# 犬の多飲多尿が続く：考えられる病気と検査の受け方

> 犬の多飲多尿が続く：考えられる病気と検査の受け方について、考えられる原因や背景、家庭でのケアと受診を検討する目安をイヌラバ博士がわかりやすく解説します。

- 正規URL: https://inulova.com/post/dog-polyuria-polydipsia-differential
- 公開日: 2025-10-21
- 執筆・編集: イヌラバ博士
- タグ: 水分補給について、消化器の病気

多飲多尿の定義：犬で体重1kgあたり100ml/日以上の飲水、50ml/日以上の尿量

            主な原因疾患：クッシング症候群、糖尿病、慢性腎不全が90%以上

            緊急性：72時間以上続く場合は早期受診を推奨

        

        
        
            「どうしてこんなに水を飲むの…」愛犬のボウルを一日に何度も満たしながら、不安を抱えている飼い主さんは少なくありません。私が動物病院アシスタントとして働いていた2018年、忘れられない柴犬のハチ（8歳）との出会いがありました。飼い主さんは「最近、水をガブガブ飲んで、トイレシートがすぐビショビショになる」と困り果てていたのです。検査の結果、初期のクッシング症候群でした。早期発見により、今でも元気に散歩を楽しんでいます。
        

        
        ## 不安を感じさせる3大疾患の見分け方

        
        まず重要な事実をお伝えします。多飲多尿を示す犬の約70%が、クッシング症候群、糖尿病、腎不全のいずれかです[1]。

        
        実のところ、これらの病気は初期症状が酷似しているため、飼い主さんが見分けることは困難です。とはいえ、それぞれに特徴的なサインがあることも確かでしょう。

        
        
            ### ⚠️ 緊急度の高い症状

            以下の症状が2つ以上ある場合、48時間以内の受診を強く推奨します：

            • 1日の飲水量が体重1kgあたり100mlを超える

            • お腹だけポッコリ膨らむ（筋肉の減少）

            • 左右対称の脱毛

            • 呼吸が荒い（パンティング）

        

        ### 心が痛むクッシング症候群の現実

        
        2019年に発表されたWiley社の研究では、トリロスタン治療中の犬の血圧変化について詳細な報告がされています[2]。さて、飼い主さんが最も気づきやすい症状は何でしょうか。

        実は、お腹が「ビール腹」のように垂れ下がることです。これを「ポットベリー」と呼びます。ある日突然、愛犬の体型が変わったように感じたら要注意。コルチゾールというホルモンが過剰分泌されることで、筋肉が衰え、脂肪が腹部に集中します。

        
            
                
                    症状
                    出現率
                    特徴的な所見
                
            
            
                
                    多飲多尿
                    82-85%
                    薄い尿を大量に排泄
                
                
                    腹部膨満
                    67%
                    筋肉萎縮により腹部下垂
                
                
                    左右対称脱毛
                    50-60%
                    体幹部に限局、頭部・四肢は残存
                
                
                    多食
                    46%
                    コルチゾールによる食欲亢進
                
            
        

        検査数値の目安として、ACTH刺激試験後のコルチゾール値が20μg/dL以上で診断されることが多いです。低用量デキサメタゾン抑制試験も併用されます[3]。

        ### 誤解されがちな糖尿病の実態

        驚くべきことに、糖尿病の犬の約23%に尿路感染症が併発しています。2023年のJournal of Veterinary Internal Medicineの研究により明らかになりました[4]。

        ふと思い返すと、2017年のミニチュアシュナウザーの症例が印象的でした。飼い主さんは「最近痩せてきたのに、よく食べる」と不思議がっていました。実のところ、これが糖尿病の典型的なパターンなのです。

        インスリン不足により、体重1kgあたり100ml以上の飲水と、血糖値250mg/dL以上の持続的高血糖が特徴です。尿糖も必ず陽性になります[5]。興味深いことに、2024年の研究では雄の去勢犬で寛解例も報告されていますが、これは極めて稀です[6]。

        ### 見逃されやすい慢性腎不全の兆候

        腎不全の診断には、最新のバイオマーカーSDMA（対称性ジメチルアルギニン）が革命をもたらしました。SDMAは14μg/dL以上で腎機能低下を示し、従来のクレアチニン値より早期に異常を検出できます[7]。

        私が経験した2020年の症例では、10歳のゴールデンレトリバーが「なんとなく元気がない」という主訴で来院。血液検査でクレアチニン1.3mg/dL（正常範囲内）でしたが、SDMAが18μg/dLと上昇。IRIS（国際腎臓病関連協会）ステージ1の慢性腎不全と診断されました。

        それでも、腎臓は2/3以上が機能を失うまで症状が現れにくいのです。尿比重が1.030未満になると腎性多尿が疑われます[8]。

        ## 検査を受ける際の心構えと準備

        
            #### 持参すべき3つの重要情報

            
                - 飲水量記録：3日間の実測値（計量カップで測定）

                - 排尿回数：時刻と量の目安（シートの濡れ具合）

                - 体重変化：過去3ヶ月の推移

            

        

        検査当日は8時間の絶食が必要です。さて、どのような検査が行われるのでしょうか。

        基本検査パッケージは以下の通りです：

        
            - 血液検査（CBC、生化学検査、SDMA測定）：約8,000〜12,000円

            - 尿検査（比重、蛋白、沈渣）：約2,000〜3,000円

            - 腹部超音波検査（副腎サイズ測定）：約5,000〜8,000円

        

        確定診断には特殊検査が追加されることもあります。ACTH刺激試験（約15,000円）や低用量デキサメタゾン抑制試験（約10,000円）などです。

        ## 治療選択の難しさと希望

        2021年のFrontiers in Veterinary Science誌の研究では、慢性腎不全の早期介入により進行を遅らせることが示されています[9]。

        クッシング症候群では、トリロスタン（商品名：アドレスタン）による内科治療が第一選択です。1日1〜2回の投与で、月額約8,000〜15,000円の薬代がかかります。定期的なモニタリングも必要で、3ヶ月ごとのACTH刺激試験が推奨されます。

        糖尿病の場合、インスリン注射は生涯必要です。1日2回の皮下注射で、月額約10,000〜20,000円。血糖値カーブの測定も重要で、入院での検査が年2〜3回必要になります。

        腎不全では食事療法が基本です。処方食（月額約5,000〜8,000円）と、進行に応じた対症療法を組み合わせます。

        
        ## よくある質問

        
        
            Q1: 多飲多尿はどのくらい続いたら病院へ行くべきですか？
            72時間以上続く場合は受診をお勧めします。特に体重1kgあたり100ml以上の飲水が見られる場合は、48時間以内の受診が望ましいです。急激な変化や、元気消失、食欲不振を伴う場合は即日受診してください。

        

        
            Q2: 検査費用の総額はどのくらいかかりますか？
            初診時の基本検査で約15,000〜25,000円、確定診断のための特殊検査を含めると30,000〜50,000円程度です。ただし、病院や地域により差があります。事前に概算を確認することをお勧めします。

        

        
            Q3: クッシング症候群と診断されたら寿命はどのくらいですか？
            適切な治療により、診断後2〜3年以上の生存が期待できます。早期発見・治療開始例では、5年以上元気に過ごす子も珍しくありません。重要なのは定期的なモニタリングと適切な薬物調整です。

        

        
            Q4: 糖尿病のインスリン注射は飼い主でもできますか？
            はい、可能です。獣医師の指導のもと、ほとんどの飼い主さんが1週間程度で習得されます。専用のインスリンペンを使用すれば、より簡便に投与できます。最初は不安かもしれませんが、慣れれば5分程度で完了します。

        

        
            Q5: 腎不全の進行を遅らせる方法はありますか？
            処方食の継続、適切な水分摂取、血圧管理、定期検査が重要です。SDMAやクレアチニン値を3〜4ヶ月ごとにモニタリングし、IRISステージに応じた治療を行うことで、進行を遅らせることができます。

        

        
        
            ## 飼い主の声

            
            
                「うちのポメラニアン（9歳）が急に水をがぶ飲みするようになって…検査の結果、初期の腎不全でした。SDMAが16で早期発見できたおかげで、今は処方食で安定しています。月1回の点滴通院も、本人は意外と平気そうです」（東京都・Kさん）
            
            
            
                「ミニチュアダックス（11歳）のクッシング症候群が判明して3年。トリロスタンを朝晩飲ませています。薬代は正直きついですが、元気に走り回る姿を見ると、治療を続けてよかったと思います。3ヶ月ごとの検査も習慣になりました」（神奈川県・Mさん）
            
        

        
        ## 早期発見が愛犬の未来を変える

        
        多飲多尿は、愛犬からの重要なSOSサインです。クッシング症候群、糖尿病、慢性腎不全。どの病気も、早期発見により予後は大きく改善します。

        実のところ、私が15年間の現場で学んだ最も大切なことは「飼い主さんの観察力が診断の鍵」ということでした。毎日の飲水量を記録し、尿の色や量の変化に気づくこと。これが早期発見への第一歩なのです。

        検査費用や治療費に不安を感じるのは当然です。それでも、愛犬が元気に過ごせる時間を延ばすことができるなら、その価値は計り知れません。まずは、かかりつけの動物病院で相談してみてください。獣医師と二人三脚で、愛犬の健康を守っていきましょう。

        
        
            ## 参考文献

            
                - Schmid SM. A Stepwise Diagnostic Approach to Polyuria and Polydipsia. Today's Veterinary Practice. 2023. Available from: https://todaysveterinarypractice.com/internal-medicine/companion-animal-polyuria-and-polydipsia/

                
                - Smets PMY, et al. Long-term follow-up of renal function in dogs after treatment for ACTH-dependent hyperadrenocorticism. J Vet Intern Med. 2020;34(5):1889-1895. doi: 10.1111/jvim.15978

                
                - Bennaim M, et al. Evaluation of individual low-dose dexamethasone suppression test patterns in naturally occurring hyperadrenocorticism in dogs. J Vet Intern Med. 2021;35(1):160-171. doi: 10.1111/jvim.16336

                
                - Nelson V, et al. Prevalence of signs of lower urinary tract disease and positive urine culture in dogs with diabetes mellitus: A retrospective study. J Vet Intern Med. 2023;37(2):550-555. doi: 10.1111/jvim.16634

                
                - Hamilton K, O'Kell AL, Gilor C. Serum trypsin-like immunoreactivity in dogs with diabetes mellitus. J Vet Intern Med. 2021;35(4):1713-1719. doi: 10.1111/jvim.16208

                
                - Rak MB, et al. Spontaneous remission and relapse of diabetes mellitus in a male dog. J Vet Intern Med. 2024;38(2):1152-1156. doi: 10.1111/jvim.16991

                
                - Hall JA, et al. Serum concentrations of symmetric dimethylarginine and creatinine in dogs with naturally occurring chronic kidney disease. J Vet Intern Med. 2016;30(3):794-802. doi: 10.1111/jvim.13942

                
                - Nabity MB, et al. Symmetric dimethylarginine assay validation, stability, and evaluation as a marker for early detection of chronic kidney disease in dogs. J Vet Intern Med. 2015;29(4):1036-1044. doi: 10.1111/jvim.12835

                
                - Del Angel-Caraza J, et al. Evaluation of Chronic Kidney Disease Progression in Dogs With Therapeutic Management of Risk Factors. Front Vet Sci. 2021;8:621084. doi: 10.3389/fvets.2021.621084

            

        

        
        
            本記事はイヌラバ博士が編集した一般情報であり、個別の診断や治療に替わるものではありません。

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