# 犬が耳をかたむける・頭を振る：耳ダニや中耳炎を疑う

> 犬が耳をかたむける・頭を振る：耳ダニや中耳炎を疑うについて、考えられる原因や背景、家庭でのケアと受診を検討する目安をイヌラバ博士がわかりやすく解説します。

- 正規URL: https://inulova.com/post/dog-head-shaking-ear-mite-otitis
- 公開日: 2025-11-14
- 執筆・編集: イヌラバ博士
- タグ: 耳の病気、フィラリア・ノミ・マダニ

犬の頭振り・耳傾け症状は主に耳ダニ（Otodectes cynotis）感染、外耳炎から続発する中耳炎、前庭疾患が原因です。

            緊急度の判断基準：激しい眼振・起立不能・繰り返す嘔吐がある場合は24時間以内の受診が必要。軽度の頭傾斜のみなら48-72時間は経過観察可能です。

            予後：耳ダニは適切な駆虫薬で2-3週間で完治。中耳炎は抗生物質治療で6-8週間、特発性前庭疾患は72時間以内に改善開始、2-3週間でほぼ回復します。

        

        
        
            愛犬がしきりに頭を振る姿、見ていて心配になりませんか。私が動物病院で勤務していた15年間、この症状で来院される飼い主さんの不安な表情は今でも忘れられません。実は、この「頭振り」と「耳の傾き」には、見逃してはいけない重要なサインが隠されているのです。
        

        
        
            ### ⚠️ 緊急受診が必要な症状

            以下の症状がある場合は、すぐに動物病院へ：

            ・起立困難または歩行不能

            ・激しい眼振（目がグルグル回る）

            ・繰り返す嘔吐（30分以内に3回以上）

            ・意識レベルの低下

        

        
        ## なぜうちの子は首をかしげる？不安になる飼い主の気持ち

        
        耳のトラブルは犬の受診理由の約5％を占めています[1]。昨年2024年の夏、世田谷区にお住まいの田中さん（仮名）から電話がありました。「うちのゴールデンレトリバーが、朝からずっと左に首を傾けて…」声が震えていたのを覚えています。ゴロゴロと頭を床にこすりつける仕草は、まるで何かから逃れようとしているかのよう。

        実際、犬の耳の構造は人間と違い、L字型に曲がっているため、水分や汚れが溜まりやすくなっています。さらに垂れ耳の犬種では、通気性が悪く湿度が高くなりがち。これが細菌や真菌の温床となりやすいのです。

        最近の研究では、外耳炎を患う犬の60％以上にMalassezia pachydermatisという酵母菌が検出されています[2]。でも、意外かもしれませんが、耳ダニ（Otodectes cynotis）の感染率は犬では2.8-6％と、実は猫（0.9-37％）より低いんです[3]。

        ## 震える手で触れる耳：痛みのサインを見逃さないで

        2023年の秋、私が担当した柴犬のコタロウ君（8歳）のケースをお話しします。飼い主さんは「ただの耳垢だと思って…」と後悔されていました。

        耳ダニ感染の特徴的な症状は「コーヒーかす様」の黒褐色の耳垢です[4]。顕微鏡で見ると、体長約400μmの白い虫体が動き回っているのが確認できます。ところが、耳ダニがいても無症状の犬もいるんです。一方で、少数の寄生でも激しい痒みを示す子もいて、個体差が大きいのが特徴です。

        ### 症状の重症度を見極める3つのポイント

        私が15年間の経験で学んだことは、飼い主さんでも判断できる重症度の見分け方があるということ。

        
            
                
                    重症度
                    症状
                    緊急度
                    家庭での対応
                
            
            
                
                    軽度
                    ・時折頭を振る
・軽い耳の臭い
・少量の耳垢
                    1週間以内
                    耳の観察継続
                
                
                    中等度
                    ・頻繁な頭振り
・耳介の発赤
・黒褐色の耳垢
                    2-3日以内
                    耳を触らせない
                
                
                    重度
                    ・頭部傾斜
・歩行困難
・顔面神経麻痺
                    即日
                    安静にして即受診
                
            
        

        とはいえ、見た目だけでは判断が難しいケースも。中耳炎の約70％は鼓膜が正常に見えるという報告があります[5]。つまり、外から見えない部分で炎症が進行している可能性があるんです。

        ## 頭がグラグラ…前庭疾患という見逃せない病気

        「まるで酔っ払いみたいに…」2024年1月、横浜市の山田さん（仮名）は13歳のビーグル犬を抱えて来院されました。前庭疾患、特に特発性前庭症候群は高齢犬に多く、平均発症年齢は12-13歳です[6]。

        症状は劇的です。グルグルと回る目（眼振）、まっすぐ歩けない、嘔吐…。でも、ここで朗報があります。特発性前庭疾患の多くは72時間以内に改善が始まり、2-3週間でほぼ回復します[7]。

        ただし、中には深刻な原因が隠れていることも。ある研究では、MRI検査を行った前庭疾患の犬のうち、29％が末梢性、46％が中枢性、25％が逆説性前庭疾患だったと報告されています[8]。

        ### 家庭でできる応急処置と注意点

        さて、病院へ行くまでの間、何ができるでしょうか。

        まず、絶対にやってはいけないことがあります。綿棒での耳掃除です。「きれいにしてあげたい」その気持ちはよくわかります。でも、炎症を起こしている耳道に綿棒を入れると、かえって悪化させる可能性が高いんです。

        実は、健康な犬の耳は自浄作用があり、過度な掃除は必要ありません。耳毛の除去も、炎症がない限り避けた方が良いという報告もあります[9]。

        応急処置として有効なのは：

        1. 静かで暗い場所で安静にさせる

        2. 水と食事は低い位置に置く（首を曲げなくて済むように）

        3. 滑り止めマットを敷く（転倒防止）

        4. エリザベスカラーで耳を掻かせない

        ## 治療の実際：獣医師は何を考えているか

        診察室で私たちが最初に行うのは、耳鏡検査です。鼓膜の状態、耳道の腫れ、異物の有無を確認します。次に、耳垢の顕微鏡検査。

        細菌性外耳炎の最も多い原因菌はStaphylococcus pseudintermediusで、次いでPseudomonas aeruginosaです[10]。後者は治療が困難で、バイオフィルムを形成することもあります。

        治療方針は原因によって大きく異なります：

        耳ダニの場合、イベルメクチンやセラメクチンなどの駆虫薬が有効です。最新のイソキサゾリン系薬剤（サロラネル、フルララネル）は、1回の投与で効果が1ヶ月持続します[11]。昔は毎日点耳薬を入れていましたが、今は格段に楽になりました。

        中耳炎では、全身投与の抗生物質が必要になることが多いです。治療期間は最低6週間、症状が消えてからも3週間は継続します[12]。「もう良くなったから」と途中でやめてしまうと、再発リスクが高まるんです。

        ## 予防こそ最良の治療：毎日のケアで守る愛犬の健康

        2022年の春、定期健診で来院された練馬区の佐藤さん（仮名）のプードル。「先生のアドバイス通り、週1回の耳チェックを続けています」と。3年前に一度外耳炎を経験してから、予防に力を入れているそうです。

        予防のポイントは意外にシンプル：

        ・週1回、耳の中を観察（臭い、色、量をチェック）

        ・シャンプー後は耳の中の水分を優しく拭き取る

        ・垂れ耳の子は、時々耳を持ち上げて通気を良くする

        ・アレルギー体質の子は、原因となる食物を避ける

        特に注意が必要な犬種があります。フレンチブルドッグ、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル、コッカースパニエル、ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアは、中耳炎になりやすいという報告があります[13]。

        ## よくある質問

        
            Q1: 耳ダニは人間にうつりますか？
            A: 極めてまれですが、人への感染例が報告されています。ただし、人の皮膚では長期間生存できないため、一時的な症状で終わることがほとんどです。基本的な衛生管理（手洗い）で十分予防可能です。

        

        
            Q2: 市販の耳掃除液を使ってもいいですか？
            A: 健康な耳であれば問題ありませんが、炎症がある場合は逆効果になることも。特に鼓膜が破れている場合、一部の成分は内耳毒性があるため危険です。獣医師の診断を受けてから使用することをお勧めします。

        

        
            Q3: 頭の傾きは治りますか？
            A: 原因によります。特発性前庭疾患では多くが2-3週間で回復しますが、軽度の頭部傾斜が残ることもあります。中耳炎が原因の場合、早期治療で完全回復が期待できます。

        

        
            Q4: 再発を防ぐにはどうすればいいですか？
            A: アレルギー性皮膚炎が基礎にある場合が多いため、アレルゲンの特定と回避が重要です。定期的な耳の観察、適切な耳道の乾燥維持、そして早期発見・早期治療が再発防止の鍵となります。

        

        
            Q5: 治療費はどのくらいかかりますか？
            A: 初診で検査込みで1-2万円程度、軽度の外耳炎なら点耳薬で数千円。中耳炎でCT検査が必要な場合は5-10万円、手術が必要な重症例では20-30万円かかることもあります。ペット保険の加入も検討されることをお勧めします。

        

        
        
            ## 飼い主の声

            
            
                「うちのラブラドール（7歳）が急に頭を傾けて歩くようになり、本当に驚きました。前庭疾患と診断されましたが、先生から『多くは良くなる』と聞いて安心しました。2週間で普通に歩けるようになり、今では元気に走り回っています」（埼玉県・Kさん）
            
            
            
                「耳ダニと診断された時は『私の管理が悪かったのか』と自分を責めました。でも先生から『誰でもなる可能性がある』と言われて気が楽になりました。駆虫薬1回で劇的に良くなり、あの苦しそうな姿が嘘のようです」（千葉県・Mさん）
            
        

        
        
            ## 参考文献

            
                - O'Neill DG, Church DB, McGreevy PD, et al. Prevalence of disorders recorded in dogs attending primary-care veterinary practices in England. PLoS One. 2014;9(3):e90501. doi: 10.1371/journal.pone.0090501. PMID: 24594665

                
                - Boone JM, Bond R, Loeffler A, et al. Malassezia otitis unresponsive to primary care: outcome in 59 dogs. Vet Dermatol. 2021;32(5):441-e119. doi: 10.1111/vde.12995. PMID: 34189776

                
                - Sotiraki S, Karagiannidou M, et al. Otodectes cynotis: examination of survival off-the-host. Exp Parasitol. 2021;4(3):334-e96. doi: 10.1016/j.exppara.2021.108234

                
                - Akucewich LH, Philman K, Clark A, et al. Prevalence of ectoparasites in a population of feral cats from north central Florida during the summer. Vet Parasitol. 2002;109(1-2):129-39. doi: 10.1016/s0304-4017(02)00205-4. PMID: 12383632

                
                - Cole LK, Kwochka KW, Kowalski JJ, et al. Microbial flora and antimicrobial susceptibility patterns of isolated pathogens from the horizontal ear canal and middle ear in dogs with otitis media. J Am Vet Med Assoc. 1998;212:534–538. PMID: 9491159

                
                - Rossmeisl JH Jr. Vestibular disease in dogs and cats. Vet Clin North Am Small Anim Pract. 2010;40(1):81-100. doi: 10.1016/j.cvsm.2009.09.007. PMID: 19942058

                
                - Foth S, Meller S, De Decker S, Volk HA. Unilateral decrease in inner ear signal in fluid-attenuated inversion recovery sequences in previously suspected canine idiopathic vestibular syndrome. Vet J. 2021;277:105748. doi: 10.1016/j.tvjl.2021.105748. PMID: 34543745

                
                - Harrison E, Grapes NJ, Volk HA, De Decker S. Clinical reasoning in canine vestibular syndrome: Which presenting factors are important? Vet Rec. 2021;188(6):e61. doi: 10.1002/vetr.61. PMID: 33739504

                
                - Harvey RG, ter Haar G. Ear, nose and throat diseases of the dog and cat. Boca Raton, FL: CRC Press; 2017:161-162, 189-190.

                
                - Saridomichelakis MN, Farmaki R, Leontides LS, et al. Aetiology of canine otitis externa: a retrospective study of 100 cases. Vet Dermatol. 2007;18(5):341-347. doi: 10.1111/j.1365-3164.2007.00619.x. PMID: 17845621

                
                - Becskei C, Cuppens O, Mahabir SP. Efficacy and safety of sarolaner in the treatment of canine ear mite infestation caused by Otodectes cynotis: a non-inferiority study. Vet Dermatol. 2018;29(2):100-e39. doi: 10.1111/vde.12521. PMID: 29392787

                
                - Gotthelf LN. Diagnosis and treatment of otitis media in dogs and cats. Vet Clin North Am Small Anim Pract. 2004;34(2):469-87. doi: 10.1016/j.cvsm.2003.10.007. PMID: 15062620

                
                - Souza CP, Foss KD, Mascarenhas MB, Clegg JL. Otitis media with effusion in two Boston terrier dogs. Vet Med Sci. 2023;9(3):1069-1073. doi: 10.1002/vms3.1092. PMID: 36723508

            

        

        
        
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