# 犬が留守番後に異常に興奮する理由

> 犬が留守番後に異常に興奮する主な理由は、飼い主との再会時に分泌されるオキシトシン（愛情ホルモン）による生理的反応です。

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- 公開日: 2026-01-05
- 執筆・編集: イヌラバ博士
- タグ: 分離不安、ストレスについて

犬が留守番後に異常に興奮する主な理由は、飼い主との再会時に分泌されるオキシトシン（愛情ホルモン）による生理的反応です。2022年の麻布大学の研究では、犬は飼い主と再会すると涙の分泌量が増加し、これがオキシトシンの作用であることが確認されています。過度な興奮が続く場合は分離不安の可能性もあり、全体の14〜20%の犬がこの症状を示すとされています。

        

        仕事から帰ってきた瞬間、玄関で待ち構えていた愛犬がものすごい勢いで飛びついてくる。尻尾を振りすぎて体ごとブンブン揺れている。嬉しいような、ちょっと心配なような。2018年の春、福岡市内の動物病院で私が担当した柴犬のハルくん（3歳）は、飼い主さんが戻るたびにおしっこを漏らすほど興奮していて、それが「異常なのか普通なのか」と相談に来られたのを覚えています。

        ## 再会の喜びを科学する｜オキシトシンが引き起こす興奮反応

        犬が飼い主との再会時に見せる興奮行動。これ、実は脳内で起きている化学反応の結果なんです。2015年に科学誌『Science』に掲載された永澤らの研究[1]によると、犬と飼い主が見つめ合うとき、双方の体内でオキシトシンというホルモンの濃度が上昇することが明らかになりました。このオキシトシン、一般的に「愛情ホルモン」や「絆ホルモン」と呼ばれているもので、母親と赤ちゃんの絆を形成する際にも分泌されます。

        さらに興味深いのは2022年の発見でしょう。麻布大学の村田らの研究チーム[2]は、犬が飼い主と再会した際に涙の分泌量が有意に増加することを確認しました。見知らぬ人との再会ではこの現象は起きませんでした。オキシトシン溶液を犬の目に点眼すると同様に涙の量が増えたことから、再会時の涙はオキシトシンを介した反応であると結論づけられています。

        「うちの子、帰ると目がウルウルしてる気がする」と感じたことはありませんか。それ、気のせいじゃないかもしれません。

        ### 興奮は「ポジティブな覚醒」の証拠

        2017年にスウェーデン農業科学大学のPeterssonらが発表した研究[3]では、犬と飼い主の触れ合いによってコルチゾール（ストレスホルモン）濃度が上昇するケースがあることが報告されています。ストレスホルモンが上昇するというと悪いことのように聞こえますよね。ところが、この研究では犬はストレス行動を示しておらず、むしろ「ポジティブな覚醒」、つまり活動への期待や興奮を反映していると解釈されました。

        実のところ、2014年に東京大学の長谷川寿一教授らのグループ[4]は、オキシトシンを鼻腔内に投与された犬が飼い主への親和行動を増加させることを実証しています。犬16頭を対象としたこの実験で、オキシトシン投与群はプラセボ群と比較して飼い主を見つめる時間が長くなり、身体接触の頻度も増加していました。

        ## 分離不安という病気の可能性｜見極めが必要な4つのサイン

        ここで注意したいのが、単なる「再会の喜び」と「分離不安」は別物だということ。フィンランドで13,700頭の犬を対象に行われた大規模調査[5]によると、分離不安の有病率は14〜20%程度と報告されています。けっこう多いですよね。

        
            
                行動パターン
                正常な再会興奮
                分離不安の疑い
            
            
                興奮の持続時間
                数分で落ち着く
                15分以上続く
            
            
                留守中の行動
                寝ている・静か
                破壊行動・吠え続ける
            
            
                出発準備への反応
                特に変化なし
                パニック・震え・よだれ
            
            
                排泄の問題
                なし
                室内で粗相する
            
        

        2001年にタフツ大学獣医学部のFlannigan & Dodman[6]が発表した症例対照研究では、興味深い結果が出ています。一人暮らしの飼い主のもとで暮らす犬は、複数人の家庭で暮らす犬に比べて約2.5倍分離不安を発症しやすいことがわかりました。また、去勢・避妊済みの犬は未手術の犬と比べて発症リスクが約3倍高いという結果も。

        
            ### こんな症状があれば要注意

            飼い主が出かける準備を始めると異常にそわそわする、出発後30分以内に破壊行動や遠吠えが始まる、帰宅時に興奮のあまり失禁する、帰宅後も30分以上落ち着かない。これらが複数当てはまる場合は、獣医行動学の専門家への相談をおすすめします。

        

        ## 興奮を落ち着かせる現場で効いた方法

        2016年の秋、北九州市の動物病院に来院したゴールデンレトリバーのモモちゃん（5歳・メス）のケースを紹介させてください。飼い主の田中さん（仮名・50代女性）は、帰宅するたびにモモちゃんに飛びつかれ、腰を痛めてしまったとのこと。

        私たちが提案したのは「帰宅儀式の地味化」でした。これ、2014年の総説論文[7]でも推奨されている手法です。具体的には、帰宅しても最初の5分間は犬に声をかけない、目を合わせない、触らない。犬が落ち着いてお座りをしたら、そこで初めて穏やかに「ただいま」と声をかける。

        田中さんには正直に伝えました。「最初の1週間は、モモちゃんすごく混乱すると思います。でも続けてください」と。実際、3日目に「無視してたら余計激しく飛びついてきて心が折れそう」と電話がありました。ここで諦める方が多いんです。でも田中さんは踏ん張った。2週間後、モモちゃんは帰宅時に玄関でお座りして待てるようになっていました。

        ### 系統的脱感作という専門的アプローチ

        分離不安がある程度重度の場合、ニュージーランドのワイカト大学のSargisson[7]が指摘するように、系統的脱感作と拮抗条件づけの組み合わせが最も効果的とされています。

        簡単に説明すると、こういうことです。まず、出発の「予告サイン」をわざと出します。鍵を持つ、靴を履く、バッグを持つ。でも出かけない。これを何度も繰り返す。すると犬は「このサイン＝飼い主がいなくなる」という連想を弱めていきます。次に、実際に短時間（最初は30秒から）だけ出かけて戻る。徐々に時間を延ばしていく。地道ですが、これが科学的に効果が実証されている方法なんです。

        ただし、重度の分離不安では行動療法だけでは不十分なケースもあります。2007年に発表された臨床試験では、フルオキセチン（抗不安薬の一種）と行動療法の併用が、行動療法単独よりも高い改善率を示しました。薬に頼ることへの抵抗を感じる方もいらっしゃいますが、愛犬の苦痛を軽減する選択肢として検討する価値はあるでしょう。

        ## 日常でできる興奮予防の習慣づくり

        さて、ここからは分離不安ではない、いわゆる「普通の再会興奮」への対処法を考えてみましょう。

        私が動物病院で働いていた頃、よくお伝えしていたのが「出発も帰宅も、ドラマチックにしない」という原則です。朝、出かける際に「ごめんね、さみしいね、いい子にしててね」と何度も声をかける。帰ったら「ただいま〜！会いたかったよ〜！」と甲高い声で抱きしめる。飼い主としては自然な行動ですよね。でも、これが犬に「出発＝悲しいこと」「再会＝特別な興奮イベント」と学習させてしまう可能性があります。

        
            #### 帰宅時の3ステップ

            ① 帰宅後5分間は犬を無視する（目を合わせない、声をかけない、触らない）

            ② 犬が自発的に落ち着いたら、静かな声で「いい子」と褒める

            ③ その後、普通のテンションで遊びやスキンシップを行う

        

        2019年、私が担当したミニチュアダックスフントのコタロウくん（7歳）の飼い主、山田さん（仮名・40代男性）から「仕事で疲れて帰ってきたときに無視するのはつらい」と打ち明けられたことがあります。その気持ち、よくわかります。だからこそ、5分という時間を設定したんです。5分だけ。それなら頑張れそうじゃないですか。

        ## 犬種による違いはあるのか

        フィンランドの大規模調査[5]では、犬種によって不安関連行動の発現率に大きな差があることが示されています。分離関連行動については、ミックス犬、ウィペット、ミニチュアシュナウザーで高い傾向が見られました。一方、ラブラドールレトリバーや中型のスピッツ系犬種では比較的低い傾向でした。

        ただし、これは統計的な傾向であって、「この犬種だから大丈夫」「この犬種だから要注意」と決めつけることはできません。同じ犬種でも個体差は非常に大きいですから。むしろ大切なのは、あなたの愛犬が普段どんな行動をしているかをよく観察することでしょう。

        ## 結論｜愛犬の興奮と向き合うために

        犬が留守番後に興奮するのは、多くの場合、飼い主への愛着とオキシトシン分泌による自然な生理反応です。涙を流すほど再会を喜んでくれる存在がいるというのは、考えてみればすごいことですよね。

        とはいえ、その興奮が過度であったり、留守中の破壊行動や吠え声を伴う場合は、分離不安という疾患の可能性も視野に入れる必要があります。全体の14〜20%の犬がこの症状を示すという報告[5]を踏まえると、決して珍しいことではありません。

        まずは帰宅時の「ドラマチックな再会」を控えることから始めてみてください。それだけで改善する犬も少なくないです。一人で抱え込まず、かかりつけの獣医師に相談することも大切。愛犬との15年、私は数え切れないほどの「お帰り興奮」を見てきましたが、飼い主さんと一緒に考え、試行錯誤することで、穏やかな再会のひとときを取り戻せたケースがほとんどでした。あなたの愛犬との暮らしが、もっと心地よいものになることを願っています。

        ## よくある質問

        
            Q. 留守番後の興奮はどれくらい続くと異常ですか？
            一般的に、帰宅後5〜10分程度で落ち着くようであれば正常範囲と考えられます。15分以上興奮が続く、または興奮のあまり失禁するといった症状がある場合は、分離不安の可能性を考慮して専門家に相談することをおすすめします。ただし、普段から活発な犬種やまだ若い犬では、もう少し長く興奮が続くこともあります。

        

        
            Q. 帰宅時に無視するのはかわいそうではないですか？
            短期的には心苦しく感じるかもしれませんが、これは愛犬の精神的健康のためです。過度な興奮状態は犬にとってもストレスになり得ます。5分程度の短い時間、静かに過ごすことを教えることで、結果的に犬もリラックスして再会を楽しめるようになります。無視した後は、落ち着いた状態でしっかりスキンシップを取ってあげてください。

        

        
            Q. 分離不安は治りますか？
            適切な行動療法と、必要に応じた薬物療法の併用により、多くの犬で症状の改善が見られます。完全に「治る」というよりは、「うまく管理できる状態になる」と考えた方が現実的です。治療には数週間から数ヶ月かかることが多く、飼い主さんの根気強い取り組みが必要になります。

        

        
            Q. 留守番中にテレビやラジオをつけておくのは効果がありますか？
            一部の犬には効果があるとされていますが、科学的な検証は限られています。環境音が犬を落ち着かせる場合もあれば、逆に興奮させる場合もあります。愛犬の反応を見ながら試してみて、効果があれば続けるというスタンスが良いでしょう。最近では犬向けの音楽や映像コンテンツも登場していますが、これらの効果も個体差が大きいようです。

        

        
            Q. 子犬のうちから留守番の練習をすべきですか？
            はい、生後5〜10ヶ月の時期に様々な経験をさせることが、分離不安の予防に有効とされています[7]。最初は数分の短い時間から始め、徐々に時間を延ばしていきます。この時期に「飼い主がいなくても安全」という経験を積ませることが大切です。ただし、あまりに長時間の留守番を幼いうちから強いることは避けてください。

        

        
            ## 飼い主の声

            
                「5歳のトイプードルが、私が帰るたびに狂ったように吠えて飛びついていました。動物病院で『帰宅後5分は無視してください』と言われたときは正直半信半疑でしたが、2週間続けたら驚くほど落ち着くようになりました。今では玄関でお座りして待っていてくれます。最初は心苦しかったですが、結果的に私も愛犬もストレスが減りました。」（東京都・40代女性・トイプードル5歳）
            
            
                「保護犬として引き取ったミックス犬が重度の分離不安でした。留守中はケージを破壊し、近所から苦情が来るほど吠え続けていました。獣医行動学の専門家に相談し、薬と行動療法を併用して半年。今では4時間程度の留守番ができるようになりました。焦らず向き合うことの大切さを学びました。」（大阪府・30代男性・ミックス犬推定4歳）
            
        

        
            ## 参考文献

            
                - Nagasawa M, Mitsui S, En S, et al. Oxytocin-gaze positive loop and the coevolution of human-dog bonds. Science. 2015;348(6232):333-336. doi:10.1126/science.1261022

                - Murata K, Nagasawa M, Onaka T, et al. Increase of tear volume in dogs after reunion with owners is mediated by oxytocin. Current Biology. 2022;32(16):R869-R870. doi:10.1016/j.cub.2022.07.031

                - Petersson M, Uvnäs-Moberg K, Nilsson A, et al. Oxytocin and Cortisol Levels in Dog Owners and Their Dogs Are Associated with Behavioral Patterns: An Exploratory Study. Front Psychol. 2017;8:1796. doi:10.3389/fpsyg.2017.01796

                - Romero T, Nagasawa M, Mogi K, et al. Oxytocin promotes social bonding in dogs. Proc Natl Acad Sci U S A. 2014;111(25):9085-9090. doi:10.1073/pnas.1322868111

                - Salonen M, Sulkama S, Mikkola S, et al. Prevalence, comorbidity, and breed differences in canine anxiety in 13,700 Finnish pet dogs. Sci Rep. 2020;10:2962. doi:10.1038/s41598-020-59837-z

                - Flannigan G, Dodman NH. Risk factors and behaviors associated with separation anxiety in dogs. J Am Vet Med Assoc. 2001;219(4):460-466. doi:10.2460/javma.2001.219.460

                - Sargisson RJ. Canine separation anxiety: strategies for treatment and management. Vet Med (Auckl). 2014;5:143-151. doi:10.2147/VMRR.S60424

            

        

        
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