散歩後の被毛が乾きにくく、濡れた状態が長時間続くことで皮膚のバリア機能が低下します。皮膚表面のpHがアルカリ性に傾き、通常は弱酸性で保たれている皮膚環境が崩れてしまうのです。

        国際獣医皮膚科学会の研究によると、健康な犬の約31〜68%がS. pseudintermediusを保菌していますが、皮膚バリア機能が低下した状態では、この常在菌が病原性を発揮し、膿皮症を引き起こします[1]。

        ### 犬種別リスクと好発部位

        膿皮症になりやすい犬種があることをご存知でしょうか。私の経験では、**柴犬、シー・ズー、フレンチ・ブルドッグ、ゴールデン・レトリーバーは特に注意が必要**です。これらの犬種は皮膚のしわが多い、被毛が密集している、あるいは遺伝的に皮膚が敏感な特徴があります。

        好発部位として最も多いのは、顔周り、わき、股間、指の間です。これらの部位は湿気がこもりやすく、通気性が悪いため細菌が繁殖しやすい環境になります。

        
            ### 緊急受診が必要な症状

            次の症状が見られた場合は、48時間以内に動物病院を受診してください：発熱（39.5℃以上）、広範囲の化膿、食欲不振、元気消失、患部からの強い悪臭。深在性膿皮症に進行する可能性があります。

        

        ## 効果的な自宅ケアの実践方法

        ### 薬用シャンプーの正しい使い方

        自宅での膿皮症ケアの基本は、薬用シャンプーの適切な使用です。動物病院で処方される2〜4%クロルヘキシジン含有シャンプーを使用し、週2〜3回の頻度で2〜3週間継続します[2]。

        以前、薬用シャンプーを「普通のシャンプーと同じように使っている」という飼い主さんがいましたが、これでは効果が半減してしまいます。薬用シャンプーは皮膚に有効成分を浸透させることが重要なのです。

        
            #### 薬用シャンプーの正しい手順

            
                - 予洗い：35℃程度のぬるま湯で全身を濡らす（2〜3分）

                - 泡立て：シャンプーを原液のまま手に取り、よく泡立てる

                - 接触時間：泡を皮膚に10〜15分間放置（最重要！）

                - マッサージ：優しく皮膚をマッサージし、成分を浸透させる

                - すすぎ：泡が完全になくなるまで十分にすすぐ

                - 乾燥：タオルドライ後、ドライヤーで完全に乾かす

            

        

        実際の現場では、シャンプー後の乾燥が不十分で再発する例を多く見てきました。特に長毛種では、表面は乾いているように見えても、皮膚近くの被毛が湿っていることがあります。完全に乾かすことで、細菌の繁殖を防ぐことができます。

        ### 環境管理と生活習慣の改善

        膿皮症の予防と治療には、犬の生活環境を整えることが不可欠です。室内の湿度を50〜60%に保つことで、細菌の繁殖を抑制できます。

        ある飼い主さんは、除湿器を導入したところ、それまで毎月のように再発していた膿皮症が半年以上発症しなくなったと報告してくれました。環境管理の重要性を実感した事例です。

        
            
                項目
                推奨値
                管理方法
            
            
                室温
                22〜25℃
                エアコン・扇風機使用
            
            
                湿度
                50〜60%
                除湿器・換気
            
            
                寝具交換
                週2回以上
                洗濯・日光干し
            
            
                ブラッシング
                毎日
                血行促進・汚れ除去
            
        

        また、散歩後のケアも重要です。雨に濡れた場合は、すぐにタオルで水分を拭き取り、必要に応じて軽くブラッシングして通気性を確保しましょう。

        ### 栄養サポートと免疫力向上

        皮膚の健康維持には、適切な栄養摂取が欠かせません。オメガ3脂肪酸（EPA・DHA）、亜鉛、ビタミンEなどの抗酸化成分を含む食事が推奨されます。

        過去に、手作り食にこだわる飼い主さんがいましたが、栄養バランスが崩れて膿皮症が悪化したケースがありました。皮膚トラブルがある犬には、獣医師と相談の上、療法食を検討することをお勧めします。

        ## 治療の適切なタイミングと方法

        ### 動物病院での診断と治療

        膿皮症の診断は、皮膚の細胞診（スタンプ検査）により行います。病変部から採取した検体を顕微鏡で観察し、細菌の種類と数を確認します。必要に応じて、細菌培養・薬剤感受性試験を実施し、最適な抗生物質を選択します[2]。

        私が勤務していた動物病院では、初回診察時に必ず皮膚の細胞診を行っていました。一見、湿疹のように見えても、実際には真菌感染や寄生虫が原因の場合があるからです。適切な診断なくして、効果的な治療はできません。

        治療は、**表在性膿皮症では2〜3週間、深在性膿皮症では4〜6週間の抗生物質投与が標準的**です。近年、メチシリン耐性S. pseudintermedius（MRSP）の発生率が増加しており、日本では膿皮症患者の約34%からMRSPが検出されています[3]。

        
            ### 抗生物質の適切な使用について

            処方された抗生物質は、症状が改善しても最後まで飲み切ってください。途中で中止すると、耐性菌の発生リスクが高まります。また、人間用の抗生物質を犬に使用することは絶対に避けてください。

        

        ### 再発防止のための基礎疾患治療

        膿皮症の再発を防ぐには、根本的な原因を特定し治療することが重要です。157頭の再発性膿皮症を対象とした研究では、**63頭（40%）にアレルギー性疾患、12頭（7.6%）に甲状腺機能低下症などの基礎疾患が見つかりました**[4]。

        実際に、アトピー性皮膚炎を併発している犬では、アレルギー治療を行うことで膿皮症の再発頻度が大幅に減少しました。単純に皮膚の症状だけを治療するのではなく、全身的な健康状態を評価することが大切です。

        特に、年間2回以上膿皮症を繰り返す場合は、以下の検査を検討します：

        
            - 血液検査（甲状腺機能、副腎機能）

            - アレルギー検査（環境アレルゲン、食物アレルゲン）

            - 皮膚生検（必要に応じて）

            - 内分泌機能検査

        

        ## 予防策と長期管理

        ### 日常的な予防ケア

        膿皮症の最も効果的な予防法は、皮膚の清潔を保つことです。健康な犬でも、月1〜2回の定期的なシャンプーが推奨されます。ただし、梅雨時期など湿度が高い時期は、週1回程度に頻度を上げることが有効です。

        私の経験では、定期的なブラッシングを欠かさない飼い主さんの犬は、膿皮症の発症率が明らかに低い傾向にありました。ブラッシングは皮膚の血行を促進し、死毛や汚れを除去する効果があります。

        
            #### 膿皮症予防の5つのポイント

            
                - 定期的なシャンプー：月1〜2回（梅雨時期は週1回）

                - 毎日のブラッシング：皮膚の血行促進と汚れ除去

                - 環境管理：室温22〜25℃、湿度50〜60%

                - 栄養管理：皮膚の健康をサポートする食事

                - ストレス管理：規則正しい生活と適度な運動

            

        

        ### 季節別の対策

        膿皮症は季節によって発症パターンが異なります。梅雨時期だけでなく、年間を通じた適切な管理が重要です。

        春先は花粉によるアレルギー性皮膚炎から二次的に膿皮症が発症することがあります。夏場は高温多湿に加え、エアコンによる皮膚の乾燥にも注意が必要です。秋から冬にかけては、空気の乾燥により皮膚のバリア機能が低下しやすくなります。

        
            
                季節
                主なリスク
                対策
            
            
                春
                花粉アレルギー
                散歩後の足拭き・室内清掃
            
            
                梅雨・夏
                高温多湿
                除湿・頻回シャンプー
            
            
                秋
                抜け毛・ダニ
                ブラッシング・ダニ予防
            
            
                冬
                乾燥・免疫低下
                保湿・栄養管理
            
        

        ## よくある質問と回答

        
            膿皮症は他の犬や人間にうつりますか？
            膿皮症の原因菌は犬の皮膚常在菌のため、基本的に他の犬や人間にはうつりません。ただし、メチシリン耐性株（MRSP）の場合、免疫力の低下した人への感染リスクがあるため、適切な衛生管理が必要です。

        

        
            薬用シャンプーはどのくらいの期間使用すればよいですか？
            症状が改善してから1週間程度は継続使用が推奨されます。通常、2〜3週間の使用で症状が改善しますが、獣医師の指示に従って使用期間を調整してください。

        

        
            膿皮症の再発を防ぐにはどうすればよいですか？
            基礎疾患の治療、適切な環境管理、定期的なスキンケアが重要です。特にアレルギー性疾患や内分泌疾患がある場合は、これらの治療を継続することで再発リスクを大幅に減らせます。

        

        
            自宅でできる応急処置はありますか？
            患部を清潔に保ち、犬が舐めないようにエリザベスカラーを装着することが基本です。ただし、自己判断での薬物治療は避け、症状が見られたら速やかに動物病院を受診してください。

        

        
            膿皮症になりやすい犬の特徴はありますか？
            皮膚にしわの多い犬種（フレンチ・ブルドッグ、パグなど）、長毛種、アレルギー体質の犬、免疫力が低下している犬（高齢犬、持病のある犬）は発症リスクが高くなります。

        

        
            ## 飼い主の声

            
                「3歳のゴールデンレトリーバーを飼っています。毎年梅雨時期に膿皮症を繰り返していましたが、室内の湿度管理と週2回の薬用シャンプーを始めてから、この2年間は発症していません。特に、シャンプー後の完全な乾燥が重要だと実感しています。」
                
— 東京都 K.Sさん（38歳）
            

            
                「柴犬の膿皮症で悩んでいましたが、アレルギー検査を受けたところ、食物アレルギーが原因だと判明。療法食に変更後、膿皮症の発症頻度が激減しました。根本的な原因を調べることの大切さを痛感しています。」
                
— 大阪府 M.Tさん（45歳）
            
        

        
            ## 参考文献

            
                - Loeffler A, Lloyd DH. What has changed in canine pyoderma? A narrative review. Vet J. 2018;235:73-82. doi: 10.1016/j.tvjl.2018.04.002. PMID: 29704943

                - Loeffler A, Cain CL, Ferrer L, et al. Antimicrobial use guidelines for canine pyoderma by the International Society for Companion Animal Infectious Diseases (ISCAID). Vet Dermatol. 2025;36(3):234-282. doi: 10.1111/vde.13342. PMID: 40338805

                - Takahashi T, Takeda K, Koba A, et al. Prevalence of antimicrobial-resistant staphylococci in nares and affected sites of pet dogs with superficial pyoderma. J Vet Med Sci. 2021;83(1):90-95. doi: 10.1292/jvms.20-0421. PMID: 33342967

                - Bergmann M, Freisl M, Speck S, et al. Recurrent pyoderma and its underlying primary diseases: a retrospective evaluation of 157 dogs. Vet Rec. 2018;182(15):434. doi: 10.1136/vr.104420. PMID: 29419485

                - Matuszewska M, Murray GGR, Harrison EM, et al. Phenotypic and genotypic characterization of canine pyoderma isolates of Staphylococcus pseudintermedius for biofilm formation. J Vet Diagn Invest. 2016;28(1):90-98. Available from: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4565817/

            

        

        
            本記事はイヌラバ博士が編集した一般情報であり、個別の診断や治療に替わるものではありません。

            愛犬に異常が見られた場合は、必ず獣医師へご相談ください。

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