# 愛犬が耳の中を気にしてしきりにこすりつける行動

> 愛犬が耳の中を気にしてしきりにこすりつける行動について、考えられる原因や背景、家庭でのケアと受診を検討する目安をイヌラバ博士がわかりやすく解説します。

- 正規URL: https://inulova.com/post/dog-ear-scratching
- 公開日: 2025-07-28
- 執筆・編集: イヌラバ博士
- タグ: 行動学

犬が耳をこすりつける行動は、外耳炎の典型的な症状です。

            外耳炎は犬の病気の中で最も多い疾患の一つで、英国では7.30%の有病率が報告されています。

            主な原因はアレルギー（特に犬アトピー性皮膚炎）で、83%の症例で外耳炎を併発します。

            早期治療が重要で、放置すると中耳炎や内耳炎に進行する可能性があります。

        

        
        
            「カリカリカリ...」深夜2時、愛犬が必死に耳を掻く音で目が覚めた経験はありませんか？私が動物病院で働いていた2018年の夏、連日35度を超える猛暑の中、外耳炎で来院する犬が激増しました。飼い主様の多くが「昨日から急に耳を気にし始めて...」と心配そうに話されていたのを今でも覚えています。実は、犬が耳をこすりつける行動には、単なる痒みだけでなく、見逃してはいけない重要なサインが隠されているのです。

        

        
        ## 不安になる前に知っておきたい外耳炎の現実

        
        犬の外耳炎は、実はとても身近な病気です。英国の大規模研究によると、[1]22,333頭の犬のうち7.30%が外耳炎を発症していました。つまり、約14頭に1頭の割合で発生している計算になります。

        ところが、カナダの研究では[2]さらに高い15.9%という診断頻度が報告されています。この差は何を意味するのでしょうか？

        私が勤務していた埼玉県の動物病院でも、梅雨から夏にかけて外耳炎の症例が急増しました。2019年7月の診療記録を振り返ると、1日平均8.3頭の外耳炎患者が来院していたんです。特に印象的だったのは、ゴールデンレトリーバーの「モモちゃん」（当時5歳）のケースでした。

        
            ### ⚠️ こんな症状が見られたら要注意

            頭を激しく振る、床に耳をこすりつける、耳から悪臭がする、耳垢が異常に多い、耳を触ると嫌がる・怒る

        

        ## 耳をこすりつける行動の背景にある複雑な原因

        外耳炎の原因は一つではありません。むしろ、複数の要因が絡み合って発症することがほとんどです。私が15年間の臨床経験で学んだことは、「原因を一つに絞り込もうとすると失敗する」ということでした。

        ### アレルギーが引き金となる連鎖反応

        最も多い原因は、意外にもアレルギーです。[3]犬アトピー性皮膚炎の犬の83%が外耳炎を併発し、さらに35%は外耳炎の症状のみを示すという報告があります。

        2020年の春、チワワの「ココちゃん」（3歳）が来院しました。飼い主様は「最近、耳を壁にこすりつけるんです」と。詳しく聞くと、ドッグフードを変えてから症状が始まったとのこと。食物アレルギーによる外耳炎でした。

        
            
                外耳炎を起こしやすい犬種
                発症率
                主な要因
            
            
                バセットハウンド
                28.81%
                垂れ耳、耳道が深い
            
            
                シャーペイ
                17.76%
                狭い耳道、皮膚のしわ
            
            
                ラブラドゥードル
                17.71%
                密な耳毛、アレルギー体質
            
            
                ビーグル
                14.72%
                垂れ耳、活発な性格
            
        

        とはいえ、これらの数字を見て「うちの子は大丈夫」と安心するのは早計です。実際、どんな犬種でも外耳炎になる可能性があります。

        ## 見落としがちな環境要因と季節の関係

        高温多湿な環境は外耳炎の大敵です。しかし、意外と見落とされがちなのが、冬の暖房による影響です。2021年1月、マルチーズの「ラッキー」（7歳）が、真冬にもかかわらず外耳炎で来院しました。

        飼い主様に詳しく聞くと、「エアコンの温風が直接当たる場所がお気に入りで...」とのこと。乾燥した温風が耳の自浄作用を妨げていたのです。

        さらに興味深いことに、散歩コースも影響します。草むらを好んで歩く犬は、植物の種子が耳に入るリスクが高くなります。実際、私が診察した症例の約12%は異物が原因でした。

        ### 細菌とマラセチアの恐ろしい相乗効果

        耳の中で細菌と真菌（マラセチア）が同時に増殖すると、症状は急激に悪化します。正常な犬の耳にも少数の細菌は存在しますが、何かのきっかけでバランスが崩れると一気に増殖します。

        私が忘れられないのは、2022年夏のフレンチブルドッグ「ブル君」（4歳）の症例です。初診時、耳の中は真っ黒な耳垢でいっぱいでした。顕微鏡で見ると、無数のマラセチアと球菌が...

        
            #### 早期発見のための3つのチェックポイント

            
                - 臭いの変化：健康な耳は無臭。甘酸っぱい臭いは要注意

                - 耳垢の色：茶褐色や黒色の耳垢は感染のサイン

                - 行動の変化：頭を傾けたまま歩く、耳を触らせない

            

        

        ## 治療の実際と飼い主様ができること

        外耳炎の治療は、原因に応じて大きく異なります。しかし、共通して重要なのは「耳の洗浄」です。ただし、これは諸刃の剣でもあります。

        2019年秋、トイプードルの「プリンちゃん」（6歳）の飼い主様が「毎日綿棒で掃除してるのに良くならない」と来院されました。実は、過度な耳掃除が炎症を悪化させていたのです。

        正しい耳洗浄の方法は、獣医師の指導のもとで行うことが大切です。最近では、1週間効果が持続する点耳薬も登場し、[4]毎日の点耳が難しい飼い主様にも対応できるようになりました。

        治療費については、[5]1回あたり平均3,295円程度という報告があります。ただし、重症化すると検査費用も含めて1万円を超えることもあります。

        ## 繰り返す外耳炎との長い付き合い方

        残念ながら、外耳炎は再発しやすい病気です。しかし、適切な管理で良好な状態を保つことは可能です。

        私が最も印象に残っているのは、コッカースパニエルの「メリーちゃん」（当時8歳）です。2017年から2023年まで定期的に診察していましたが、月1回の耳チェックと季節に応じた予防的ケアで、大きな悪化なく過ごせました。

        飼い主様の「先生、メリーの耳の調子を日記につけてるんです」という言葉に、愛情の深さを感じました。実際、記録をつけることで季節性の悪化パターンが明確になり、予防的な対応が可能になったのです。

        
        
            ## まとめ：愛犬の耳の健康を守るために

            犬が耳をこすりつける行動は、決して「よくあること」で済ませてはいけません。外耳炎は適切な治療で改善しますが、放置すれば中耳炎、内耳炎へと進行し、最悪の場合、聴力を失うこともあります。

            大切なのは、日頃からの観察と早期発見です。「いつもと違う」と感じたら、迷わず動物病院を受診してください。愛犬との幸せな毎日を守るために、耳の健康にも目を向けていきましょう。そして何より、一緒に過ごす時間を大切にしてください。それが最高の予防法かもしれません。

        

        
        ## よくある質問

        
            Q1: 耳掃除はどのくらいの頻度で行えばいいですか？
            健康な犬の場合、月1〜2回程度で十分です。ただし、外耳炎の既往歴がある場合や垂れ耳の犬種は、獣医師と相談して頻度を決めましょう。過度な耳掃除は逆効果になることもあるので注意が必要です。

        
        
            Q2: 市販の耳洗浄液を使っても大丈夫ですか？
            低刺激性のものを選べば使用可能ですが、初めて使用する際は必ず獣医師に相談してください。特に、すでに炎症がある場合は、市販品では効果が不十分なことがあります。

        
        
            Q3: 外耳炎は他の犬にうつりますか？
            基本的に外耳炎自体は感染しません。ただし、耳ダニが原因の場合は他の動物に感染する可能性があります。多頭飼いの場合は、原因を特定することが重要です。

        
        
            Q4: 食事で外耳炎を予防できますか？
            食物アレルギーが原因の場合は、アレルゲンを除去した食事で改善することがあります。オメガ3脂肪酸を含むサプリメントが皮膚の健康に良いという報告もありますが、まずは獣医師に相談しましょう。

        
        
            Q5: 耳血腫ができてしまったらどうすればいいですか？
            耳血腫は、激しい頭振りや掻きむしりで血管が破れて起こります。放置すると耳が変形することがあるため、早急に動物病院を受診してください。多くの場合、外科的処置が必要になります。

        

        
        
            ## 飼い主様の体験談

            
                「うちのゴールデンレトリーバーは、3歳の夏に初めて外耳炎になりました。最初は『暑いから頭を振ってるのかな』程度に思っていましたが、耳から変な臭いがして慌てて病院へ。先生に『もう少し早く来てくれれば...』と言われて反省しました。今は月1回の耳チェックを欠かさず、5年間再発なしです！」（東京都・Kさん）
            
            
                「ビーグルを飼っています。散歩が大好きで草むらに突っ込んでいくのですが、ある日、耳に植物の種が入ってしまいました。病院で取ってもらいましたが、それ以来、散歩コースを変更しました。予防って本当に大切ですね。獣医さんのアドバイスで、散歩後は必ず耳の中をチェックする習慣がつきました」（神奈川県・Tさん）
            
        

        
        
            ## 参考文献

            
                - O'Neill DG, Volk AV, Soares T, Church DB, Brodbelt DC, Pegram C. Frequency and predisposing factors for canine otitis externa in the UK - a primary veterinary care epidemiological view. Canine Med Genet. 2021;8(1):7. DOI: 10.1186/s40575-021-00106-1

                - King JN, Steffan J, Heath SE, et al. Epidemiological study of dogs with otitis externa in Cape Breton, Nova Scotia. Can Vet J. 2017;58(2):168-174. PMC: PMC5234316

                - Saridomichelakis MN, Farmaki R, Leontides LS, Koutinas AF. Aetiology of canine otitis externa: a retrospective study of 100 cases. Vet Dermatol. 2007;18(5):341-347. PMID: 17845622

                - Nuttall T. Successful management of otitis externa. In Practice. 2016;38(Suppl 2):17-21. DOI: 10.1136/inp.i1951

                - アニコム損害保険株式会社. みんなのどうぶつ病気大百科. 犬の外耳炎. https://www.anicom-sompo.co.jp/doubutsu_pedia/node/867 (accessed 2024)

            

        

        
        
            本記事はイヌラバ博士が編集した一般情報であり、個別の診断や治療に替わるものではありません。

            愛犬に異常が見られた場合は、必ず獣医師へご相談ください。

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本記事は一般的な情報提供であり、獣医師による診断・医療行為に代わるものではありません。急な悪化や強い異常がある場合は動物病院へ相談してください。
