# 犬の耳を触ると嫌がる：外耳炎・中耳炎・痛みの見極め方

> 犬が耳を触ると嫌がる主な原因は外耳炎（有病率5〜20%）です。

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- 公開日: 2025-12-03
- 執筆・編集: イヌラバ博士
- タグ: 耳の病気

犬が耳を触ると嫌がる主な原因は外耳炎（有病率5〜20%）です。

            緊急受診が必要な症状：首の傾き、眼振、歩行困難、顔面麻痺

            高リスク犬種：バセットハウンド（5.87倍）、シャーペイ（3.44倍）、ビーグル（2.54倍）

        

        
            「昨日までは平気だったのに、今日は耳を触っただけでキャンと鳴いた」——そんな経験はありませんか。2017年の春、横浜市内の動物病院で私が担当した5歳のコッカースパニエル、チョコくんもそうでした。飼い主さんは「ちょっと触っただけなのに」と困惑した表情で来院されたのを、今でもはっきり覚えています。
        

        ## 耳の痛みが隠れている可能性と統計データ

        
            犬が耳を触られることを嫌がる場合、ほとんどのケースで外耳炎が関わっていると考えて差し支えありません。イギリスで実施された大規模な調査では、犬の外耳炎の年間有病率は7.30%と報告されています[1]。つまり、約14頭に1頭が外耳炎を経験する計算になるわけです。
        

        
            とはいえ、この数字は動物病院を受診した犬のデータですから、実際にはもっと多くの犬が軽い症状を抱えているのではないでしょうか。私が勤務していた神奈川県内の病院では、2019年の夏に耳の相談が急増したことがありました。湿度の高い時期は耳道内の環境が悪化しやすいのです。
        

        
            ヨーロッパの別の研究では、犬種や地域によって有病率が8.7%から20%まで幅があるとされています[1]。日本でも似た傾向があるのではと推測されますが、残念ながら国内の大規模データはまだ十分に揃っていません。
        

        ## 外耳炎と中耳炎のちがいを知っておく重要性

        
            さて、ここで外耳炎と中耳炎の違いについて整理しておきましょう。外耳炎は耳介（いわゆる耳たぶ）から鼓膜までの外耳道に起こる炎症です。一方、中耳炎は鼓膜の奥にある中耳腔まで炎症が及んだ状態を指します[2]。
        

        
            
                項目
                外耳炎
                中耳炎
            
            
                炎症部位
                外耳道（耳介〜鼓膜）
                中耳腔（鼓膜の奥）
            
            
                主な症状
                頭を振る、耳を掻く、悪臭、耳垢の増加
                首の傾き、眼振、顔面麻痺、口を開けると痛む
            
            
                併発率
                —
                慢性外耳炎の50〜80%が併発
            
            
                診断難易度
                耳鏡検査で比較的容易
                CT/MRIが必要な場合あり
            
        

        
            2015年の冬、私は宮城県から転勤してきた獣医師から中耳炎の見落としについて注意を受けたことがあります。「鼓膜が破れていなくても中耳炎は起こりうる」という点を、当時の私は十分に理解していませんでした。実際、鼓膜が破れていないケースは70%以上にのぼるとされています[2]。
        

        
            慢性的な外耳炎を放置すると、やがて中耳まで炎症が波及します。ある研究では、慢性外耳炎の50%から80%が中耳炎を合併していると報告されました[2]。急性外耳炎でも16%程度は中耳炎を伴うというデータもあります。「たかが耳の汚れ」と侮ってはいけない理由がここにあるのです。
        

        
            ### ⚠️ すぐに病院へ行くべき緊急症状

            
                首を傾けたまま戻らない／目が左右または上下に揺れる（眼振）／歩くとふらつく・真っ直ぐ歩けない／口を開けるときに痛がる・食べにくそう／顔の片側が垂れ下がっている（まぶた・唇・耳介）／耳から膿のような強い悪臭がする
            

        

        ## なぜあの犬種は耳を悪くしやすいのか

        
            「うちのゴールデンレトリバーは毎年外耳炎になる」という声を、私は何度聞いたかわかりません。実のところ、犬種によって外耳炎のリスクには大きな差があります。2021年にイギリスで発表された22,333頭を対象にした研究では、興味深い結果が示されました[1]。
        

        
            雑種犬を基準にした場合、バセットハウンドは5.87倍のオッズ比を示しました。続いてシャーペイが3.44倍、ラブラドゥードルが2.95倍、ビーグルが2.54倍、ゴールデンレトリバーが2.23倍と続きます[1]。ふと思い返すと、私が担当した外耳炎の症例でも、これらの犬種は確かに多かった印象があります。
        

        
            なぜ特定の犬種で外耳炎が多いのでしょうか。答えは耳の形状にあります。垂れ耳の犬種は、立ち耳の犬種と比較して外耳炎の発症リスクが1.76倍高いと報告されています[1]。垂れ耳は通気性が悪く、耳道内に湿気がこもりやすいのです。
        

        
            2013年に埼玉県の病院で経験した事例をお話しします。11歳のアメリカンコッカースパニエル、モモちゃんは、飼い主さんが「毎月のように耳が臭くなる」と困り果てて来院しました。詳しく調べてみると、アトピー性皮膚炎が背景にありました。表面の感染だけを治療しても、根本原因に対処しなければ繰り返すのは当然だったのです。
        

        ## アレルギーと耳のトラブルは切っても切れない関係

        
            アレルギーと耳の病気には、密接な関連があります。ある研究では、慢性外耳炎の最大75%がアレルギー性疾患と関連しているとされました[3]。つまり、繰り返す外耳炎は「耳だけの問題」ではなく、全身のアレルギー反応の一部である可能性が高いのです。
        

        
            アトピー性皮膚炎を持つ犬では、外耳炎が唯一の症状として現れることもあります[3]。スイスで行われた調査では、食物アレルギーを持つ犬の55%が外耳炎を発症していたと報告されています[3]。さらに注目すべきは、34%の犬では耳の症状が他のアレルギー症状よりも先に現れていたという点です。
        

        
            2020年に私が相談を受けた柴犬のリクくん（4歳）は、まさにこのパターンでした。飼い主さんは「春になると耳を掻く」と言っていましたが、よく話を聞くと足先を舐める癖もあったそうです。環境アレルギーの検査を勧めたところ、花粉への反応が強く出ました。耳の治療だけでなく、アレルギー対策を併用することで、翌年から症状はかなり落ち着きました。
        

        ### 二次感染が状況を複雑にする仕組み

        
            外耳炎の耳からは、しばしば細菌や酵母菌が検出されます。最も多いのはブドウ球菌属で、マラセチアという酵母菌も非常に多く見られます[2]。これらは健康な犬の耳にも少数は存在しますが、耳道の環境が変化すると一気に増殖するのです。
        

        
            2018年に大阪の病院で担当したミニチュアダックスフンドのハナちゃんのケースを紹介します。3ヶ月間自宅で市販の耳洗浄液を使っていたものの、症状は一向に改善しませんでした。細胞診検査を行ったところ、緑膿菌が大量に検出されました。緑膿菌はバイオフィルムという防御膜を形成し、通常の抗菌薬が効きにくくなるやっかいな細菌です[2]。結局、獣医師の指導のもとで適切な洗浄と投薬を行い、約6週間で改善に向かいました。
        

        
            ここで一つ、私自身の失敗談をお話しさせてください。2014年、駆け出しの頃に担当したポメラニアンのポン太くん。飼い主さんの「耳が痒そう」という訴えに対し、私は十分な検査をせずに一般的な点耳薬を処方してしまいました。2週間後の再診で症状が悪化しており、改めて細胞診を行ったところ、耳ダニの感染が見つかりました。最初からきちんと検査していれば、回り道をせずに済んだのです。この経験から、どんなに軽症に見えても基本的な検査は省略しないことを学びました。
        

        ## 家庭でできる痛みのチェック方法

        
            動物病院では耳鏡を使って耳道の奥まで観察しますが、家庭でもある程度の確認は可能です。ただし、すでに痛みがある犬に無理をすると噛まれる危険がありますから、慎重に進めてください。
        

        
            まず、耳介（耳たぶ）の根元を優しく触ってみます。健康な犬であれば嫌がりません。次に、耳介を少し持ち上げて耳道の入り口を観察します。赤みがあったり、普段より耳垢が多かったり、臭いが強い場合は異常のサインです。
        

        
            2021年に千葉県の飼い主さんから電話相談を受けた際、私はこう伝えました。「コットンを軽く耳の入り口に当てて、黄色や茶色、黒っぽい汚れがつくかどうかを見てください」と。その方は「真っ黒な汚れがどっさりついた」と驚いていました。翌日すぐに受診され、外耳炎と耳ダニの混合感染と診断されました。
        

        
            #### ✅ 家庭での耳チェックポイント

            
                耳介の赤み・腫れがないか／耳を触ったときに頭を引く・嫌がるそぶりがないか／耳垢の色と量（正常は薄茶色で少量）／臭い（健康な耳は無臭に近い）／頭を振る頻度が増えていないか／床や家具に耳をこすりつけていないか
            

        

        ## 外耳炎を長引かせてしまうよくある間違い

        
            実のところ、外耳炎が慢性化する背景には飼い主さんの対応ミスが関わっていることも少なくありません。「症状が軽くなったから」と途中で薬をやめてしまうケースは、非常に多く見られます。
        

        
            2016年に名古屋の病院で出会ったフレンチブルドッグのブーちゃんは、まさにこのパターンでした。過去1年で4回も外耳炎を繰り返していましたが、飼い主さんに聞くと、毎回「1週間くらいで良くなったからやめた」とのこと。外耳炎の治療は通常2〜4週間続ける必要があり[2]、中途半端にやめると耐性菌が生まれるリスクも高まります。
        

        
            もう一つよくある誤解は、「綿棒で奥まで掃除したほうがいい」というものです。これはむしろ逆効果で、耳垢を奥に押し込んでしまったり、耳道を傷つけて炎症を悪化させる原因になります。どうしても気になる場合は、イヤークリーナーを数滴垂らして軽くマッサージし、犬が自然に頭を振って出てきた汚れを拭き取る程度にとどめてください。
        

        ## よくある質問

        
            Q. 犬が耳を触ると急に怒るのは病気ですか？
            急に耳を触られることを嫌がるようになった場合、外耳炎や中耳炎による痛みが原因である可能性が高いです。研究によると、犬の外耳炎の有病率は5〜20%と報告されており、決して珍しい症状ではありません[1]。特に垂れ耳の犬種では発症リスクが1.76倍高くなります。

        

        
            Q. 外耳炎と中耳炎の違いは何ですか？
            外耳炎は耳介から鼓膜までの外耳道の炎症で、頭を振る、耳を掻くといった症状が特徴です。中耳炎は鼓膜の奥にある中耳腔の炎症で、首を傾ける、バランスを崩す、顔面神経麻痺などの神経症状が現れることがあります[2]。慢性外耳炎の50〜80%が中耳炎を併発するとされています。

        

        
            Q. どの犬種が耳の病気になりやすいですか？
            バセットハウンドが最もリスクが高く、雑種犬と比較して5.87倍の発症率です。次いでシャーペイが3.44倍、ラブラドゥードルが2.95倍、ビーグルが2.54倍、ゴールデンレトリバーが2.23倍と報告されています[1]。垂れ耳や耳道に毛が多い犬種は特に注意が必要です。

        

        
            Q. すぐに病院に行くべき症状はどれですか？
            首を傾けたまま戻らない、目が左右に揺れる、歩行時にふらつく、口を開けると痛がる、顔の片側が垂れ下がるといった神経症状が見られたら、中耳炎や内耳炎の可能性があり、早急に受診してください[2]。また、耳から膿のような悪臭のある分泌物が出ている場合も緊急性が高いです。

        

        
            Q. アレルギーと耳の病気は関係がありますか？
            はい、大きく関係しています。慢性外耳炎の最大75%がアレルギー性疾患と関連しているという報告があります[3]。アトピー性皮膚炎や食物アレルギーを持つ犬は耳のトラブルを起こしやすく、繰り返す外耳炎は実はアレルギーのサインかもしれません。

        

        
            ## 飼い主の声

            
                「5歳のビーグルを飼っています。毎年梅雨になると耳が臭くなり、触ると嫌がるようになります。最初は市販の洗浄液で済ませていましたが、なかなか治らず病院へ。アレルギー検査でダニへの反応が強いことがわかり、環境対策と食事療法を始めてから、今年は一度も外耳炎になっていません。早く調べておけばよかったと後悔しています。」（東京都・Mさん・40代）
            

            
                「ゴールデンレトリバー（8歳）が急に首を傾げるようになり、心配になってすぐ病院へ行きました。診断は中耳炎で、CT検査まで受けることに。抗生物質を6週間飲み続け、今は完治しましたが、もっと早く外耳炎の段階で気づいていればと思います。耳を触ると痛がるサインを見逃さないでほしいです。」（神奈川県・Tさん・50代）
            
        

        ## 愛犬の耳の健康を守るために

        
            この記事を通じてお伝えしたかったのは、「犬が耳を嫌がる」という些細な変化を見過ごさないでほしいということです。15年間、数えきれないほどの外耳炎を見てきましたが、早期に対処した犬と、慢性化してから来院した犬では、その後の経過が大きく異なります。
        

        
            特に垂れ耳の犬種を飼っている方、過去にアレルギー症状があった犬の飼い主さんは、定期的な耳のチェックを習慣にしてください。月に一度でいいので、耳介の内側を観察し、臭いを確認する。それだけで、問題の早期発見につながります。
        

        
            2023年に動物病院を退職してから、私はこうした情報発信を続けています。一人でも多くの飼い主さんが愛犬の小さな変化に気づき、適切なタイミングで獣医師に相談できるようになることを願ってやみません。あなたの愛犬の耳、今日チェックしてみませんか。
        

        
            ## 参考文献

            
                - O'Neill DG, Volk AV, Soares T, Church DB, Brodbelt DC, Pegram C. Frequency and predisposing factors for canine otitis externa in the UK - a primary veterinary care epidemiological view. Canine Med Genet. 2021 Sep 7;8(1):7. doi: 10.1186/s40575-021-00106-1. PMID: 34488894.

                - Bajwa J. Canine otitis externa - Treatment and complications. Can Vet J. 2019 Jan;60(1):97-99. PMID: 30651659; PMCID: PMC6294027.

                - Saridomichelakis MN, Farmaki R, Leontides LS, Koutinas AF. Aetiology of canine otitis externa: a retrospective study of 100 cases. Vet Dermatol. 2007 Oct;18(5):341-7. doi: 10.1111/j.1365-3164.2007.00619.x. PMID: 17845622.

                - Cole LK. Diagnosis and treatment of otitis media in dogs and cats. Vet Clin North Am Small Anim Pract. 2004 Mar;34(2):469-87. doi: 10.1016/j.cvsm.2003.10.007. PMID: 15062620.

            

        

        
            本記事はイヌラバ博士が編集した一般情報であり、個別の診断や治療に替わるものではありません。

            愛犬に異常が見られた場合は、必ず獣医師へご相談ください。

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本記事は一般的な情報提供であり、獣医師による診断・医療行為に代わるものではありません。急な悪化や強い異常がある場合は動物病院へ相談してください。
