# 犬が寝る前に布団を掘る・回る行動の理由

> 犬が寝る前に布団を掘ったり、くるくる回る行動は、野生時代から受け継いだ本能的な巣作り行動です。

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- 公開日: 2025-12-03
- 執筆・編集: イヌラバ博士
- タグ: 行動学、ストレスについて

犬が寝る前に布団を掘ったり、くるくる回る行動は、野生時代から受け継いだ本能的な巣作り行動です。祖先のオオカミは草を踏み固め、蛇や虫を追い払い、体温調節に適した寝床を作っていました。現代の飼い犬でも、この遺伝的行動は残っています。

            ただし、高齢犬で急に回転が増えた場合は認知機能障害症候群（CCD）の可能性があり、8歳以上の犬では14〜35%に発症が認められています。正常な行動と病的なサインの見分け方を知っておくことが大切です。

        

        夜、愛犬がベッドでガシガシと布団を掘り始める。あるいは、何度もくるくると回ってからようやく丸くなる。この光景を不思議に思ったことはありませんか。2017年の秋、札幌の動物病院に勤めていた頃、飼い主さんから「うちの子、毎晩15分も回り続けるんです」と相談を受けたことがあります。そのときは笑い話のように聞いていたのですが、後日、その子は関節炎を抱えていたことが判明しました。

        ## 野生の記憶が宿る「巣作り」という本能

        さて、なぜ犬は就寝前にこのような儀式めいた行動をとるのでしょうか。結論から申し上げると、これはオオカミから受け継いだ巣作り行動の名残です。野生のイヌ科動物は、寝床を作る際に草や葉を踏み固め、地面を掘って温度調節を行っていました。

        具体的には、以下のような目的があったと考えられています。まず、背の高い草を倒して視界を確保し、外敵の接近を察知しやすくする。次に、地面に潜む蛇や昆虫を追い払う。そして、暑い日には涼しい土を露出させ、寒い日には窪みを作って体温を保持する。実のところ、米国の行動学者レスリー・アーヴァイン博士は「野生環境では、この円を描く動作が風向きの確認にも役立っていた」と述べています。風上に鼻を向けることで、夜間に近づく捕食者の匂いを素早く察知できたというわけです。

        2015年頃、神戸の病院で担当した柴犬のハナちゃん（当時7歳）は、フローリングの床でも熱心に「掘る」仕草を繰り返していました。飼い主の田中さんは「床が傷つくから困る」とおっしゃっていましたが、これもまた本能の発露。ふかふかのクッション地のベッドに変えたところ、掘る動作は続いたものの、床への被害はなくなりました。

        ## 肉球に隠された「縄張り」のメッセージ

        ところで、犬の足の裏には汗腺とともに臭い腺が存在することをご存じでしょうか。2020年にScientific Reports誌に掲載された研究では、犬が足裏から分泌するフェロモンによって個体識別が可能であることが示されました[1]。つまり、寝床を掘る行為は単なる快適性の追求だけでなく、「ここは私の場所」という縄張りマーキングの意味も持っているのです。

        2019年の夏、東京の飼い主さんから「多頭飼いなのに、なぜか特定のベッドだけ取り合いになる」との相談がありました。観察してみると、先住犬のポチ（ミニチュアダックスフンド、5歳）がそのベッドを毎晩念入りに掘っており、後から来たマロン（トイプードル、2歳）がその匂いに引き寄せられていたようです。解決策として、それぞれ専用のベッドを用意し、しばらく別々の場所で寝かせることで落ち着きました。

        ### 体温調節と安心感の両立

        掘る動作には体温調節という実用的な側面もあります。暑い季節には、布団やブランケットを動かして涼しい面を露出させようとしているのかもしれません。逆に寒い時期には、ふんわりした素材を集めて保温性を高めようとします。

        
            
                行動パターン
                考えられる理由
                季節・状況
            
            
                激しく掘り続ける
                涼しい面を探している
                夏場・室温が高い時
            
            
                布団を寄せ集める
                保温・巣作り本能
                冬場・エアコン使用時
            
            
                数回で落ち着く
                正常な巣作り行動
                通年
            
            
                10回以上回り続ける
                不安・痛み・認知症の可能性
                要観察
            
        

        ## 不安と痛みが隠れている「回りすぎ」のサイン

        とはいえ、すべての「掘る・回る」行動が正常というわけではありません。2018年12月、大阪で診た12歳のゴールデンレトリバー、タロウ君のケースが印象に残っています。飼い主さんは「最近、寝る前に20回以上回るようになった」と心配されていました。獣医師の診察の結果、股関節に軽度の変形性関節症が見つかりました。痛みで楽な姿勢が見つからず、何度も回っていたのです。

        また、分離不安やストレスを抱えた犬も、就寝前の行動が過剰になることがあります。ふと気づいたら10分以上回り続けている、といった場合は注意が必要でしょう。

        
            ### ⚠️ 獣医師への相談が必要なケース

            以下の症状が見られる場合は、早めの受診をおすすめします。

            ・回転が10回以上続く、または5分以上落ち着かない

            ・掘る動作のあとに足を舐め続ける

            ・起き上がる際に痛そうな声を出す

            ・夜中に何度も起きてうろうろする

            ・以前は見られなかった行動が急に増えた

        

        ## 高齢犬と認知機能障害症候群（CCD）の関係

        8歳を超えた犬では、認知機能障害症候群（CCD）という、人間のアルツハイマー病に類似した疾患が発症することがあります。Journal of the American Veterinary Medical Association誌に掲載された2001年の研究によると、11〜12歳の犬では28%、15〜16歳では68%に認知機能の低下が認められました[2]。また、8歳以上の犬全体では14〜35%にCCDが見られるという報告もあります[3]。

        CCDを発症した犬は、目的なく同じ場所をぐるぐると回り続けることがあります。就寝前の正常な回転とは異なり、どこか焦点の合わない目つきで、何度もうろついては回るという特徴があります。

        ### CCDの初期サイン「DISHAA」とは

        獣医行動学の分野では、CCDの症状をDISHAAという頭文字で整理しています。

        
            
                頭文字
                意味
                具体的な症状
            
            
                D
                見当識障害
                慣れた場所で迷う、家具にぶつかる
            
            
                I
                社会的交流の変化
                飼い主への反応が鈍くなる
            
            
                S
                睡眠サイクルの乱れ
                夜中に起きてうろうろする
            
            
                H
                トイレの失敗
                今までできていた場所で粗相する
            
            
                A
                活動量の変化
                無目的に歩き回る、または無気力
            
            
                A
                不安の増加
                以前は平気だった音に怯える
            
        

        2021年のFrontiers in Veterinary Science誌の研究では、血清中のバイオマーカー（NFL、TAUタンパク質、Aβ-42ペプチド）を測定することで、CCDの早期診断が可能になりつつあることが報告されています[4]。とはいえ、現時点では飼い主による日常の観察が最も重要な診断の手がかりとなります。

        
            #### ✔ 高齢犬の飼い主ができる観察ポイント

            毎日の就寝前の行動をスマートフォンで短時間撮影しておくと、獣医師への相談時に役立ちます。回転回数、落ち着くまでの時間、表情や動きの変化を記録しておくことで、微妙な変化にも気づきやすくなります。2020年に横浜の飼い主さんがこの方法で愛犬の異変に気づき、早期にCCDの治療を開始できたケースがありました。

        

        ## 掘る・回る行動と地球の磁場の不思議な関係

        ここで少し不思議な話をしましょう。2013年にFrontiers in Zoology誌に掲載された研究では、犬が排泄時に南北軸に沿って体を向ける傾向があることが報告されました[5]。70頭、37犬種、約1,900回の排便と5,500回の排尿を2年間にわたって観察した結果です。

        地球の磁場が安定している条件下では、犬は東西方向を避け、南北軸を好むという結果でした。就寝前の回転行動にも同様のメカニズムが関わっているかもしれませんが、室内環境では建物の構造や家具の配置など、他の要因が大きく影響するため、一概には言えません。ただ、犬が何らかの形で地球の磁場を感知している可能性は興味深いですね。

        ## 愛犬の快適な眠りのためにできること

        さて、実際に飼い主として何ができるでしょうか。まず、愛犬の本能的な行動を無理に止めようとしないことが大切です。掘る行為を叱ると、犬はストレスを感じるだけでなく、飼い主との信頼関係にも影響します。

        2022年の冬、福岡で相談を受けたシェルティのリンちゃん（8歳）は、飼い主さんが毎回「ダメ！」と制止したことで、布団に近づくこと自体を怖がるようになってしまいました。結果的に、リビングの隅で丸くなって寝るようになり、冬場は体調を崩しやすくなったそうです。行動を認めつつ、環境を整えることが解決への近道でした。

        ### 実践的な環境づくり

        具体的には、以下のような工夫が有効です。丈夫な素材のベッドを選ぶ。掘っても破れにくいキャンバス地や、爪が引っかかりにくいスムースな素材がおすすめです。高齢犬には低反発素材のベッドが関節への負担を軽減します。また、ベッドの設置場所は静かで落ち着ける場所を選びましょう。人の出入りが多い廊下や、テレビの近くは避けた方が良いでしょう。

        室温管理も重要です。夏場は25度前後、冬場は20度程度を目安に調整してください。とくに高齢犬は体温調節機能が低下しているため、極端な温度変化は避けるべきです。

        ## まとめ：行動を理解し、変化を見逃さない

        犬が寝る前に布団を掘り、くるくると回る行動は、数万年にわたって受け継がれてきた本能の現れです。この行動自体は正常であり、むしろ犬らしい姿といえます。しかし、その頻度や強度の変化には注意が必要です。

        あなたの愛犬は毎晩、どのように眠りについていますか。ふと立ち止まって観察してみると、新たな発見があるかもしれません。そして、もし「いつもと違う」と感じたら、それは大切なサインかもしれません。15年間、動物病院で多くの犬と飼い主さんを見てきた経験から言えることは、早期発見が愛犬の生活の質を大きく左右するということです。日々の観察を続けながら、愛犬との時間を大切にしてください。

        ## よくある質問（FAQ）

        
            Q. 犬が布団を掘るのは何回くらいが正常ですか？
            一般的に2〜5回程度の回転や掘る動作は正常な範囲です。ただし、10回以上繰り返す場合や、落ち着くまでに5分以上かかる場合は、関節の痛みや不安症状の可能性があるため獣医師への相談をおすすめします。

        

        
            Q. 子犬でも布団を掘る行動をしますか？
            はい、子犬でもこの行動は見られます。生後数週間から本能的に行うことがあり、成長とともに頻度や回数が安定していきます。野生時代から受け継いだ遺伝的な行動のため、特別なしつけは不要です。

        

        
            Q. 布団を掘る行動を止めさせた方がいいですか？
            基本的に止めさせる必要はありません。本能に基づく正常な行動であり、無理に制止するとストレスの原因になることがあります。ただし布団の破損が気になる場合は、専用の丈夫なベッドを用意するなどの環境整備が有効です。

        

        
            Q. 高齢犬が急に回る回数が増えたのですが問題ありますか？
            高齢犬で急に回転回数が増えた場合、認知機能障害症候群（CCD）の初期症状である可能性があります。8歳以上の犬で14〜35%に発症するとされており、早期発見と対応が重要です。かかりつけの獣医師に相談することをおすすめします。

        

        
            Q. 犬が回る方向に意味はありますか？
            2013年のFrontiers in Zoology誌の研究によると、犬は安定した磁場条件下で南北軸に沿って体を向ける傾向があることが報告されています。ただし、室内での就寝前の回転については、方向よりも回数や落ち着くまでの時間に注目した方が健康状態の把握に役立ちます。

        

        
            ## 飼い主さんの声

            
                「13歳のビーグル、モモが最近寝る前に10回以上回るようになって心配していました。この記事を読んで獣医さんに相談したところ、軽度の認知症の兆候があると言われました。早めに気づけてよかったです。今は食事療法と環境の工夫で、穏やかに過ごせています。」（東京都・50代女性）
            

            
                「うちのトイプードル（6歳）は毎晩必ず3回回ってから寝ます。最初は変な癖だと思っていましたが、オオカミから受け継いだ本能だと知って、むしろ愛おしく感じるようになりました。今では『おやすみの儀式だね』と声をかけています。」（大阪府・40代男性）
            
        

        
            ## 参考文献

            
                - Conspecific recognition of pedal scent in domestic dogs. Scientific Reports. 2020;10:17699. DOI: 10.1038/s41598-020-74784-5

                - Neilson JC, Hart BL, Cliff KD, Ruehl WW. Prevalence of behavioral changes associated with age-related cognitive impairment in dogs. J Am Vet Med Assoc. 2001;218(11):1787-91. DOI: 10.2460/javma.2001.218.1787 PMID: 11394831

                - Dewey CW, Davies ES, Xie H, Wakshlag JJ. Canine cognitive dysfunction: Pathophysiology, Diagnosis, and Treatment. Vet Clin North Am Small Anim Pract. 2019;49(3):477-499. DOI: 10.1016/j.cvsm.2019.01.013 PMID: 30846383

                - Vikartovska Z, et al. Novel Diagnostic Tools for Identifying Cognitive Impairment in Dogs: Behavior, Biomarkers, and Pathology. Front Vet Sci. 2021;7:551895. DOI: 10.3389/fvets.2020.551895 PMID: 33521072

                - Hart V, Nováková P, Malkemper EP, et al. Dogs are sensitive to small variations of the Earth's magnetic field. Front Zool. 2013;10:80. DOI: 10.1186/1742-9994-10-80

            

        

        
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