# 愛犬が夜中に部屋を歩き回るときに疑われる疾患とは？

> 愛犬が夜中に部屋を歩き回るときに疑われる疾患について、考えられる原因や背景、家庭でのケアと受診を検討する目安をイヌラバ博士がわかりやすく解説します。

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- 公開日: 2025-07-28
- 最終更新日: 2026-06-09
- 執筆・編集: イヌラバ博士
- タグ: 認知症、運動について、行動学

犬の夜間徘徊は認知症だけでなく、痛み・不安・内分泌疾患などが原因の可能性があります。

            15年間動物病院でアシスタントとして働いた経験から、夜中に落ち着きなく歩き回る犬の多くは、まず身体的な問題を抱えていることが分かりました。

            特に高齢犬では、関節痛や視力低下が夜間の不安行動を引き起こすケースが多く、適切な治療で改善することも少なくありません。

        

        
        
            「夜中の2時頃、カチャカチャという爪の音で目が覚めて...」先日、シニア犬の飼い主さんから相談を受けました。愛犬が夜な夜な部屋をウロウロと歩き回り、壁にぶつかったり、時にはクーンと鳴いたり。そんな姿を見ていると、不安で眠れなくなってしまいますよね。実は私も動物病院で働いていた15年間で、この「夜間徘徊」の相談を数え切れないほど受けてきました。
        

        
        ## 意外と知らない夜間徘徊の真実―認知症だけじゃない

        
        
            夜間徘徊の原因は認知症だけではありません。多くの飼い主さんは「うちの子も認知症かも...」と心配されますが、実際に診察してみると、痛みや不安、内分泌疾患が原因だったケースが想像以上に多いのです。
        

        
        
            2013年にある柴犬の飼い主さんから相談を受けたときのことです。10歳のタロウ君は、夜中になると決まって部屋をグルグルと歩き回っていました。[1]最初は認知症を疑いましたが、詳しく検査すると甲状腺機能低下症が見つかりました。適切な治療を始めたところ、夜間の徘徊は徐々に改善していったのです。
        

        
            実は、犬の夜間徘徊には様々な原因が隠れています。私の経験では、約4割が痛みによるもの、3割が内分泌疾患、2割が視力・聴力の低下による不安、そして残りの1割が真の認知症でした。もちろん、これらが複合的に絡み合っているケースも少なくありません。
        

        ## 痛みが引き起こす夜の不安―関節の悲鳴に耳を傾けて

        
        
            夜間の気温低下は関節痛を悪化させます。昼間は元気に見えても、夜になると痛みで落ち着かなくなる犬は意外と多いのです。特に変形性関節症を患っている高齢犬では、この傾向が顕著に現れます。
        

        
            ある研究によると、10歳以上の犬の44％以上が関節に問題を抱えていることが分かっています。[23]しかし、その半数の飼い主さんは愛犬の関節炎に気づいていなかったという報告もあります。[29]なぜでしょうか？それは、犬が痛みを隠すのが上手だからです。
        

        
            私が忘れられないのは、2018年に出会ったゴールデンレトリバーのハナちゃんです。12歳の彼女は、夜中になると階段の前で立ち尽くし、時にはクーンクーンと鳴いていました。飼い主さんは「階段の場所が分からなくなったのかも」と心配していましたが、実際は股関節の痛みで階段を上るのが怖くなっていたのです。
        

        
            #### 関節痛による夜間徘徊の特徴

            
                - 寝床から立ち上がるのに時間がかかる

                - 歩き始めは足をかばうように歩く

                - 冷える夜間に症状が悪化する

                - 階段や段差を避けるようになる

            

        

        ## 見えない不安が生む徘徊―白内障と夜盲症の影響

        
        
            犬の視力低下は夜間の不安行動を引き起こす大きな要因です。特に白内障の初期段階では、暗い場所で物が見えにくくなる「夜盲症」の症状が現れることがあります。[43]昼間は問題なく過ごせても、夜になると急に不安になってしまうのです。
        

        
            2019年の春、私は忘れられない経験をしました。トイプードルのモモちゃん（8歳）の飼い主さんから「最近、夜中に壁にぶつかることが増えた」と相談を受けたのです。診察の結果、両目に初期の白内障が見つかりました。まだ若い年齢でしたが、遺伝性の白内障でした。
        

        
            さらに興味深いことに、視力が低下した犬は、慣れ親しんだ家の中でも不安を感じやすくなります。[44]特に家具の配置を変えたり、いつもと違う場所に物を置いたりすると、それだけで混乱してしまうことがあるのです。
        

        
            とはいえ、全ての目の白濁が白内障というわけではありません。実は高齢犬の多くは「核硬化症」という加齢変化で目が白く見えることがあります。[51]これは視力にはほとんど影響しない正常な変化です。ですから、必ず獣医師の診察を受けて、正確な診断をしてもらうことが大切です。
        

        ## ホルモンバランスの乱れが夜を狂わせる―内分泌疾患の影響

        
        
            甲状腺機能低下症やクッシング症候群は、犬の行動に大きな変化をもたらします。これらの内分泌疾患は、一見すると認知症と似た症状を示すことがあり、見逃されやすいのが特徴です。
        

        
            私が動物病院で働いていた頃、ある興味深いケースがありました。11歳のビーグル犬が夜中に落ち着きなく歩き回り、時には家族を起こしてまで食事を要求していました。最初は「認知症による異常な食欲」と思われていましたが、血液検査でクッシング症候群が判明したのです。[17]
        

        
            クッシング症候群では、多飲多尿の症状が特徴的です。体重1kgあたり100ml以上の水を飲むようになり、頻繁にトイレに行きたくなります。[17]夜中に何度も水を飲みに起きたり、トイレに行きたくて歩き回ったりすることが、徘徊のように見えることがあるのです。
        

        
            一方、甲状腺機能低下症の犬は、全身の代謝が低下します。[13]日中は元気がなく寝ていることが多いのに、夜になると逆に落ち着かなくなることがあります。これは昼夜のリズムが乱れてしまうためです。ある研究では、適切な甲状腺ホルモンの補充療法により、こうした行動の変化が改善することが報告されています。[14]
        

        
            ### こんな症状があったら要注意！

            
                ・水をガブガブ飲むようになった（多飲）

                ・おしっこの回数や量が増えた（多尿）

                ・お腹がぽっこり出てきた

                ・毛が薄くなってきた

                ・急に太ったり痩せたりした
            

        

        ## 分離不安が夜を恐怖に変える―心理的要因の影響

        
        
            高齢になると、犬も不安を感じやすくなります。特に視力や聴力が低下してくると、飼い主さんの存在を確認できないことへの不安が強くなり、夜間の問題行動につながることがあります。[38]
        

        
            2020年のコロナ禍で在宅ワークが増えた時期、興味深い現象が起きました。それまで日中の留守番に慣れていた犬たちが、飼い主さんが出社するようになると急に分離不安の症状を示すようになったのです。特に高齢犬では、この変化への適応が難しく、夜間の不安行動として現れることが多く見られました。
        

        
            ある14歳のマルチーズは、飼い主さんが寝室に入ると、ドアの前で一晩中鳴き続けるようになりました。これまでリビングで一人で寝ていたのに、急に飼い主さんのそばを離れられなくなってしまったのです。行動療法と環境調整により、3か月かけて徐々に改善していきました。[34]
        

        ## 本当の認知症―最後に疑うべき診断

        
        
            他の原因を除外して初めて、認知症の診断に至ります。実際、私の経験では、夜間徘徊を主訴に来院した犬の中で、真の認知症だったのは全体の1割程度でした。しかし、認知症の場合は、他の疾患とは異なる特徴的な症状が見られます。
        

        
            認知症の犬は、同じ場所をグルグルと回り続けたり、部屋の隅で立ち往生してしまったりすることがあります。[3]特に四角い部屋の角にはまり込んで、後ずさりができずに鳴き続けることがあります。このような場合は、環状サークルを使用することで、角にはまり込むのを防ぐことができます。[12]
        

        
            また、認知症の犬は、食事をしたことを忘れてしまい、何度も食事を要求することがあります。[4]しかし、これは単なる食欲亢進ではなく、「食べた」という記憶そのものが失われているのです。
        

        
            忘れもしない2017年の冬、16歳の柴犬ジロウ君のケースです。彼は夜中に決まって北東の方角を向いて立ち尽くし、時には2時間以上も同じ姿勢でいることがありました。DHAやEPAのサプリメント、漢方薬の処方により、ある程度の改善は見られましたが、完全に元に戻ることはありませんでした。[5]
        

        
            ## 夜間徘徊への対処法―今日からできること

            
                - まずは動物病院で検査を

                血液検査、レントゲン、必要に応じて超音波検査を受けましょう。身体的な問題がないか確認することが第一歩です。

                
                - 痛みのケア

                関節に優しい寝床の用意、適度な運動、必要に応じて鎮痛薬の使用を検討します。[23]

                
                - 環境の工夫

                夜間照明の設置、家具の配置を変えない、滑り止めマットの使用など、安全で安心できる環境を整えます。[44]

                
                - 生活リズムの調整

                日中の活動量を増やし、夜はしっかり眠れるようにリズムを整えます。昼寝が長すぎる場合は、優しく起こしてあげましょう。[4]

                
                - 不安の軽減

                飼い主さんの匂いがついたタオルを寝床に置く、優しい音楽をかける、必要に応じて抗不安薬の使用を検討します。[38]

            

        

        ## まとめ―愛犬の夜を守るために

        
        
            愛犬が夜中に歩き回る姿を見ると、つい「認知症かも」と不安になってしまいます。でも、実際にはもっと治療可能な原因が隠れていることが多いのです。関節の痛み、視力の低下、ホルモンバランスの乱れ、そして不安。これらの問題は、適切な診断と治療により改善する可能性があります。
        

        
            私が15年間の動物病院勤務で学んだ最も大切なことは、「犬は痛みや不快感を上手に隠す」ということです。だからこそ、飼い主さんの「いつもと違う」という直感を大切にしてほしいのです。夜間の異常行動は、愛犬からのSOSかもしれません。
        

        
            まずは獣医師に相談し、しっかりと検査を受けてください。そして、原因に応じた適切な治療を始めましょう。たとえ認知症だったとしても、生活の質を向上させる方法はたくさんあります。愛犬が安心して眠れる夜を取り戻すために、今日から一歩を踏み出してみませんか。
        

        
        ## よくある質問

        
        
            Q1. 夜間徘徊は何歳頃から始まることが多いですか？
            個体差がありますが、関節疾患による夜間徘徊は7〜8歳頃から、内分泌疾患によるものは10歳前後、認知症による徘徊は11〜12歳以降に多く見られます。ただし、遺伝的要因により若い年齢で発症することもあります。

        
        
        
            Q2. 昼間は普通なのに夜だけ異常行動を示すのはなぜですか？
            夜間は気温が下がり関節痛が悪化しやすく、また暗さによる視覚的不安も加わります。さらに、静かな環境では小さな音にも敏感になりやすく、これらの要因が複合的に作用して夜間の異常行動につながることがあります。

        
        
        
            Q3. 夜間徘徊への対処で睡眠薬は使ってもいいですか？
            安易な睡眠薬の使用は避けるべきです。特に認知症の場合、鎮静剤や麻酔薬は症状を悪化させる可能性があります。[72]必ず獣医師と相談し、原因に応じた適切な薬物療法を選択することが大切です。

        
        
        
            Q4. 認知症と他の病気をどう見分ければいいですか？
            認知症は他の疾患を除外して初めて診断されます。血液検査で内分泌疾患を、画像検査で関節疾患を、眼科検査で視力の問題を確認します。また、認知症特有の症状（同じ場所での旋回、角での立ち往生など）の有無も重要な判断材料となります。

        
        
        
            Q5. 夜間徘徊は完全に治りますか？
            原因によって予後は異なります。関節痛や内分泌疾患が原因の場合は、適切な治療により大幅な改善が期待できます。視力低下による不安も環境調整で軽減可能です。認知症の場合は完治は難しいですが、症状の進行を遅らせ、生活の質を向上させることは可能です。

        

        
        
            ## 飼い主の声

            
            
                「うちの子（トイプードル・13歳）が夜中に歩き回るようになって、最初は認知症を覚悟しました。でも検査の結果、甲状腺機能低下症だと分かり、お薬を始めたら2週間ほどで夜もぐっすり眠るようになりました。諦めずに病院に行って本当に良かったです。」（東京都・Kさん）
            
            
            
                「15歳の柴犬が夜中にウロウロして壁にぶつかることが増えました。白内障と変形性関節症の診断を受け、痛み止めと夜間照明を設置したところ、かなり落ち着きました。完全ではないけれど、お互いに眠れるようになって助かっています。」（大阪府・Tさん）
            
        

        
        
            ## 参考文献

            
                - 介護のノウハウ「認知症への対応」老犬ケア. Available at: https://www.rouken-care.jp/knowhow/dementia/ (Accessed: July 8, 2025)

                - Li Y, Wang W, Zhu L, et al. Pet Ownership, Living Alone, and Cognitive Decline Among Adults 50 Years and Older. JAMA Netw Open. 2023;6(12):e2349241. doi: 10.1001/jamanetworkopen.2023.49241. PMID: 38147332

                - シニア犬・老犬の認知症・痴呆. キュティア老犬クリニック. Available at: https://cutia.jp/rouken-deme.html (Accessed: July 8, 2025)

                - その行動、ホントに犬の認知症？ ウェブマガジン ペットと、ずっと。Available at: https://jp.unicharmpet.com/ja/web-magazine/dog-000030.html (Accessed: July 8, 2025)

                - 老犬の徘徊について原因と対応を解説. ふぁみまる. 2021. Available at: https://pet-tabi.jp/weblog/rouken-haikai/ (Accessed: July 8, 2025)

            

            
            
                その他の参考文献を表示
                
                    - 犬の甲状腺機能低下症の症状と原因、治療について. 次郎丸動物病院. Available at: https://jiroumaru-ah.com/case/case-endocrinology/entry-84.html

                    - 犬の甲状腺機能低下症って？症状や原因、治療法を解説. 犬との暮らし大百科. 2024. Available at: https://www.anicom-sompo.co.jp/inu/4010.html

                    - クッシング症候群（副腎皮質機能亢進症）. FPCペット保険. 2024. Available at: https://www.fpc-pet.co.jp/dog/disease/105

                    - 高齢犬の関節炎について. APMA. 2022. Available at: https://apma-yobo.org/2022/09/16/nagasaka_column2/

                    - 変形性関節症. FPCペット保険. 2024. Available at: https://www.fpc-pet.co.jp/dog/disease/149

                    - 高齢犬の約4割が発症している変形性関節症. ワンクォール. 2023. Available at: https://magazine.cainz.com/wanqol/articles/dog_osteoarthritis

                    - 分離不安症について. FPCペット保険. 2024. Available at: https://www.fpc-pet.co.jp/dog/disease/227

                    - 老犬が甘えるのは年齢のせい？それとも分離不安？Qooppy. 2021. Available at: https://qooppy.com/2020/01/21/separation-anxiety/

                    - 犬の白内障。初期症状は？治療法は？ アニコム損保. 2024. Available at: https://www.anicom-sompo.co.jp/inu/2101.html

                    - 愛犬の視力低下の見極め方. ワンペディア. Available at: https://wanpedia.com/visual-acuity/

                    - 犬の白内障について. かつまペットクリニック. Available at: https://katsuma-pc.jp/cataract/vol1.html

                    - 老齢犬の問題行動と対処法. 共立製薬株式会社. Available at: https://www.kyoritsuseiyaku.co.jp/owner/knowledge/solution/dog3.html

                    - Okada M, et al. Magnetic resonance imaging features and clinical signs associated with presumptive and confirmed progressive myelomalacia in dogs. J Am Vet Med Assoc. 2010;237(10):1160-5. PMID: 21073387

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