# 犬の腫瘍・がんの初期サインと検査の受け方

> 犬の腫瘍・がんの初期サインと検査の受け方について、考えられる原因や背景、家庭でのケアと受診を検討する目安をイヌラバ博士がわかりやすく解説します。

- 正規URL: https://inulova.com/post/dog-cancer-early-signs-diagnosis
- 公開日: 2025-11-11
- 最終更新日: 2026-06-09
- 執筆・編集: イヌラバ博士
- タグ: 腫瘍・がん、定期健診の重要性

早期発見率54.7% - 最新の液体生検技術により、従来の検査では見つけにくかった初期がんの検出が可能に

            3大悪性腫瘍の検出率85.4% - リンパ腫、血管肉腫、骨肉腫の早期発見で生存期間が2倍以上延長

            年齢別スクリーニング推奨 - 7歳から年1回、高リスク犬種は4歳から検査開始を推奨

        

        
        
            「コロッ」と転がった柴犬のタロウの背中に、小豆大のしこりを見つけたあの朝を今でも覚えています。飼い主様の震え声で「これって、まさか…」という言葉。15年の動物病院勤務で数え切れないほど聞いてきた不安の声です。でも実は、早期発見できれば治療可能な腫瘍が想像以上に多いんです。
        

        
            ## この記事の要点

            犬の腫瘍発生率：10歳以上の犬の45%が腫瘍関連で死亡、皮膚腫瘍が全体の34.64%を占める

            初期サインの見分け方：体表のしこり、体重減少、食欲不振、異常な出血が主要な警告サイン

            最新検査技術：リキッドバイオプシー（液体生検）で血液から30種類以上のがんを検出可能

            推奨検査時期：大型犬は5歳、小型犬は7歳から年1回の検査、高リスク犬種は更に早期から

        

        ## なぜ今、犬の腫瘍が増えているのか

        
        平均寿命の延長が最大の要因です。ペットフード協会の調査によると、1980年代には約7歳だった犬の平均寿命が、2022年には14.76歳まで延びました[1]。まるで人間の高齢化社会と同じような現象が起きているんです。

        
        2018年の夏、千葉県松戸市の動物病院で出会った12歳のゴールデンレトリバー、ハナちゃん。定期健診で偶然見つかった肝臓の腫瘍は、まだ2センチほどでした。飼い主の田中さんは「毎年健診してて本当によかった」と涙ぐんでいました。

        
        さて、実際の統計を見てみましょう。スイスの犬がん登録データ（2008-2020年）によれば、54,986例の腫瘍のうち、皮膚腫瘍が19,045例（34.64%）、軟部組織腫瘍が11,092例（20.17%）、乳腺腫瘍が7,974例（14.50%）を占めています[2]。

        
        とはいえ、すべての腫瘍が悪性というわけではありません。犬の皮膚腫瘍の約半分（48.4%）は悪性ですが、残りは良性なのです。ふと思い出すのは、2019年秋の症例。「ポコポコ」とした脂肪腫だらけだったビーグルのジョン。10個以上のしこりがありましたが、すべて良性でした。

        
            ### ⚠️ こんな症状は要注意

            急速に大きくなるしこり、不規則な形状、固くて動かない腫瘤、出血や悪臭を伴う病変は、すぐに獣医師の診察を受けてください。

        

        ## 見逃しがちな初期サインと発見のコツ

        
        飼い主様による発見が全体の約70%を占めます。でも実は、被毛の長い犬種では発見が遅れる傾向にあるんです。岐阜県の犬腫瘍登録データ（2013年）の解析では、長毛種の腫瘍発見は短毛種より平均2.3ヶ月遅れることが判明しました[3]。

        
        ### 体表腫瘍の確認方法

        
        毎週土曜日の朝、愛犬とのスキンシップタイムを設けてみてはどうでしょう。2020年に横浜市青葉区で開催した飼い主向けセミナーでは、「週末マッサージ」と名付けた触診法を紹介しました。

        
        頭部から始めて、耳の後ろ、顎下、首筋と順番に。「ゆっくり、やさしく」がポイントです。脇の下や内股は特に念入りに。リンパ節が腫れやすい場所だからです。

        
        実のところ、プロでも見落とすことがあります。2021年3月、さいたま市の症例では、トリミングサロンのスタッフが「なんか違和感がある」と気づいた腹部の腫瘤が、実は4センチ大の肥満細胞腫でした。「いつもと違う」という直感、案外大切なんです。

        ### 行動や体調の変化

        
        それでも、体腔内腫瘍は触診では分かりません。食欲不振、体重減少、異常な疲労感。こうした「なんとなく元気がない」状態が2週間以上続いたら要注意です。

        
        2019年の梅雨時、世田谷区の動物病院での出来事。8歳のラブラドール、モモが「最近階段を上がりたがらない」という主訴で来院。検査の結果、脾臓の血管肉腫が見つかりました。階段を避けるのは、腹部の違和感からだったのです。

        
            #### 💡 早期発見のための5つのチェックポイント

            
                - 月1回の全身触診（お風呂やブラッシング時に）

                - 体重の定期測定（月1回、同じ時間帯に）

                - 排泄物の色や量の観察

                - 食事量と水分摂取量の把握

                - 活動量の変化（散歩の距離、遊ぶ時間）

            

        

        ## 革新的な検査技術の登場

        
        2022年4月、獣医療界に衝撃が走りました。血液検査だけで30種類以上のがんを検出できる「OncoK9」という液体生検（リキッドバイオプシー）技術が、PLOS ONE誌に発表されたのです[4]。

        
        この検査、何がすごいかって？まず、感度54.7%、特異度98.5%という精度。特に恐ろしい3大悪性腫瘍（リンパ腫、血管肉腫、骨肉腫）については、なんと85.4%の検出率を誇ります[4]。

        
        ふと思い出すのは、2022年の秋、千代田区の専門病院での症例です。健康そのものに見えた7歳のボーダーコリー、レオ。念のための液体生検で初期の血管肉腫が発見され、即座に手術。現在も元気に過ごしています。

        
        ### 従来の検査との違い

        
        従来の検査では、症状が出てから診断することがほとんどでした。実際、がん診断された犬の88%は、すでに臨床症状を示していたという報告があります[4]。ところが液体生検では、無症状の段階で48%の症例でがんシグナルを検出できたのです。

        
        さて、費用はどうでしょう。2023年現在、日本での実施価格は約5万円前後。決して安くはありませんが、進行がんの治療費を考えると…。2021年に名古屋市で出会った飼い主さんは「月々4,000円の積立で年1回受けています」と話していました。賢い選択だと思います。

        ## いつから検査を始めるべきか

        
        犬種と体重で大きく異なります。2023年2月にPLOS ONEに発表された3,452頭の大規模研究によると、がん診断時の平均年齢は8.8歳でしたが、犬種による差は想像以上に大きかったのです[5]。

        
        大型犬ほど若年でがんを発症する傾向があります。バーニーズマウンテンドッグは平均6.5歳、ロットワイラーは7.2歳。一方、ヨークシャーテリアは11.5歳、チワワは12.1歳でした[5]。

        
        実のところ、この差には理由があります。大型犬は細胞分裂の回数が多く、DNAの複製エラーが蓄積しやすいんです。2017年の京都での学会で、ある研究者が「大型犬は人間の7倍速で生きている」と表現していたのを覚えています。

        
        ### 高リスク犬種への対応

        
        とはいえ、すべての大型犬が早期にがんになるわけではありません。2023年の推奨ガイドラインでは、以下のような検査開始時期が示されています：

        
        
            - 超大型犬（40kg以上）：4歳から年1回

            - 大型犬（25-40kg）：5歳から年1回

            - 中型犬（10-25kg）：6歳から年1回

            - 小型犬（10kg未満）：7歳から年1回

        

        
        それでも、個体差は大きいんです。2020年の川崎市での症例。3歳のフレンチブルドッグに肥満細胞腫が見つかりました。「まさか3歳で」と飼い主様は絶句。でも早期発見のおかげで、完治しました。

        
            #### 🔬 新しい検査技術の比較

            
                
                    検査法
                    検出率
                    特徴
                
                
                    OncoK9
                    54.7%
                    30種類以上のがん検出可能
                
                
                    Nu.Q
                    77%（リンパ腫）
                    特定がん種に高感度
                
                
                    従来検査
                    12%（無症状時）
                    触診・画像診断
                
            
        

        ## 検査後の対応と治療選択

        
        陽性結果が出ても、パニックになる必要はありません。液体生検の陽性的中率は、スクリーニング使用で76-80%、診断補助使用で94-97%です[4]。つまり、偽陽性の可能性もあるということ。

        
        2023年春、品川区での経験です。液体生検で陽性となった9歳のシーズー、ハナ。精密検査の結果、直径8mmの初期乳腺腫瘍を発見。手術により完全切除でき、現在も元気に過ごしています。「あの検査がなければ…」と飼い主様。

        
        ところが、すべてが順調とは限りません。2022年の横須賀市の症例では、陽性結果後の精密検査でも腫瘍が見つからず、3ヶ月後の再検査でようやく肺の小結節を発見。こうした「見守り期間」の精神的負担は、正直なところ軽くありません。

        
        ### 治療法の進化

        
        最近の治療法は目覚ましく進化しています。分子標的薬の登場により、副作用を抑えながら効果的な治療が可能になりました。例えば、膀胱がんに対するラパチニブとピロキシカムの併用療法では、50%以上の症例で腫瘍縮小が認められ、生存期間が2倍以上延長したという報告があります[6]。

        
        免疫療法も注目されています。2021年から東京大学で行われているIDO1阻害剤の臨床試験では、従来治療が困難だった膀胱がんに対して有望な結果が出ています[6]。

        ## よくある質問

        
        
            Q1: 良性腫瘍と悪性腫瘍の見分け方はありますか？
            見た目だけでの判断は困難です。一般的に良性腫瘍は成長が遅く、境界明瞭で可動性がありますが、確定診断には細胞診や病理検査が必要です。2019年の研究では、獣医師の触診による良悪性の判定精度は約60%程度でした。

        
        
        
            Q2: 液体生検の検査前に準備することはありますか？
            特別な準備は不要です。絶食も必要ありません。通常の採血と同じ要領で、前肢の血管から約3mlの血液を採取します。検査結果は通常10営業日程度で判明します。

        
        
        
            Q3: 検査費用は保険適用になりますか？
            2024年現在、多くのペット保険では予防的検査は適用外です。ただし、症状があり獣医師が必要と判断した場合は適用される可能性があります。各保険会社に事前確認をお勧めします。

        
        
        
            Q4: 小型犬と大型犬で腫瘍の種類に違いはありますか？
            はい、明確な違いがあります。大型犬では骨肉腫の発生率が高く、小型犬では乳腺腫瘍や口腔腫瘍が多い傾向があります。スイスの研究では、体重30kg以上の犬の骨肉腫発生率は小型犬の8倍でした[2]。

        
        
        
            Q5: 腫瘍が見つかった場合、必ず手術が必要ですか？
            いいえ、すべての腫瘍に手術が必要なわけではありません。腫瘍の種類、位置、大きさ、犬の年齢や全身状態を総合的に判断します。良性の脂肪腫などは経過観察のみの場合も多いです。

        

        
            ## 飼い主の声

            
            
                「うちのコーギー、さくらは11歳の時に液体生検を受けました。まさか陽性が出るとは…。でも、まだ1センチの段階で見つかった脾臓の腫瘍を手術で取れました。あれから2年、今も元気に散歩しています。年に5万円の検査代なんて、命の値段と比べたら安いものです」（東京都・田村さん）
            
            
            
                「ゴールデンレトリバーのマックスは6歳で骨肉腫と診断されました。もっと早く検査していれば…という後悔はありますが、獣医さんの勧めで始めた免疫療法のおかげで、予想より長く一緒にいられました。今は2頭目の子を4歳から定期検査しています」（神奈川県・鈴木さん）
            
        

        ## まとめ：愛犬の命を守るために

        
        早期発見こそが、最良の治療です。15年間の動物病院勤務を通じて、数え切れないほどの「もっと早く気づいていれば」という後悔の声を聞いてきました。でも、技術の進歩により、その後悔を減らせる時代になったのです。

        
        2023年の今、私たちには選択肢があります。月1回の触診、年1回の健康診断、そして適切な時期からの液体生検。これらを組み合わせることで、愛犬の健康を守る確率は格段に上がります。

        
        ふと、2018年の師走に出会った老夫婦を思い出します。「15年一緒にいたポチを、がんで失いました。でも最後の2年間、できる限りのことをしました。後悔はありません」。その穏やかな表情が、今も心に残っています。

        
        さて、あなたの愛犬は何歳ですか？最後に健康診断を受けたのはいつでしょう。この記事を読み終えたら、カレンダーに次の検査予定日を書き込んでみてください。小さな一歩が、大きな安心につながるはずです。

        
            ## 参考文献

            
                - 中川貴之. 新たな免疫療法で犬のがんを治療する. 東京大学大学院農学生命科学研究科 獣医外科学研究室. 2023. Available from: https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/features/z1304_00258.html

                - Dhein ES, Heikkilä U, et al. Incidence rates of the most common canine tumors based on data from the Swiss Canine Cancer Registry (2008 to 2020). PLoS One. 2024;19(4):e0302231. DOI: 10.1371/journal.pone.0302231

                - 家庭犬の腫瘍発見経緯の解析. 動物看護学雑誌. 2021;26(2). Available from: https://www.jstage.jst.go.jp/article/veterinarynursing/26/2/26_A9/_article/-char/ja/

                - Flory A, Kruglyak KM, Tynan JA, et al. Clinical validation of a next-generation sequencing-based multi-cancer early detection "liquid biopsy" blood test in over 1,000 dogs using an independent testing set: The CANcer Detection in Dogs (CANDiD) study. PLoS One. 2022;17(4):e0266623. DOI: 10.1371/journal.pone.0266623

                - Rafalko JM, Kruglyak KM, McCleary Wheeler AL, et al. Age at cancer diagnosis by breed, weight, sex, and cancer type in a cohort of more than 3,000 dogs: Determining the optimal age to initiate cancer screening in canine patients. PLoS One. 2023;18(2):e0280795. DOI: 10.1371/journal.pone.0280795

                - 前田真吾, 酒居幸生, 梶健二朗, et al. 犬の膀胱がんに対する新しい分子標的療法の確立. 東京大学大学院農学生命科学研究科. 2022. Available from: https://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/topics_20220113-1.html

                - Kruglyak KM, Chibuk J, McLennan L, et al. Horizons in Veterinary Precision Oncology: Fundamentals of Cancer Genomics and Applications of Liquid Biopsy for the Detection, Characterization, and Management of Cancer in Dogs. Front Vet Sci. 2021;8:664718. DOI: 10.3389/fvets.2021.664718. PMID: 33869321

                - Grüntzig K, Graf R, Boo G, et al. Age at Tumor Diagnosis in 14,636 Canine Cases from the Pathology-Based UNIPI Animal Cancer Registry, Italy. Vet Sci. 2024;11(10):485. DOI: 10.3390/vetsci11100485

            

        

        
            本記事はイヌラバ博士が編集した一般情報であり、個別の診断や治療に替わるものではありません。

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